新聞クイント2012年7月(お試し版)
3/3

2012年7月10日(火) 第199号3保険の窓 今月のニュース 6月4日(月)、歯科医師会館において、第69回学童歯みがき大会(社団法人日本学校歯科医会、財団法人東京都学校保健会、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所、ライオン株式会社主催)が、「めざせ!元気なお口!元気なカラダ!」をテーマに開催された。 本大会は、小学生の歯と口に対する健康意識を育てることを目的に、1932年から継続して開催され、これまでにのべ76万名以上が参加している。今年の参加国の日本(643校)およびアジア5か国・地域(韓国、香港、シンガポール、フィリピン、中国から6校、約500名)の合計649校、約38,000名の小学生がインターネット配信により参加した。 まず中田郁平氏(社団法人日本学校歯科医会会長)より開会の言葉が述べられ、続いて歯と口の健康教室「いい歯を支える歯ぐきのヒミツ」(安井利一氏〈明海大学学長〉監修)が行われた。参加者は事前に配布されたチェックシート、歯ブラシ、手鏡などを使用して口腔内をチェックし、歯と口の健康に関するクイズなど、楽しみながら学んでいた。なお、会場で出題されたクイズでは、その答えを各地小学校の担当教諭が代表して会場へ携帯電話により送付。各クイズの正解率が表示されるなど、インターネットを活用した取り組みもみられ、にぎわいをみせた。 最後に藤重貞慶氏(ライオン株式会社会長)より閉会の言葉があり、「お口の健康をつねに意識し、歯ぐきからのサインを見逃さず正しい歯みがきを習慣にすれば、丈夫で健康な体をつくることができる」と参加者にメッセージを送り、本大会を締めくくった。 今月のニュース 今月のニュース略称「P」について(その1) カルテに使用できる略称として 慢性歯周炎(軽度)は「P1」 慢性歯周炎(中等度)は「P2」 慢性歯周炎(重度)は「P3」 が認められている。そしてレセプトにおいて使用できる略称として「P1、P2、P3」を「P」と記載することが認められている。とすれば「P1」「P2」または「P3」と確定診断する前に、歯周炎の進行はどのレベルかはいまだ不明であるとしても、歯周炎であることは疑いないとして、病名として「P」を使用することはできない取り扱いであるのか。 つまり「歯周炎の患者」と認識すべきところを「Pの患者」と表現してはいけないのであろうか。 そうではあるまい。もしそうであるならば、初診時に画像診断や歯周病検査を行った後でなければ、レセプトの傷病名欄に「P」と記載することはできない取り扱いということになる。初診時にP病名で初診料とパノラマX線(画像診断)のみを算定したレセプトは「歯周病検査のないP病名について」として返戻となり、「『Pの疑い』とすべき」と指導されることになるのではないか。 しかしながら現行は歯管の算定さえなければ認められている。歯周病検査の実施前であっても「P」病名で咬合調整、暫間固定、投薬などは対症療法として認められている。もともと平成22年4月改正前までは略称表に「P」はなかった。「P」は略称でなく一般的に病名として認められていたのである。略称表にないからといって「略称として使用できません」との返戻はこれまで一度もなかった。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)出題されたクイズに元気よく答える小学生。 5月27日(日)、秋葉原UDXカンファレンス(東京都)において、「̶スウェーデン歯科衛生士会会長初来日講演̶スウェーデンstyle メインテナンスケア最前線」(クロスフィールド株式会社主催)が開催され、170名以上が参集した。本講演はスウェーデン歯科衛生士会会長であるイボンヌ・ニブロム氏の初来日講演をメインに、マリア・オディーン氏(Tepe社、歯科衛生士)と濱田智恵子氏(エイチ・エムズコレクション取締役、歯科衛生士)による講演が行われた。 ニブロム氏は、まずスウェーデンにおける歯科衛生士の歴史、歯科衛生士就業状況、スウェーデン歯科衛生士会の国際的組織とのつながりについて概説。またスウェーデンの歯科医療体制や医療保険システムにも触れ、日本とは異なる歯科衛生士の仕事内容や歯科衛生士単独の開業についても述べた。その後、ガイドラインに基づくう蝕やインプラント、歯周治療の実際について触れ、とくにインプラントのメインテナンスは、症例を交えながらメインテナンスプログラムの立案や実施について詳説した。 オディーン氏による講演「個別ニーズに対する口腔衛生製品」では、Tepe社製インプラント対象のセルフケアグッズに関して、また濱田氏による講演「スウェーデンStyleから得られるケアとコミュニケーション」では、スウェーデン・カロリンスカ大学やマルメ大学での研修から学んだこと、薬局、デンタルショー、歯科衛生士事情などが語られ、質疑応答ではさまざまな質問が会場から寄せられるなど、有意義なものとなった。スウェーデン歯科衛生士会会長、スウェーデンの歯科衛生士事情を語るクロスフィールド株式会社初来日講演に臨むニブロム氏。 6月1日(金)、ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都)において、International Team for Implantology (以下、ITI)による記者説明会が「インプラント治療の最新情報」をテーマに開催された。本説明会は、翌2日(土)、3日(日)の両日に開催される「ITI Congress Japan 2012」に先立ち、インプラント治療に対するITIのこれまでの取り組みや、日本におけるインプラント治療の現状などを報道関係者に広く発信するためのもの。昨今のインプラント治療のトラブルに関する報道の影響もあってか、歯科業界以外の報道関係者も多数参集した。 会場にはダニエル・ブーザー氏(ITIプレジデント、ベルン大学教授)や船越栄次氏(ITIセクションジャパンチェアマン、福岡県開業)、勝山英明氏(ITI理事・教育監事、神奈川県開業)、塩田真氏(ITIスタディクラブコーディネーター、東京医科歯科大学准教授)が出席し、各氏からはITIのインプラント治療における教育や研究などの取り組みが紹介された。そのなかで勝山氏は、ITIが目指す将来のビジョンとゴールについて、世界水準の卒前・卒後教育の連携と一貫性の確立を挙げ、インプラント卒後研修の重要性を強調した。 なお、6月2日(土)、3日(日)の両日に開催された「ITI Congress Japan 2012」は、「Achievements and Complications in Implant Dentistry」をテーマに約980名が参集し盛会となった。会場ではCAD/CAMシステムやインプラント周囲炎への対応など、多岐にわたる内容の講演が展開された。インプラント教育の重要性を強調ITI記者説明会ITIの活動について述べるブーザー氏。アジア5か国・地域にインターネット同時配信第69回学童歯みがき大会企 業社 会社 会

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る