新聞クイント2012年4月(お試し版)
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2012年4月10日(火) 第196号2巻に引き続き、4月には『食べる――生きる力を支える③3・11の記録』、6月には『食べる――生きる力を支える②いのちと食』の発刊が予定されている。 つぎに柳川忠廣常務理事より、スポーツ歯科分野のレベルアップおよび裾野の拡大を図るため新設される予定である公益財団法人日本体育協会(張富士夫会長)の「公認スポーツデンティスト(仮称)養成概要」について説明がなされた。柳川常務理事は「将来的には国体においてチームに帯同し、現地で活躍できるスポーツデンティストの育成を進めていきたい」と述べた。 また、「全国7地区日本歯科医師会平成24年度 災害コーディネーター(身元確認・災害歯科保健医療)研修会の実施要領(案)」について説明した。東日本大震災で浮き彫りとなった多くの課題をふまえ、都道府県行政などとの連絡役、身元確認作業の検索ソフトなどの全国統一化、生前データベースの重要性、また避難所における口腔ケアなどの歯科保健医療について総合的な研修を行い、災害発生時に迅速な対応ができる災害コーディネーターの体制整備を目指すとのこと。 今月のニュース 2月18日(土)、19日(日)の両日、名古屋市中小企業振興会館(愛知県)において、愛知県歯科医学大会・第35回中部日本デンタルショー併設(愛知県歯科医師会主催、愛知県歯科技工士会、愛知県歯科衛生士会、東海歯科用品商協同組合共催)が「生活を支える歯科医療」をメインテーマに、昨年を大きく上回る11,283名を集めて盛大に開催された。 2日間にわたり、特別講演1題、企画講演10題、ワークショップなど、充実した内容が展開された。とくに、超高齢社会における医療連携をはじめ、要介護高齢者への口腔ケアや義歯製作などのテーマによる講演が散見された。また、昨年3月に発生した東日本大震災関係では、救援活動展示コーナーや愛知県歯科医師会による緊急歯科診療報告のワークショップも行われ、参加者らの関心を集めていた。 併設されたデンタルショー会場では、とくに2日目の会場に多数の歯科医療関係者がつめかけ、各出展社のブースはにぎわいを見せていた。 今月のニュース国民向けの書籍『生活の医療』を刊行日歯定例会見公益社団法人を目指す日本歯科衛生士会の「顔」金澤紀子社団法人日本歯科衛生士会会長国民の生活の中で身近に感じられる歯科衛生士を目指す現在、公益法人制度改革への対応が急ピッチで進められている。社団法人日本歯科衛生士会は、早ければ2012年4月1日付で公益社団法人となる予定である。超高齢社会を迎えた日本において歯科衛生士の活躍によりいっそうの期待が高まるなか、金澤紀子会長に今後の同会の果たす役割についてうかがう。金澤:公益法人制度改革にともない、これまでの社団法人および財団法人は、主務官庁から内閣府が認定する新制度に移行することになりました。当会では2011年10月に内閣府に移行認定の電子申請を行い、2012年1月20日付で公益認定の答申が出されました。3月21日付で内閣総理大臣の認定書が交付され、順調にいけば4月1日付で公益社団法人の設立登記を行う予定です。 申請にあたっては、事業区分と会計区分、会員区分の明確化、社員総会における代議員制採用の要件など、組織運営のガバナンスに関する内容を検討しました。公益社団法人の認定を受けるためにはその基準(公益目的事業比率50%以上)をクリアしなければなりませんので、当会は公益目的事業として①歯科衛生士の資質の向上と学術研究の振興による人材育成に関する事業②歯科衛生の普及・啓発に関する事業③地域歯科衛生活動の支援に関する事業――の3つの柱をたてました。 とくに、公益目的事業は「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する」ことが求められていますので、これからは会員のみを対象とした事業ではなく国民への積極的な開示が求められます。①については、従来どおり研修会や学会などをとおして人材育成を図っていくことで国民に対してより質の高い歯科医療を提供することを目指します。②については、従来までの機関紙を一般向けの広報紙「歯科衛生だより」と会員向け「会報」とに分け、会報に関してはその他事業としました。今後は参加者を広く受け入れるための広報やホームページの充実を図っていきたいと思います。③については、昨年の東日本大震災では、全国からの支援に対して本部として人的および財政的に被災県へのバックアップを行いましたが、今後は各都道府県歯科衛生士会の有意義な活動をサポートするなど、地域の歯科衛生活動の支援を強化していきたいと考えています。 医療連携の必要性が叫ばれていますが、歯科医師との連携なくして歯科衛生士の専門性を発揮することや、安心・安全な歯科医療を提供することはできません。そのためには私たちは疾病対応だけではなく、国民の生活の中で身近に感じられる歯科衛生士を目指していく必要があると思っています。 今後は公益社団法人としての目指す方向性を明確にし、事業内容を充実させることによって公益性を高めていきたいと思います。国民向け書籍について述べる大久保満男氏。初日に行われたテープカットの様子。愛知県歯科医学大会・第35回中部日本デンタルショー開催社 会政 治日歯からの提言は国民に周知されるか…… 絵 山香和信 2月23日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。 冒頭の挨拶で大久保会長は、きたる2月25日発刊予定の『食べる――生きる力を支える①生活の医療』(中央公論新社刊)について触れ、「おそらく日歯から初めて直接国民に問いかける書籍になる。私が提言している『生きる力を支える歯科医療』を対談形式で読みやすくまとめたものなので、広く国民や歯科医療従事者のみなさんに一読していただきたい」と述べた。第一かなざわ・のりこ1964年、福島県立歯科衛生士養成所(現・福島県立総合衛生士学院歯科衛生士学科)卒業。福島県歯科衛生士会会長および東京都歯科衛生士会副会長などを歴任し、1984年~1993年、日本歯科衛生士会会長。2003年、同会長に再任し、現在5期目を務める。2006年~2008年、日本歯科衛生学会会長。Facebook始めました。歯科業界の情報盛りだくさん!http://www.facebook.com/quint.japan「いいね!」ボタンを押してね!ⓒQPC2012

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