新聞クイント2012年11月(お試し版)
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2012年11月10日(土) 第203号2 歯科治療費用専用のクレジット「スマイルライン・デンタルクレジット」および「スマイルエイド」を運営するシェアテック株式会社(大阪府、石田篤史代表取締役)が2011年10月に設立したシェアテック・リサーチラボは10月3日(水)、全国の40歳以上の男女を対象に実施したアンケート調査「インプラント事故多発報道は、国民にどう受け止められたか?」の結果を発表した。 調査期間は2012年9月18日~20日。調査対象は、世帯所得800万円以上で年齢40歳以上の男女300名(男性150名、女性150名)。 アンケート結果のなかには「これまで、実態を把握していなかったことがおかしい」(41.7%)、「おそろしい実態だという印象を受けた」(37.7%)、「医療事故被害者について詳しい調査をするべきだ」(32.0%)など、歯科業界に対する厳しい意見も出された。歯科業界に対する厳しい意見出されるインプラント治療に関するアンケート調査アンケート結果をもとに編集部作成(一部抜粋)。今年6月、歯科インプラント事故報道を受けて、日本歯科医学会では、全国1,000人の歯科医師を対象に、インプラントにかかわる有害事象の調査を行い、次のような結果を発表しました。・インプラント治療経験があると答えた歯科医師289人のうち60.8%が治療によるトラブルを経験していた。・治療経験のある歯科医師のうち4人に1人が、重症の医療事故(合併症)を経験していた。このような発表の報道を見たとき、あなたはどのように感じましたか。(いくつでも)少し信頼感が回復した医療事故被害者について詳しい調査をするべきだ歯科医にトラブルの経験を尋ねても真相はわからないおそろしい実態だという印象を受けたより不信感が増したその他何も感じなかった実態がわかって安心したこれまで、実態を把握していなかったことがおかしい民へ歯科技工技術の周知と口腔保健に対する意識の増進を図ることを目的として開催されたもの。 会場ではまず、歯科技工士にとって技術の基本といえる歯型彫刻のデモンストレーションが「第13回歯型彫刻コンテスト『ほるほる』」(関東地区歯科技工士会連合会主催)の受賞者より披露された。引き続き、古橋博美会長の挨拶のほか、来賓として溝渕健一氏(日本歯科医師会常務理事)、金澤紀子氏(公益社団法人日本歯科衛生士会会長)が祝辞を述べた。その後、木下勝喜氏(神奈川県歯科技工士会常務理事) 10月8日(月)、アルカディア市ヶ谷(東京都)において、「2012年入れ歯の日・市民公開講座」(公益社団法人日本歯科技工士会主催、以下、日技、古橋博美会長)が開催された。当日は日技が2005年に「入れ歯感謝デー」と定めており、本公開講座は本年4月に公益社団法人への移行を機に、国海外で優秀な歯科補綴医を輩出し続ける教育者平山 洋タフツ大学歯学部教授優秀な歯科医師が純粋に活躍できる歯科界になってほしい 今から25年前の1987年、1人の日本人歯科医師が海を渡った。現在、タフツ大学歯学部(米国・ボストン)教授を務める平山 洋氏である。学生からは厳しい教育者として有名なようだが、今もなお優秀な歯科補綴医を輩出しつづける氏は、現在の日本の歯科医療についてどのように感じているのだろうか。来日した氏にその思いをうかがった。平山:渡米してはや四半世紀が経過しました。当時はもちろん現在のようなポジションにいるとは想像もできませんでしたが、今だからこそ渡米を決心して良かったと思っています。 私がディレクターを務めるタフツ大学歯学部のPostgraduate Prosthodontics Programは、日本の大学院とは異なり、非常に厳しい臨床教育が行われる場として米国でも有名です。学生は約10倍~20倍といった高い競争率の中から厳選されます。学生らのほとんどは学生ローンで授業料を支払いますので、卒業後は多額の借金を返済していかなければなりません。そのため、学ぶ姿勢に対する真剣さがまったく違いますので、われわれもその姿勢に応えなければならず、教育にはおのずと力が入ります。 このプログラムは、臨床トレーニングが中心で3年間行われますが、Evidence-based Dentistry(EBD)教育が徹底され、科学的根拠に基づく歯科医療が提供できるようにトレーニングされます。ここでわれわれがもっとも重視していることは、臨床ができる歯科医師を育成することです。われわれのプログラムを終了した歯科医師は、15年間ほど経験のある歯科医師に匹敵するようなハードなトレーニングであると自負しています。 米国の歯科医療は、ほぼ自費治療で行われていますので、国民は歯の健康に対する価値を認め、歯科医師も尊敬される職業として評価されています。一方、日本は歯科医療にかぎっていえば皆保険制度があることによって、国民は歯に対する価値を見いだせていないのではと感じています。私と学生が行う歯科治療が保険制度上では同じ金額となっている現状を変革しなければ、日本の歯科医療が発展することは難しいのではないでしょうか。 私は学生に教育する立場としてつね日頃心がけていることがあります。それは、知識を詰め込ませることでなく、みずから考えて実践する能力を身につけさせることです。患者さんの口腔内はどれも同じ状況ではありません。治療基準をベースに、患者さんの個性を生かしながら口腔内を健康な状態にすることが、本来の歯科医師の役割だと思います。 私の教え子の中には、日本の次世代の歯科界を担うであろう若い歯科医師もいます。そのような優秀な先生方が純粋に活躍できる歯科界になっていただきたいと願っていますし、私も日本人として微力ながらその発展に貢献したいと思います。特別講演に脳科学者の茂木健一郎氏を招聘2012年入れ歯の日・市民公開講座 今月のニュース社 会 今月のニュース調 査山中教授ノーベル賞受賞で歯の再生前進か…… 絵 山香和信ひらやま・ひろし1977年、九州歯科大学卒業。勤務医、開業を経て、1987年渡米。その後、タフツ大学歯学部で教鞭を執り、1994年よりDirector of Graduate and Postgraduate Prosthodonticsを務め、2002年に同大学歯学部教授に就任。現在に至る。米国歯科補綴学会ボード認定医。より震災ボランティア報告が行われた。 特別講演では脳科学者として著名な茂木健一郎氏が「挑戦する脳」と題して登壇。茂木氏は、脳に関する話題についてユーモアを交えながらわかりやすく述べ、会場の参加者らを魅了した。また、食べることに関する脳と体への栄養や噛むことの重要性について触れ、歯科技工士という職業をもっと積極的に国民にアピールすべきとの意見も出された。歯科医院・歯科技工所と求職者をつなぐ専門求人サイト求人に関するお問い合わせは、広告課まで TEL 03-5842-2274歯科Q人検索詳しくは・・・歯科業界専門の求人サイトでかんたんに求職 !!PC・スマートフォンからアクセス!!〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クイントハウスビル

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