新聞クイント2012年6月(お試し版)
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2012年6月10日(日) 第198号3保険の窓 今月のニュース 5月12日(土)、ホテルオークラ東京において、クラレノリタケデンタル株式会社(東京都、松山貞秋代表取締役社長)による新会社設立記念祝賀会が開催され、多数の歯科業界関係者が参集した。本祝賀会は、2012年4月1日をもってクラレメディカル株式会社と株式会社ノリタケデンタルサプライが統合され新会社が設立されたことを祝い、開催されたもの。 会場では、伊藤文大氏(株式会社クラレ代表取締役社長)と種村 均氏(株式会社ノリタケカンパニーリミテド代表取締役社長)による挨拶後、担当者より新会社の概要説明が行われた。 その後、歯科界より祝辞が述べられ、江藤一洋氏(日本歯科医学会会長)は医療機器・技術の国際化が推進されている日本の現状について触れ、新会社に期待を寄せた。齊木好太郎氏(日本歯科技工学会会長)は、歯科技工士の立場からノリタケデンタルサプライ社が開発してきた歯科用陶材やシステムについて回顧した。森田晴夫氏(株式会社モリタ代表取締役社長)は、新会社のロゴマークのコンセプトについて触れながら、両社の製品・材料を販売してきた立場から今後も引き続き支援していくとした。 乾杯の挨拶で坂 清子氏(ノリタケデンタルサプライ社顧問)は「臨床家の先生方や業界関係者のさらなる協力をお願いしたい」と述べた。 有機系歯科材料(歯科接着分野)のクラレメディカル社と無機系歯科材料(セラミック分野)のノリタケデンタルサプライ社の統合によって、新たなシナジー効果が発現されるか、新会社の動向に注目したい。 5月13日(日)、静岡県歯科医師会館において、地域包括ケアシンポジウム(静岡県歯科医師会、静岡県社会福祉士会主催)が、「歯科と福祉の連携について」をテーマに、約200名の参加者を集めて開催された。本シンポジウムは「地域における専門職協働の一環として、県歯科医師会と県社会福祉士会との有機的な連携と関係構築を図り、地域包括ケアのあり方を考えていく」ことが目的とされた。 開会後、緒方克也氏(福岡県開業、日本障害者歯科学会理事長)による基 5月9日(水)、よみうりホール(東京都)において、「2012年歯の健康シンポジウム」(日本歯科医師会主催、パナソニック株式会社協賛)が「『オーラルケア』で女子力アップ~口元のキレイから全身のキレイへ~」をテーマに開催された。 会場では、中村宣夫氏(日本歯科医師会理事)の主催者挨拶に続き、基調講演「キレイになる噛み方」(宝田恭子氏、東京都開業)、「正しいブラッシング教室」(北原文子氏、歯科衛生士)、テレビ朝日系番組「BeauTV~調講演「これからの歯科医療と地域福祉」では、歯科医師は高齢社会のなかで形成される福祉ネットワークの構図を理解し、医療の立場からこのネットワークに参加することでその役目を果たすことができるという考えのもと、歯科医療と社会福祉の連携の重要性について解説がなされた。また、少子超高齢社会における歯科の新たな展開の可能性についても言及した。 引き続き、土屋幸己氏(富士宮市地域包括支援センター長・静岡県社会福祉士会副会長)による基調講演「地域包VOCE公開収録」が行われた。 宝田氏は、「口腔とアンチエイジングのつながりに気づいたきっかけは患者さん。実年齢は80歳なのに40歳の口元の方がいらっしゃった」と語り、つねに正しい姿勢を心がけゆっくりと噛むことが口元のアンチエイジングにつながると述べた。 また、正しい姿勢を維持するには背筋、太もも、ふくらはぎの筋肉を鍛えることが有効であることから、それらの筋肉を鍛える簡単なエクササイズが来場した若い女性らとともに行われ括ケア構築に必要な機能と役割」では、最近耳にする機会の多い「地域包括ケア」「地域包括ケアシステム」「地域包括支援センター」などが解説され、地域包括ケアの今後のあり方とそこに歯科医師がかかわることの重要性について熱く述べられた。 基調講演終了後には両氏とともに、情報交換会が約1時間にわたって行われた。歯科医師および社会福祉士の連携の現状と今後の課題と展望が、会場からの多くの発言を交えながら紐解かれ、大盛況となった。た。北原氏は音波ブラシの正しい使い方を実演した。 「BeauTV~VOCE」の公開収録では、番組MCとして道端ジェシカさん(モデル)、ゲストとして植松晃士さん(ファッションプロデューサー)と宝田氏が番組セットに登場。美と口元の健康をテーマにトークが繰り広げられた。 なお、本番組は6月8日(金)深夜1時50分からテレビ朝日系列で放送予定とのこと。 今月のニュース 今月のニュース周術期の口腔管理について 今回の改正の重点課題として導入された周術期の口腔機能管理は、医科主治医の文書による依頼が前提となっている。しかしながら、病院勤務の医師の多くは歯科点数表の改正にはまったく無頓着であり、とくに歯科を併設されていない病院においては、知りえる機会もないと思われる。 そこで、各歯科医師会は地域の病院に働きがけをし、周術期の口腔機能の管理の必要性を理解していただくとともに、該当する患者を可能なかぎり歯科に紹介していただくように努力をすべきである。歯科診療所などにおいても担当している患者の中に該当者がいれば、医科主治医に対して積極的に情報提供の依頼をしていかなければせっかくの保険導入も尻すぼみに終わってしまう可能性がある。 筆者の患者で現在抗がん剤治療を受けている方が2名おられるが、その方々の主治医に対し、さっそく4月に文書による情報提供の依頼を行った。今回の改正で周術期の口腔管理が導入され、主治医からの患者の病名、症状、経過、今後の治療予定などの記載された文書による情報提供が必要であることなどを説明したところ、すぐに応じていただけた。 一方、すでに積極的に取り組んでいる歯科併設の病院では、思いがけないトラブルも発生していると聞く。院内の歯科に行くように指示された患者が、歯科診療後に治療費の支払いを拒否するケースが頻発しているというのである。 周術期の口腔機能管理は始まったばかりである。社会の常識となるにはまだまだ時間を要するであろう。マスコミなどを利用した広報活動の必要性を痛感する。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)企 業社 会社 会クラレノリタケデンタル株式会社設立記念祝賀会多数の業界関係者が参集会場には地域包括ケアに関心の高い参加者が多数参集した。左から宝田恭子氏、道端ジェシカさん、植松晃士さん。乾杯発声で挨拶を述べるノリタケデンタルサプライ社顧問の坂 清子氏(写真中央)。地域包括ケアシンポジウム成功裏に終幕静岡県歯科医師会・静岡県社会福祉士会2012年「歯の健康シンポジウム」開催若い女性が多数来場

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