新聞クイント2012年10月(お試し版)
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2012年10月10日(水) 第202号2周病の症状は、病原菌の増殖と炎症とに分かれるが、いずれも検査をして状態を把握しなければ治療はできない。全身の健康を守るためにもぜひ検査を受けて欲しい」と歯科を受診する必要性を強調した。 つぎに基調講演2「激増する糖尿病からカラダを守る」(清野 裕氏、日本糖尿病協会理事長)が行われた。清野氏は医師の立場から歯周病と糖尿病の関係を解説。「医師は歯周病に関しては素人なので、ぜひ歯科を受診し検査を受けて欲しい」と述べた。 その後のパネルディスカッション「歯周病から国民を守る」には、パネリストとして、川口 浩氏(衆議院議員、歯科医師)、鳥山佳則氏(厚生労働省保険局歯科医療管理官)、清野氏、西村氏、コーディネーターとして好本惠氏(アナウンサー、十文字学園女子大客員教授)が登壇し、事前に集められた会場からの質問にそれぞれの立場から回答がなされた。最後に好本氏がパネリストらの意見を総括し「歯が口腔内にあるかぎり歯周病のリスクは必ずあるので、うまく歯周病菌をコントロールして付き合っていくことが大切」と締めくくった。 9月3日(月)、東京国際フォーラムにおいて「『夢みるこども基金』を考える会」(河原英雄代表)による記者会見が開催された。本会見は、8月23日(木)に河原英雄氏(大分県開業)、増田純一氏(佐賀県開業)、河津寛氏(東京都開業)が「夢みるこども基金」(八尋晋策理事長)との民事訴訟における判決を受けて開催されたもの。今回の民事訴訟について福岡地方裁判所は、損害賠償などに関する基金側と河原氏ら双方の訴えを棄却する判決を下した。 会場では、河原氏らと「夢みるこど「歯周病予防は検査から~全身の健康のために~」第80回日経健康セミナー21国際歯科研究学会(IADR)次期会長に選出された安孫子宜光IADR副会長、日本大学松戸歯学部教授デンタルサイエンスの未来を次世代に示し、夢を与えたい 約90年の歴史がある国際歯科研究学会(以下、IADR)。世界的に権威ある研究者や臨床家が要職を歴任するなか、日本人では3人目となるIADR次期会長に安孫子宜光氏(日本大学松戸歯学部教授)が選出された。今後3年間にわたり副会長、次期会長、会長職を務める氏は、IADRと日本の歯科医学の発展をどのように考えているのか。その思いをうかがう。安孫子:IADRは、歯科総合医学唯一の国際学会であるため世界のほとんどの国々が参加しており、現在の会員数は約12,000名となっています。IADRのミッションはオーラルヘルスの研究の発展、研究コミュニティの支援、研究成果の公開・普及を掲げています。また最近では、研究活動のグローバルな不公平差を解決し、世界的な歯科医学のレベルの維持および発展を目指すという観点から、発展途上国の科学研究を支援するための戦略委員会が設立され、研究活動の支援に向けて具体的な方策が検討されています。 さらに現在では、歯科領域のアカデミックな研究学会としての活動だけにとどまらず、世界歯科連盟(FDI)と強固な連繋を図って歯科臨床のさらなる発展を支援し、世界保健機関(WHO)においては口腔衛生に関するテーマのシンポジウムも共催しています。 諸外国のIADR部会は、日本歯科医学会にあたる組織と歯科医師会が協力して国の代表として IADRに参加していますが、国際歯科研究学会日本部会(以下、JADR)は、日本歯科医学会の分科会に属しておらず、IADRでは日本の代表としての責任を果たしています。そのため、日本歯科医学会の江藤一洋会長は、国際的な観点から日本歯科医学会、日本歯科医師会、JADRが密接な連繋を図り、IADRに参加する必要性について言及されています。どんな業界でも優れた人材なしに発展はできません。現在の社会や経済環境の中で、歯科界の明日の優秀な担い手を数多く確保できるでしょうか。また、若い世代に魅力的な歯科界であると示すことができるでしょうか。 私はデンタルサイエンスの未来を次世代に示し、夢を与えることがわれわれの重要な仕事であると考えています。その実現には、歯科医学が自然科学の一分野であることを再認識し、IADRおよびJADRがリーダーシップをもって歯科科学研究を推進することの意義と責任を果たす必要があると考えています。最近の低迷する経済、歯科領域の混迷もあり、多くの学会の会員数の減少、予算の縮少によって学会活動が困難になっています。IADRとJADRも例外ではありません。諸外国のIADR部会では大学人だけでなく開業医も多数IADRの会員になっています。 先生方にはぜひ、IADRおよびJADRの会員に登録いただき、明日の歯科科学の発展にご協力くださいますようお願い申し上げます。パネルディスカッション「歯周病から国民を守る」の様子。会見に臨む河原氏ら。「夢みるこども基金」を考える会、記者会見を開催 今月のニュース社 会 今月のニュース社 会 8月22日(水)、日経ホール(東京都)において、第80回日経健康セミナー21(日本歯周病学会、日本経済新聞社主催)が「歯周病予防は検査から~全身の健康のために~」をテーマに、533名の参加者を集めて開催された。 会場では開会挨拶として、中島信也氏(日本歯科医師会常務理事)、江藤一洋氏(日本歯科医学会会長)、吉江弘正氏(日本歯周病学会理事長)がそれぞれ登壇。その後、基調講演1「検査でわかること~歯周病予防で全身を守る~」(西村英紀氏、日本歯周病学会常任理事)が行われた。西村氏は「歯あびこ・よしみつ1972年、日本大学歯学部卒業。同年4月、同大学松戸歯学部生化学教室。1997年、歯学博士。1992年、同大学松戸歯学部教授就任。歯科基礎医学会常任理事など要職多数。国際歯科研究学会(IADR)日本部会(JADR)会長、IADRアジア環太平洋部会会長、IADR Regional Boardを経て、2012年6月、IADR副会長に就任。現在に至る。も基金」との間におきた一連の出来事について、代理人弁護士である永松栄司氏ならびに横山敏秀氏(ともに永松・横山法律事務所)より、判決文などが記された資料をもとに経過報告が行われた。永松氏は、基金からの請求が棄却された今回の判決の内容について「私どもは高く評価している」と述べた。 なお、古市事務局長・中村理事長代行(当時)相続人に対する請求部分については、福岡高等裁判所宛に8月30日(木)付で控訴状を提出している。医療基本法はだれのためか…… 絵 山香和信500ⓒQPC2012Facebookページもあるよ。歯科業界の情報盛りだくさん!http://www.facebook.com/quint.japan「いいね!」を押してね!ⓒQPC2012

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