新聞クイント2010年11月(お試し版)
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2010年11月10日(水) 第179号2今月のニュース今月のニュース 9月16日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。 冒頭、大久保会長より、外部有識者および日歯・関係団体から構成される「生きがいを支える国民歯科会議」の総括として、きたる11月3日(水)にシンポジウムを開催することが報告された。シンポジウムのテーマを「食べる、生きる、幸せ噛みしめる~8020健康長寿社会を目指して~」に掲げ、同会議の委員である福原義春氏(資生堂名誉会長)、辻 哲夫氏(東京大学高齢者総合研究機構教授)、大島伸一氏(国立長寿医療研究センター総長)による講演のほか、鷲田清一氏(大阪大学総長)による基調講演、パネルディスカッションが行われる。 その後、柳川忠廣常務理事より、先般取りまとめられた「大規模災害時の歯科医師会行動計画」について、大規模災害発生後の48時間以内の行動フローをまとめた「日歯・被災県歯・支援幹事県歯の初動体制案」が示された。本案は、各都道府県歯および郡市区歯の災害時対策計画はすでにあるが、形骸化しているところもあることから、今回まとめた行動計画を参考に、災害時計画の見直しや修正に役立てていただくためのもの。 また、同案の中にも示されている「災害コーディネーター」の重要性が近年認識されつつあることから、各県歯が携わる身元確認作業や緊急歯科医療の体制整備などを円滑に行うためのコーディネーターを養成する研修会が、きたる12月4日(土)、歯科医師会館において開催することが報告された。柳川常務理事は、「(災害コーディネーターが)社会的認知を得るとともに、歯科医師会の中でも根付いていけば新たな災害時対策のきっかけになるのでは」と述べた。日歯連盟、参院選勝利するも課題は山積……日歯連盟、参院選勝利するも課題は山積…… 絵 山香和信 絵 山香和信日歯連盟、記者会見を開催参院選の問題点など、最終取りまとめは年内に政 治日歯、大規模災害時の行動フロー示す災害コーディネーター養成のための研修会開催へ̶̶定例会見より政 治大規模災害時の行動フローについて説明する柳川常務理事。 9月17日(金)、歯科医師会館において、日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟、堤 直文会長)による記者会見が開催された。 席上、堤会長は、同日開催された第111回評議員会で提出した第22回参議院比例代表選挙の中間取りまとめ(案)について触れながら、「反省する点はあるが、今は一段落したという思い」と、西村まさみ氏(民主党参議院議員)が当選したこともあり、安堵の表情で選挙活動を振り返った。中間取りまとめ(案)では、選挙期間の時間的問題点や与野党のねじれによる問題、支援候補者決定までのプロセスに対する会員の不満や不信感など、問題点が示された。また、選挙後の課題としては、一般会員と日歯連盟の行動に温度差があることから、会員の思いや考え、要望なども含め、日歯連盟の活動や方向性を会員と共有する必要性もあがった。 引き続き、髙木幹正理事長は、「与野党にわれわれの代弁者をそれぞれ持った。ねじれ現象のなかでこんなチャンスはない。両党の議員と連携をとり、共通認識をもって歯科界の環境を変えていきたい」と述べた。また、中間取りまとめ(案)に関しては、12月までに最終取りまとめを行うとの意向を示した。記者会見で挨拶する堤会長と髙木理事長。第22回参議院選挙比例区で初当選を果たした西村まさみ民主党参議院議員、歯科医師「開業医としての目線、働く女性としての視点、母親としての心を忘れずに歯科界の代弁者として働きたい」 歯科界からまた1人、新たな国会議員が誕生した。さる7月の第22回参議院比例代表選挙において、初当選を果たした西村まさみ氏は、「歯科界の代表者ではなく代弁者」と主張する。今後6年間、氏は医療現場の声を国政に届けるべく、歯科界の環境改善に向けてどのような議員活動を展開していくのだろうか。その思いに迫る。西村:今回の当選にあたり、まずはご支援いただいた日本歯科医師会、日本歯科医師連盟、日本歯科技工士会、日本歯科衛生士会、日本歯科商工協会など、歯科関係団体の皆様に御礼申し上げます。そして、選挙活動中も私を陰ながら支えてくれた主人と娘、両親にはあらためて感謝したいと思います。 さて、7月11日の当選発表後、はや3か月が経過いたしましたが、選挙期間中にも述べた喫緊の課題として、1つ目は平成24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定での歯科の位置づけです。誤嚥性肺炎の予防などに代表されるように、口腔ケアは全身疾患の治療の1つとしてその重要性をアピールし、歯科の適正な評価をお願いしたいと思っています。 2つ目に、指導・監査のあり方については、地域によるその基準の差も問題となっています。歯科医師の裁量権を守るためにも指導大綱の見直しについては、重要事項として慎重に対応していきたいと思っています。 3つ目に、歯科に関する法律の制定に関しましては、歯科医療議員連盟(小沢鋭仁会長)を中心に議論を進めています。早期制定のためには、国民の口腔の健康が全身の健康につながるという党派を超えた共通理解が必要となりますので、今後も日本歯科医師会、日本歯科医師連盟と共通認識を図るための定期的な場には積極的に参加させていただきます。自民党の石井みどり先生には、同じ国会議員ならびに女性歯科医師の尊敬すべき先輩としてご指導いただき、連携をとりながら歯科医療界全体の底上げを図っていきたいと思います。 その他には現在、保険業法の再改【プロフィール】1989年3月、日本歯科大学歯学部卒業。同年4月、東京医科歯科大学歯学部第3歯科保存学教室入局。1996年7月、まさみデンタルクリニック開設。2010年7月、第22回参議院議員選挙初当選。2010年9月、日本歯科医師連盟顧問就任。厚生労働委員会、予算委員会、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会に所属。民主党幹事長補佐。正案が今臨時国会で通過するように諸先生方にお願いしているところです。また、働く女性の環境改善について、幼保の一体化にも積極的に取り組みたいと思っています。 超高齢社会を迎え、在宅医療が必要不可欠になるなか、歯科医療はもはや歯科医師ありきの時代ではありません。口腔ケアで地域医療に貢献できるような基盤整備、それには歯科技工士と歯科衛生士とのチーム医療を構築する必要があります。 最後に、開業医としての目線、働く女性としての視点、母親としての心を忘れずに歯科界の代弁者として働いてまいる所存です。歯科に関する身近な問題やご意見など、お気軽にお寄せいただければ幸いです。

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