新聞クイント2012年1月(お試し版)
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2012年1月10日(火) 第193号3保険の窓医療経済実態調査報告について(その2) 昭和40年10月に当時の中医協会長であった東畑精一氏より意見書が出された。その中で中医協は建議と医療経済実態調査を実施するとされ、調査の結果を点数改定時の資料とするとされた。そして昭和42年11月には第1回医療経済実態調査が実施された。その後、第2回(昭和45年未公開)、第3回(昭和51年)、第4回(昭和56年)など不定期で実施されたが、平成になってからは2年に一度、定期的に実施されている。また、平成元年からは11月実施が6月に変更された。 本調査では、点数改正のたびに原価 今月のニュース盛況となった講演会に笑顔を見せる演者ら。 12月3日(土)、4日(日)の両日、ベルサール六本木(東京都)において、「CID(Center of Implant Dentistry)10周年記念学術講演会」(新村昌弘実行委員長、勝山英明主宰)が開催され、会場には約500名が参集した。 本会では講演テーマを4つのカテゴリーに分け、15名による講演が行われた。まず「治療コンセプトの変遷と将来展望」セッションにおいては、インプラントにかかる荷重の影響、治療のデジタル化などについて、関連するエビデンスを挙げながら現在までの知見や今後の展望が述べられた。 「インプラント周囲組織のマネージメント」セッションでは、硬・軟組織の増生、歯槽堤保存術、硬組織のマネージメント、マイクロサージェリーを用いた症例のリカバリーに関して、症例を交えた講演が行われた。 「多数歯欠損・無歯顎患者における治療オプション」セッションでは、治療コンセプトと補綴設計、治療におけるデジタル分析などについてコンセンサスに基づいた考察が行われた。 「インプラント審美の生物学的・補綴学的アプローチ」セッションにおいては、乳頭様組織のマネージメント、審美治療のための包括的アプローチ、補綴における軟組織のマネージメント、生物学に即した組織保存・増生について講演が行われた。 また本会では、Claudio Cacaci氏(ドイツ開業)、Dean Morton氏(University of Louisville・米国)らによる、審美治療を成功させるための外科・補綴テクニック、インプラント治療における新技術・マテリアルに関する講演が行われた。 歯科技工士有志による東日本大震災復興支援チャリティ講演会(実行委員代表:山本 眞氏)が、きたる2012年1月の福岡を皮切りに名古屋(3月)、大阪(7月)、東京(9月)の4都市において開催される。本講演会は、「一人の力では成しえないことも、多くの同士が力を合わせれば何かできるのではないか」との思いから、2011年5月に歯科技工士有志が集まり、企画されたもの。当日登壇する演者は、日本の歯科技工界を代表する歯科技工士が中心となっており、海外からは𠮷田明彦氏(Gnathos Dental Studio)やWilli Geller氏(oral design)の講演も予定されている。 実行委員代表を務める山本氏は、小紙の取材に対して「被災地はいまだ復興の最中である。震災を風化させないために、短期的な支援ではなく中長期にわたる支援が必要、という実行委員の声を集約した結果、このような講演会となった」と述べた。 以下、1月の講演会の概要を示す。日程・会場:1月22日(日)、九州大学医学部百年講堂(福岡会場)演者:山本 眞氏(M.YAMAMOTO CERAMIST'S INC.)/小田中康裕氏(oral design 彩雲)/奥森健史氏(デンタル・プログレッシブ)/𠮷田明彦氏(Gnathos Dental Studio)「東日本大震災復興支援チャリティ講演会」実行委員代表:山本 眞実行委員:片岡繁夫、西村好美、河田登美男、岸本俊也、増田長次郎、小田中康裕、中込敏夫、山田和伸、鈴木宏輔(敬称略、順不同)URL:applause-j.com/311/charity.html 今月のニュース会場には約500名が参集し、10周年を祝い盛会にCID 10周年記念学術講演会 今月のニュース写真左より、基調講演に登壇した江藤一洋氏と木村光孝学会長。 11月26(土)、27(日)の両日、北海道大学学術交流会館(北海道)において、第11回日本外傷歯学会総会・学術大会(八若保孝大会長、木村光孝学会長)が盛大に開催された。 26日には江藤一洋氏(日本歯科医学会会長)による基調講演「日本の歯科医療・歯科医学の重要課題について」や、吉田忠司氏(九州歯科大学口腔再生リハビリテーション学講座)による学術奨励賞受賞講演「外傷幼若永久歯のフィステルへの対応」など、基礎に立脚した講演が披露された。また、小菅正夫氏(前旭山動物園園長、北海道大学客員教授)による特別講演「動物は歯が命―う蝕、歯周疾患、外傷、歯列不正について―」では、氏が歯と命の関係性について詳説し、参加者の注目を集めていた。 認定医更新セミナーでは、八若保孝氏(北海道大学教授)による「歯冠破折への対応と歯髄保護」、平塚博義氏(札幌大学医学部教授)による「顎骨骨折の診断と治療」が行われた。 27日には一般講演、コ・デンタルセミナーが開催された他、「外傷歯への対応―ガイドラインと現状」と題するシンポジウムでは、宮新美智世氏(東京医科歯科大学大学院助教)による「Endodoniticsの視点から」、有田憲司氏(大阪歯科大学教授)による「エビデンス不足の歯根破折」、久保周平氏(東京歯科大学講師)による「永久歯再植例の予後」、橋本敏昭氏(福岡歯科大学臨床教授)による「外傷受傷後の咬合誘導」の講演があり、明日からの臨床に役立つとともに新たな知見もうかがえた。2日間にわたって開催された本大会は成功裏に終幕した。特別講演に前旭山動物園園長・小菅正夫氏を招聘第11回日本外傷歯学会総会・学術大会主義に基づく点数改正を行うことは困難であることから医療機関の収支状況を調査し、日本のGDPや物価、サラリーマンの給与動向などと比較し、改正幅を定めるとしたのである。そこではあくまでも変動幅を諸指標と同一にするための調査であり、医療機関の収支額の多寡に言及するものではなかった。そして、医療機関の収支動向が他の指標と一致さえすれば個々の診療項目の点数は原価主義から乖離していくことは問題ではないとされるようになった。そこで、点数改正のたびに点数の貼り付けが政治的に傾斜配分されていったのである。 以前は、歯を残存させるための歯内療法、歯周治療、補綴物の長期維持管理、指導管理などに重点的に財源を配分した時期もあったが、最近は「安心で安全な歯科医療の提供」「訪問診療」「医療連携」「病院歯科への配慮」など、一般歯科診療所にはなじみにくい項目ばかりが目につく。その結果、長期に点数が据え置かれている項目も多数ある。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)写真左より、福岡会場で登壇する奥森氏、小田中氏、𠮷田氏、山本氏。歯科技工士有志による東日本大震災チャリティ講演会、2012年よりスタート福岡・名古屋・大阪・東京で順次開催社 会学 会社 会

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