新聞クイント2010年7月(お試し版)
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2010年7月10日(土) 第175号3今月のニュース今月のニュースモリタ友の会『誰でもわかる2010年歯科保険請求虎の巻』刊行社 会 歯科保険請求の「虎の巻」と親しまれ、大評判の『誰でもわかる歯科保険請求虎の巻』(クインテッセンス出版刊)の2010年度版が、平成22年4月の大改定に合わせて、6月25日に刊行される。 本書は、平成22年3月下旬以降に発出された疑義解釈・通知などの最新情報を反映させて、今改定の特徴・疑問点・難しい解釈など、読者が知りたいポイントをQ&A方式で解説したもの。診療現場の先生方から寄せられた切実な疑問・質問に、今後想定される質問を加えて、編集委員のメンバーが現実に即した回答をしている。 さらに、今改定に基づいた「レセプト記載上の留意点」「提供文書の書き方」「返戻されやすいレセプト」などの章を設けた、まさに保険請求の「虎の巻」として、歯科院長室必携の書となっている。 本書は株式会社モリタ(森田晴夫代表取締役社長)の「モリタ友の会」限定書籍(非売品)のため、まだ会員ではない方は右記の申込要項にて申し込むことで入手可能。【モリタ友の会申込要項】・ 2010年度 モリタ友の会会員提供品(歯科技工士会員除く)『誰でもわかる2010年歯科保険請求虎の巻』(非売品)・ 6月下旬より歯科商店を通じてお届けの予定・ 友の会募集期限:2010年9月30日・ お申込みは出入りの歯科商店、またはモリタ社のホームページからURL:www.dental-plaza.com/tomo2010/第67回学童歯みがき大会開催インターネット配信を含め約11,450名が参加し、盛会となる社 会 6月4日(金)、国技館において、第67回学童歯みがき大会(財団法人東京都学校保健会、財団法人ライオン歯科衛生研究所、ライオン株式会社主催)が、「めざせ!元気なお口!元気なカラダ!」をテーマに盛大に開催された。 本大会は、児童の歯と口に関する健康づくりおよび歯科衛生士学校生の教育実習の場として、毎年歯の衛生週間にあわせて開催されているもの(昨年は新型インフルエンザの影響のため会場参加は中止)。今年は国内外の小学生約10,000名(うちインターネットの同時配信による参加9,000名)と、歯科衛生士学校の学生1,450名の約11,450名が参加した。 第一部ではまず、「歯の衛生講話」が行われ、「噛む体験~おせんべい噛む噛む実験」と題し、向井美惠氏(昭和大学歯学部教授)の指導のもと、児童らが実際にせんべいを口に入れ、前歯・奥歯・舌の働きを体感する体験型学習が行われた。その後、歯と口の健康に関するクイズや、参加した児童らに歯科衛生士学校の学生がマンツーマンでブラッシング指導をする時間が設けられた。 第二部では、財団法人日本相撲協会協力のもと、「大相撲歯みがき大会場所」が行われ、大山親方(元大飛)、若手力士らが参加し、相撲の所作の解説や会場の参加者とともに相撲体操などを行った。また、スペシャルゲストとして大関の把瑠都関が登場し、参加した代表の児童たちと取り組みを行うと、会場からは大歓声が上がった。最後に把瑠都関は「体にいいものをたくさん食べて、よく歯をみがこう」と参加者にメッセージを送り、本大会を締めくくった。日本歯科保存学会2010年度春季学術大会開催社 会 6月4日(金)、5日(土)の両日、崇城大学市民ホール(熊本県)において、日本歯科保存学会2010年度春季学術大会(田上順次大会長、寺下正道理事長)が開催された。 4日(金)のNairn H.F. Wilson氏(King's College London Dental Institute)による特別講演「修復物の臨床評価におけるジレンマと挑戦」では、修復物の劣化と脱落に関するリスク評価を行うためのデータ収集が必要との提言がなされた。 5日(土)のシンポジウムⅠ「診療ガイドラインに基づいた臼歯部のう蝕治療」では、吉田雅博氏(財団法人日本医療機能評価機構EBM医療情報部)、らが登壇。日本歯科保存学会では2009年に「MIを理念としたエビデンス(根拠)とコンセンサス(合意)に基づくう蝕治療ガイドライン」を作成した。このシンポジウムでは、このガイドラインを有効に活用するために、ガイドラインとはそもそもどういったものか、ガイドラインに基づいたう蝕の除去と歯髄保護の例などについて解説・報告された。 また、臨床家の疑問に答える「機能水を活用した保存治療の新展開」と題したセミナーでは、小澤寿子氏(鶴見大学歯学部第二歯科保存学講座講師)らによる講演が行われた。 注目を集めている電解機能水は、食塩水や水道水を電解してできる水で、電解機能水のpHにより殺菌能をもつ塩素の含有量が異なる。電解機能水のなかでも電解次亜塩素酸水は、根管治療や歯周治療にこの殺菌能を利用することが期待されており、in vitroでは良好な成績がでているという。この電解次亜塩素酸水は、安全に使用するためには生体に為害性のない塩素濃度で使用することが望まれており、臨床応用にあたっては基礎・臨床でのさらなるエビデンスの確立が望まれる。シンポジウムⅠの様子。会場を沸かせたスペシャルゲストの把瑠都関。 保険の窓SPTについて(その1) Pのメインテナンスについては平成14年の改正において、歯周疾患継続総合診療料(以下、P総診)が導入された。その当時は平成12年に導入されたか初診とあいまって歯科治療管理のあるべき姿として喝采されたものであるが、平成18年の大改悪で廃止された。その後、とって替わった歯科疾患継続指導料は悪評紛々でわずか2年で幕を閉じた。 そこで平成20年改正では、前年に学会が作成した「歯周病の診断と治療に関する指針」をもとにP総診の復活ともいえるサポーティブぺリオドンタルセラピー(以下、SPT)が導入された。SPTとは、病状安定と判定された場合に病状の安定と維持のための医療従事者による定期的な治療であり、指針においては従来のメインテナンスがSPTとメインテナンスに分けられた。 SPTとメインテナンスの棲み分けについては、政治的意図がかなり感じられるが、指針において規定されたSPTを保険導入するにあたり、通知文により骨吸収が根の1/3以上、分岐部病変があるなど、中等度以上の歯周病患者と限定された。 したがって、中等度以上の歯周病患者以外にSPTを行う場合には「SPT」を算定せず、再SC、再SRPなど個別項目を引き続き算定し、また治癒と判定された場合の以後のメインテナンスは保険給付外(自費)とされた。SPTはかつてのP総診に近いものの復活とはいえ、対象患者の限定と保険点数のあまりの低さなどゆえ、またしてもほとんど算定されることなく2年が経過し、平成22年の改定を迎えることとなったのである。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)

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