新聞クイント2012年8月(お試し版)
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2012年8月10日(金) 第200号3保険の窓 今月のニュース 7月3日(火)、新国際ビル(東京都)において、日本デンタルショー2012記者発表会(一般社団法人日本歯科商工協会、日本デンタルショー2012準備委員会主催)が開催された。本発表会は、きたる11月9日(金)から11日(日)の3日間にかけて大阪府にて開催される第22回日本歯科医学会総会の併催行事として行われる日本デンタルショー2012の準備状況ならびに概要を報告するもの。 冒頭、主催者挨拶で山中通三氏(一般社団法人日本歯科商工協会会長)は、開催目的について触れながら、会場が最新の歯科医療機器や材料などの展示だけでなく、歯科医療従事者の情報交換の場になり、新しい歯科器材の開発につながることに期待を寄せた。 引き続き、森田晴夫氏(日本デンタルショー2012準備委員会委員長)より準備状況の報告がなされた。第22回日本歯科医学会総会のメイン会場は大阪国際会議場(グランキューブ大阪)であり、デンタルショー会場はインテックス大阪での開催となるため会場が離れているが、インテックス大阪では、今回は初の試みとして日本歯科医学会の分科会プログラムやポスターセッション、テーブルクリニックが開催される予定であり、両会場を専用のシャトルバスを運行させるなど、来場者の利便性にも配慮していることが報告された。また、すでに211社の出展があり、着々と準備が進行していることを強調した。 なお、日本デンタルショー2012の詳細は、同デンタルショーの公式サイト(http://japan.dental-show.jp/)をご参照いただきたい。 今月のニュース 今月のニュース略称「P」について(その2) 歯周病検査がなくても「P」と表示することはできる(その1)。 さて、今回の改正により、患者の主訴に対する治療を優先し、歯管を算定した後日に主訴以外の疾患について検査診断し、再度情報提供し、歯管を算定することが認められた。 以前は一口腔を一単位として、初診時にすべての歯科的疾患について検査診断し情報提供をしなければ歯管の算定は認められないとされていた。この原則に従えば、初診月レセプトでPulに対し抜髄と歯管の算定があり、次月にP病名があると初診月の歯管は査定された。また、たとえば初診月に 6 PulでX線デンタル1枚と抜髄の算定があり、次月に 6 PerでX線と処置などがあると、初診月に 6 に対する情報提供がなかったのではとの疑義が生じ、さらにその後にP病が出てくると、それまでの歯管がすべて査定となるだけでなく、1回目の歯管が初診月から2か月以内に算定されなかったことにより、同一初診月内で歯管がまったく算定できないことになった。 このような不条理を解消するために今回の改正がなされたことは、歯科医療の現場からみれば至極当然とはいえ賞賛に値する。初診月に主訴と主訴以外の病名があり、主訴以外の疾患が歯管算定の要件を満たしていない場合であっても(P病であれば歯周病検査の算定がなくても)主訴に対する歯管として算定は認められることになった。 ただし、初診時の口腔内診査はしっかりと行い、一口腔単位での治療を心がけることは当然であり、ズルズルと病名の後出しは慎むべきであることはいうまでもない。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)主催者を代表して挨拶する山中通三氏。 6月28日(木)、株式会社吉田製作所(東京都、山中通三代表取締役社長)は、主力製品の歯科用ユニットおよび歯科用画像診断機器の製造の効率化と世界の製造拠点の手本となる工場の構築を目的として、茨城県阿見町の茨城工場敷地内(敷地面積33,000㎡)にマザー・マニファクチャー・センター(以下、MMC)の建設に着手し、2012年10月の稼働開始を予定していることを発表した。 MMCでは、本社工場、茨城工場近郊に分散されていた調達機能を一か所に集約し、部材投入を組立ラインに直結することによる効率化を図る。また、工程投入前に行われる設計・生産技術による工程設計のテストライン検討スペースを確保し、つねに最適な製造プロセスの構築を目指すとともに、ここで培われた製造ラインは、災害などを含めたリスク分散のための製造拠点の手本として移植されていくとのこと。 MMCには1906年創業以来100年を超える歴史を踏まえ、歴史展示コーナーが設けられる。これは、創業者の理念、創業当時の製品、国産初の製品群、現在の製品、これら製造を支えてきた技術の展示を通じ、社員一同が創業者の理念、培ってきた技術を受け継ぎ、ヨシダグループ経営理念の最終目的「人々の健康と笑顔を創造し続ける」を達成するための確認の場とし、さらにはお客様へ吉田製作所の取り組みを紹介する場とすることを目的としている。所在地:茨城県稲敷郡阿見町大字吉原字鎌田3262番4延床面積:5,109㎡稼動開始予定:2012年10月マザー・マニファクチャー・センターを建設株式会社吉田製作所10月稼動を予定しているMMCの完成予想図。 6月9日(土)、10日(日)の両日、東京国際フォーラムにおいて、第30回日本顎咬合学会学術大会・総会(南清和大会長・理事長)が「夢のある未来に向けて――日本顎咬合学会30年からの飛躍」をテーマに開催され、歯科関係者約5,000名が参集し盛会となった。本大会では、特別講演、シンポジウム、日顎基金特別企画、一般口演、ポスター発表など多数のプログラムが組まれた。 初日は開会式の後、Frank Spear氏(米国開業)による特別講演「A 30 year retrospective on prosthodontic success and failure」が行われた。Spear氏はまず、過去30年にわたる補綴治療の材料および治療法の変遷を語った。そのうえで、補綴を要する歯に対して固定性補綴物を選択する際、クラウン・ブリッジ修復とするのか、それともインプラント修復とするのかの判断基準を自身の長期症例を基に解説した。さらに、現在では禁忌症とも目される天然歯とインプラントの連結をテーマとし、なおもそれらの連結が有用であると考えられる状況を挙げ、その補綴設計の要点を語った。 2日目には、本学会初の試みである「Live Preparation~審美の真髄をリアルタイムで学ぶ」が土屋賢司氏(東京都開業)を迎え行われた。支台歯形成をはじめ、その高い技術力に定評のある氏が、実際の患者に対して支台歯の形態修正(リマージング)からプロビジョナルレストレーションの調整・装着までをリアルタイムで行うこともあり、多くの聴講者はその繊細な手技の1つひとつに真剣に見入っていた。第30回日本顎咬合学会学術大会・総会歯科関係者約5,000名が参集満席となった公開フォーラム。日本デンタルショー2012開催へ準備着々記者発表会企 業学 会社 会

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