新聞クイント2010年6月(お試し版)
3/3

2010年6月10日(木) 第174号3今月のニュース今月のニュース歯の健康シンポジウム開催特別ゲストにモデル・女優の杏さん会場は約900名の参加者で盛会となる社 会 5月12日(水)、よみうりホール(東京都)において、「2010年歯の健康シンポジウム」(日本歯科医師会、読売新聞社主催、パナソニック、パナソニック電工協賛)が「キレイと元気をつくる、ランチ磨きのすすめ―がんリスクを減らす食後磨き―」をテーマに開催され、約900名が参加した。 会場では、宮村一弘氏(日本歯科医師会副会長)の主催者挨拶に続き、講演1「お口のケアは健康美人のもと」(高橋英登氏、東京都開業)、講演2「歯の健康とがん予防」(松尾恵太郎氏、愛知県がんセンター研究所)、輝く口元実践講座「電動ブラッシング教室2010」(北原文子氏、歯科衛生士)、「笑顔レッスン」(土屋圭子氏、JALアカデミー接遇インストラクター)が行われた。 高橋氏は、「日本の平均寿命は世界トップクラスながら健康寿命とは差がある」と指摘し、「健康寿命をなるべく平均寿命に近付けるには、歯の健康が欠かせない」と述べた。とくに唾液の効用について解説し、歯磨きの重要性を説いた。松尾氏は医科の立場より、歯の本数と頭頸部がんや食道がんの関係について、研究データをもとに概説。歯磨きの回数とがんリスクの関係性を示した。北原氏は、音波ハブラシの正しい使い方を実演し、土屋氏は、豊かな表情を身につけるための笑顔レッスンを披露した。 その後のパネルディスカッションでは、高橋氏、松尾氏、特別ゲストの杏さん(モデル・女優)、コーディネーターに酒井ゆきえ氏(フリーアナウンサー)が登壇した。杏さんは、「コンパクトな携帯用コップをつねに持ち歩き、食後には必ず歯磨きをしています」と述べた。酒井氏は、「口元はあなたの品格を表すバロメーター。ランチ後の歯磨きをぜひお勧めします」と本シンポジウムを締めくくった。左より、酒井氏、高橋氏、杏さん、松尾氏。株式会社ヨシダ「ペリオ・インプラント・補綴医のための炭酸ガスレーザー特別講演会」開催社 会 4月25日(日)、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、「ペリオ・インプラント・補綴医のための炭酸ガスレーザー特別講演会」(株式会社ヨシダ、株式会社吉田製作所主催)が開催された。参加者のほとんどがヨシダ社製炭酸ガスレーザー「オペレーザー」のユーザーである歯科医師、もしくはこれからレーザーの臨床応用を考えている若手歯科医師で、女性歯科医師の姿も多く見受けられる講演会となった。 本特別講演会に演者として招聘されたのは、Osseo Skarp Institute Study Club(OSI)主幹3名で、寺西邦彦氏(東京都開業)による「レーザー??」、金城清一郎氏(沖縄県開業)による「レーザー?」、伊藤雄策氏(大阪府開業)による「手放せないオペレーザー」の演題がそれぞれ披露された。 いずれの講演も、「オペレーザー」の臨床応用に特化した内容であったが、3名の演者ともレーザーの効力についてはエビデンス不足であることを強調しながらも、それゆえ適応症をよく吟味して臨床応用することを提案していた。炭酸ガスレーザーの波長特性や出力などから、よくレーザーの入門機種としても語られるが、使い勝手のよさは3名とも認めるところで、インプラントから歯周治療、審美修復治療などの幅広いジャンルで応用している模様で、若い参加者にも比較的わかりやすい内容であった。 本年4月の診療報酬改定では、従来からの「レーザー応用によるう蝕除去にかかわる加算」に加えて、「手術時歯根面レーザー応用加算」が新たに保険適用となった。Er:YAGレーザーに限っての適用であるが、本講演会を見ても、にわかにレーザー領域が活発化してきていることがうかがえた。臨床ゲノム医療研究会発足記念プレスセミナーを開催「ゲノム診断が変える、これからの医療」をテーマに社 会 4月28日(水)、ホテルニューオータニ(東京都)において、臨床ゲノム医療研究会(渥美和彦理事長)発足記念プレスセミナー「ゲノム診断が変える、これからの医療」が開催され、多くの報道関係者が参集した。本研究会は、日本におけるゲノム診断の普及を通じて医療の革新と国民の健康増進に貢献することを目的に発足された。 満場となった会場ではまず、渥美和彦会長(東京大学名誉教授、日本統合医療学会理事長)が挨拶し、引き続き「研究会の発足にあたって~臨床ゲノムとこれからの医療」と題するテーマの講演が行われた。 その後、本研究会顧問を務める村松正實氏(東京大学名誉教授、埼玉医科大学ゲノム医学研究センター名誉所長)による「臨床ゲノム学の基礎―ゲノム情報応用のために―」、副会長である村松正明氏(東京医科歯科大学大学院教授)による「SNPsとゲノム検診の意義」、藤崎浩治氏(株式会社ジーンサイセンスゲノム解析センター取締役)による「がん遺伝子検査概要」、理事を務める阿部博幸氏(医療法人社団博心厚生会九段クリニック院長)による「臨床現場におけるゲノム診断の活用例」、同じく新谷 悟氏(昭和大学歯学部教授)による「歯科医師によるがん検診、遺伝子によるリスク予測のレベルへ」がつぎつぎに行われた。 各演者からは臨床ゲノム学や実際の臨床現場におけるゲノム診断の有用性などが概説され、ゲノム診断が予防医療において重要な役割を果たすことが示唆された。 がんや生活習慣病の発症と遺伝子との関連性が明らかにされつつあるなか、遺伝子検査によってがんリスク評価やがん治療後の再発などが推定できると期待されている。本研究会の日本におけるゲノム診断を普及させる今後の活動に注目したい。質疑応答に答える演者ら。左より伊藤氏、寺西氏、金城氏。 保険の窓点数改正について(その3) 私どものグループでは、4月請求分のレセプト295枚を旧点数に置き換えたところ、+1.8%との結果が出た。今回の改正は材料料が-0.1%となっているので、+1.99%をとりあえずの目標としていたが、そこそこの結果であろう。 その内容を探れば、初診料の引き上げは歯管とスケーリングの引き下げにより相殺されるが、再診料の平均実日数からみて+4点とP基処10点の計14点は基礎的なプラスとなり、+1%は確保されているとみえる。この+1%にさらに上乗せされるプラス要因を探してみたい。 1つ目に義調(+30点)がある。実2日の場合は+30点で約+2%、実3日であれば+60点で約+3%となる。義管Aのマイナス要因は、義管Bの月が替わると算定できることおよび義調の新設により相殺される点であろう。2つ目は再SRPである。前歯部6歯に再SRPを行った場合、+72点で約+5%となる。3つ目はSPTであるが、以前の対応法により大幅なプラスとなる場合と、ほとんど変わらない場合とに分かれる。ただし、たとえ大きなプラスが見込めなくとも、治療の流れからみてSPTに着手することは悪くないと考える。4つ目は5歳児の+50/100加算が挙げられる。初診月実2日で4歯に光CR充填を行えば、実に約+35%にもなる。その他には画像診断や有床義歯なども引き上げられたが、それを実感できるほどではない。 さて、一方マイナス要因はP混検のみである。これについては各地の審査会の動向も気になるため、いずれ報告したい。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S) QUINT DENTAL GATEおよび歯学書.COMでは、クインテッセンス出版に関する最新情報はもとより、毎月の新刊情報や今月の雑誌など、皆様のニーズにあわせた最新情報を配信しております。 歯学書.COMでは、このたび携帯電話からクインテッセンス出版の雑誌・書籍がご購入いただけるモバイルオンラインショップをオープンいたしました。QUINT DENTAL GATEとともに、ぜひご活用ください。アクセス方法【QRコードからのアクセス】QRコードを認識できる携帯電話をお持ちの方は右のQRコードからアクセスしてください。【URLからのアクセス】URL入力欄に以下のアドレスを入力してアクセスしてください。http://www.quint-j.co.jp/shigakusyocom/html/mobile/※ データ通信料(パケット通信料)はご利用者様の負担になりますのでご注意ください。パケット定額サービスのご利用をおすすめいたします。歯学書.COMモバイル版オンラインショップオープンのお知らせ

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る