新聞クイント2010年4月(お試し版)
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第172号 2010年4月10日(土)3今月のニュース今月のニュース 保険の窓愛知県歯科医学大会・第33回中部日本デンタルショー開催社 会 2月20日(土)、21日(日)の両日、中小企業振興会館(愛知県)において、愛知県歯科医学大会・第33回中部日本デンタルショー併設(愛知県歯科医師会主催、愛知県歯科技工士会、愛知県歯科衛生士会、東海歯科用品商協同組合共催)が昨年を上回る11,712名を集めて盛大に開催された。2日間にわたり、特別講演1題、企画講演10題、ワークショップなど、充実したテーマの内容が展開され、いずれの会場とも賑わいをみせていた。 デンタルショー会場では、デジタル化の進展により近年ますます注目されている歯科用CT装置、CAD/CAMなどを出展する企業ブースに多くの歯科医療関係者がつめかけ、関心度の高さがうかがえた。 レセコンメーカー展示会場では、昨年末にレセプトオンライン請求義務化が事実上撤回されたこともあり、来場した歯科医師も前回ほど切迫した様子は感じられなかったが、今後の導入に向けてシステムの内容に真剣に耳を傾ける姿がみられた。 21日には、奥田克爾氏(東京歯科大学名誉教授)による「暗殺者口腔内バイオフィルム細菌との戦い」、丸茂義二氏(日本歯科大学東京短期大学歯科衛生学科教授)による「総義歯の咬合を再考する」、前田憲昭氏(大阪府開業)による「歯科院内感染予防を工夫して楽しむ方法」、後藤滋巳氏(愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座教授)による「低年齢期からの不正咬合にどう対応する?」、不破祐司氏(愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座講師)による「低年齢期の不正咬合への機能的アプローチ」などが催され、いずれも示唆に富む講演が行われた。 3月5日(金)、歯科医師会館において日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟、堤 直文会長)による臨時記者会見が開催された。本会見では、きたる7月に開催される予定である第22回参議院比例代表選挙において、さる3月3日(水)に民主党から公認された日歯連盟会員の西村正美氏(東京都開業)が挨拶を行うとともに、執行部から今後の支援方法について報告がなされた。既報のとおり、日歯連盟は第108回の臨時評議員会で組織内候補者を擁立しないこと、第109回の臨時評議員会で民主党公認候補者を正式に支援することが機関決定している。 席上、西村氏は「これからの歯科界が未来あるもの明るいものとなるようしっかり戦っていきたい」と挨拶した。 引き続き、髙木幹正理事長は西村氏の支援方法について、「今までの組織内単一候補者の選挙とはおのずと違った形で進めなければならない。きたる同月19日(金)に開催される評議員会で評議員に説明し賛同を得たい」と述べた。 支援方法の概要については、中央後援会を中心とした選挙活動を行い、中央後援会の中に総合戦略本部(後に選対本部に移行)を設置する。都道府県においては、後援会組織の立ち上げを要請するが、それぞれの事情があることから地方の裁量に委ねるとの見解を示した。 西村氏は1989年3月、日本歯科大学卒業。同年4月から1993年3月まで東京医科歯科大学歯学部第3歯科保存学教室医局員。1994年4月から1996年6月まで愛育歯科診療所副院長。1996年7月、まさみデンタルクリニック開設。2009年1月から東京都国民健康保険診療報酬審査委員会審査委員のほか、同年4月から社団法人東京都中野区歯科医師会理事(社保担当)を務める。挨拶する西村氏(写真中央)。昨年を上回る参加者でにぎわったデンタルショー会場。神奈川県歯、歯科衛生士復職支援無料講習会を開催復職を目指す歯科衛生士200名以上が参加 2月28日(日)、神奈川県歯科保健総合センターにおいて、歯科衛生士復職支援無料講習会(神奈川県歯科医師会主催、神奈川県、横浜市健康福祉局、横浜市歯科医師会、神奈川県歯科衛生士会後援)が開催された。本講習会は、出産・育児などで現場を離れている未就業歯科衛生士の復職を支援するために、3日間にわたって講義・実習・現場見学を行うもの。初日の会場には、あいにくの天候にもかかわらず定員100名を大幅に上回る200 名以上の歯科衛生士が職場復帰を目指して参加し、8題にわたる講義を受講した。 高橋紀樹氏(神奈川県歯科医師会会長)は、「歯科衛生士の国家資格をそのまま眠らせていることは、歯科界の損失というよりも社会の損失といえる。本講習会をきっかけに職場復帰を目指していただきたい」と国民の健康維持・増進に寄与する歯科衛生士の役割を強調した。引き続き、堀 正子氏(神奈川県歯科衛生士会会長)より、「本講習会をきっかけに1人でも多くの方が復職し活躍されることを望む」と職場復帰を目指す歯科衛生士にメッセージが送られた。 その後、日本歯科医師会が作成した「未就業歯科衛生士のためのリカバリー研修用テキスト」をもとに、全身疾患に対する基礎知識や感染対策、医療安全、患者指導など、幅広い内容の講義が行われた。参加者は3年以上離職している歯科衛生士が多数を占め、離職当時の情報と現在の最新情報の差を埋めるべく、熱心にメモをとる様子が印象的であった。 当日は別室でのモニタによる受講者も出るなど、予定を上回る参加者に復職への期待がうかがえた。 なお、2日目となる3月7日(日)にTBIおよびPMTCなどの実習、3日目には希望者を対象として協力歯科医院臨床現場見学が行われる予定。会場受付に並ぶ未就業歯科衛生士。社 会 日歯連盟、臨時会見を開催参院比例選、民主党公認に会員の西村正美氏が決定政 治点数改正について(その1) 今回の点数改正の経緯については、厚労省のホームページにおいて中医協開催当日の午前中には議案や答申案などが掲載され、技官会議の朝にも通知文やその他の当日配布資料が掲載された。さらに技官会議の内容については、2~3時間遅れではあるが、当日の夕方には「YouTube」の音声付き動画で知ることができた。IT化でつくづく時代が変わっていくことを実感させられたが、だれもが公平に情報が得られ、伝聞ではなく直接確認できることはおおいに歓迎したい。事業仕分けや官公庁などのムダの排除が叫ばれているなか、遠方の技官は上京することなくネットで参加し、会場費の節約もできたそうである。政権交代よる変化であろうか。 さて、今回に限らず最近の点数改正で新設される項目の多くは施設基準が定められ、治療機器の新たな設備や、歯科衛生士などの人的配置が求められる。中・大規模診療所や病院にとっては恩恵をもたらす一方、小規模診療所はまったくかやの外である。 新しいレセプトの施設基準欄も11項目が列挙されているが、筆者のレセプトは補管に○をつけるのみである。歯科医師のみでもGTRはできるし、破折義歯の修理も患者の要望に応えられる。レーザーを用いて窩洞形成を行うには時間も多く要するし、機器も高価ではあるが、タービンなどで形成するよりもそれほどに優れた方法なのであろうか。 今回の改正でまず評価できるのは歯周病安定期治療(SPT)であろう。対象とする歯周病の程度にはいまだ不満は残るが……。(お茶の水保険診療研究会:Y・S)

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