新聞クイント2014年9月(お試し版)
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2014年9月10日(水) 第225号2 7月16日(水)、東京医科歯科大学において、同大学(吉澤靖之学長)による記者会見が開催された。本会見では、スポーツ医歯学、スポーツ科学を融合した国内初の拠点大学を目指すための研究機関「スポーツサイエンス機構」を10月に設置し、同機構の教授として、アテネ五輪金メダリストの室伏広治氏(ミズノ株式会社)を招聘することが発表された。 記者会見の席上で室伏氏は、「医歯学とスポーツ科学の融合によって選手寿命の延長に可能性が出てくるのではないかと期待している」と述べ、年齢に応じたトレーニング方法や体調の維持・管理の大切さについてみずからの経験にも触れながら説明した。また、トップアスリートは歯の健康管理にも気を配っていることから、歯科領域の研究についても期待を寄せた。 なお、室伏氏は中京大学体育学部准教授を退任し、8月1日から同機構設置準備のため特任教授に就任する。2020年の東京五輪・パラリンピックのスポーツディレクターも務める室伏氏の今後の活躍に注目したい。日本歯科技工士会の「顔」杉岡範明(公社)日本歯科技工士会会長歯科技工界の問題解決に向けた努力が報われる職業にしたい このたび、日本歯科技工士会の新会長に就任した杉岡範明氏(北海道歯科技工所開業)。性格はけっして派手ではなく「コツコツと積み上げる公務員タイプ」と謙遜する杉岡氏だが、前執行部では副会長として会務運営をしっかりサポートするなど手腕を発揮している。本欄では、会長への抱負と今後の展望についてうかがった。杉岡:まずは、古橋前会長をはじめ前役員の皆様に心から感謝と御礼を申し上げるとともに、創立60周年をまもなく迎えようとする組織の代表理事として、これから2年間、真摯に職務を執行してまいる所存です。 私は、地域の歯科医療の一分野を支える歯科技工士として、手作業を中心とした創造的なこの職業に携われることに、心から幸せを感じるとともに誇りをもっています。何としても、歯科技工士を志す後輩たちに自己実現を可能にする、よりすばらしい環境で引き継ぎたいと思っています。 歯科技工士一人ひとりは、現在の環境に対して責任があります。けっして他人のせいにはできない部分があります。歯科技工士の未来は自分たちの過去とつながっているからです。未来は、私たち自身の選択によって変えていけるということをもう一度しっかりと自覚しなければなりません。 超高齢社会を迎えたわが国において、国民のQOLの向上に寄与する歯科医療の役割は重要です。この一分野を担う歯科技工士が相応しい環境で職責を果たすことは、国民の口腔保健などの増進に欠かせない要件です。この道理を叶えることが、今を生きる私たちの責任です。 今期執行部の主な課題としては、6月に可決された歯科技工士法の一部改正による歯科技工士国家試験の全国統一化の確実で円滑な実施です。また、「国民に信頼され尊敬される組織」の実現に向けた中長期総合計画“日技新発展「7」プラン”の達成です。さらに、具体的課題の最大にして最難関は、歯科技工士の経済基盤の確立です。 5月19日には、「歯科技工士に関する制度推進議員連盟」の国会議員による歯科技工所視察が行われました。現場の歯科技工士の声を、先生方が歯科技工所を直接訪ね聴くという画期的なものです。包み隠すことなく、自費中心の歯科技工所、保険中心の歯科技工所、中規模や小規模の歯科技工所と時間の許す限り、訪問していただきました。これらを次のステップにつなげてまいります。 当会は、歯科技工士の社会的代表部・ナショナルセンターとして具体的課題を掲げ、政治・行政当局、そして日本歯科医師会、日本歯科衛生士会と対話を重ね、主張すべきことを主張し、歯科の未来を切り開くことを使命としています。 歯科技工界には諸問題が山積していますが、問題解決に向けた努力が報われる職業にすることこそが私に与えられた使命でもあります。全身全霊で会務に取り組む決意です。室伏氏、「スポーツサイエンス機構」の教授に就任東京医科歯科大学紹介するとともに、日本で多くみられる歯の削合と充填の繰り返しによって最終的に抜歯に至る「Repeated Restoration Cycle」から、メディカルトリートメントモデル(以下、MTM)を基盤として歯を生涯守る「Repeat Prevention Cycle」へとシフトしていくことが重要と述べた。 その後、MTMの診療構成と同様に、歯科衛生士が担当する口腔衛生部、GPが担当する総合診療部、専門医が担当する専門医療部の3段階で講演が行われた。歯科衛生士の立場から小川恵氏(つきやま歯科医院)による講演「世界水準の歯科医療における歯科衛生士の役割」、GPの立場から嘉村康彦氏、乗富啓介氏(いずれもつきやま歯科医院)による講演「Evidence Based Dentistryの実践」、専門医の立場から米国補綴専門医である木戸淳太氏(タフツ大学歯学部補綴科留学中)による講演「治療計画立案を系統的に実践するためのベーシック」、米国歯周ボード認定医である築山鉄平氏(つきやま歯科医院専門医療センター)による講演「専門医の本来の役割とは」が行われた。会場は終始熱気に包まれるほど盛況となった。歯科医師・歯科衛生士ら約100名が参集し盛会となるGlobal Standard Seminar in Fukuoka 7月20日(日)、天神クリスタルビル(福岡県)にて、Global Standard Seminar in Fukuoka(PHIJ事務局主催、シロナデンタルシステムズ株式会社協賛)が「世界水準の歯科医療を実現するということ―Think Globally, Act Locally―」をテーマに開催され、歯科医師・歯科衛生士ら約100名が参集した。 まず、築山雄次氏(福岡県開業)が「真の歯科医療の価値とは。それを実現する次世代の主役達へ」と題して講演。従来から予防に注力してきたつきやま歯科医院の取り組みや変遷などを 今月のニュース 今月のニュース社 会大 学すぎおか・のりあき1978年、岩手医科大学歯学部附属歯科技工専門学校卒業。1989年、北海道デンタル・システム開設。日本歯科技工士会副会長を経て、2014年6月より現職。また、北海道歯科技工士会会長も務める。日本人男性の平均寿命、初の80歳超え…… 絵 山香和信吉澤靖之学長と握手を交わす室伏広治氏。質疑応答では多くの質問が寄せられた。

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