新聞クイント2014年12月(お試し版)
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2014年12月10日(水) 第228号3 今月のニュース大 学 10月17日(金)、日本歯科大学生命歯学部(東京都)において、日本歯科大学再生医療研究チーム(八重垣健教授、石川 博客員教授)による「肝硬変を自分の歯で治療へ、歯髄幹細胞で肝臓の再生医療を実現する」に関する記者会見が行われた。 研究チームによると、ヒト歯からの歯髄幹細胞を用いた臓器再生研究の一環として、ラットを使って肝再生による肝硬変治療法の前臨床実験に取り組み、移植した全例で治癒することに世界で初めて成功した。この研究成果は、世界的な再生医療の専門メディア『Tissue Engineering』(電子版)に掲載された。 一連の研究結果の特徴として①自己の歯の細胞から短時間で再生した臓器と置換する再生医療が可能に②歯髄幹細胞から肝臓様細胞ができる③歯髄からの再生プロトコルは安易で、細胞培養経験者ならば誰でも可能でなおかつコストも抑えられる④これまでの幹細胞移植とは異なり、がん化の可能性がたいへん低い――の4点が示された。 今後、肝臓臨床医学の研究機関の協力を募り、早ければ本年度内の臨床応用を目指したいとしている。これにより肝硬変を自分の歯で治療するという画期的な治療法が現実味を帯びてきた。また同時に歯髄バンクを立ち上げる計画も模索されているという。 iPS(人工多能性幹細胞)に続く新しい再生医療として、今後の展開が期待される。【問合せ先】日本歯科大学再生医療研究チームTEL:03-3261-8791(担当:八重垣)Email:yaegaki-k@tky.ndu.ac.jp「歯髄幹細胞で肝臓の再生医療」の実現に前進日本歯科大学再生医療研究チーム 10月21日(火)、アルカディア市ヶ谷(東京都)において、シンポジウム2014「世界の中の日本―WHOの口腔保健戦略」(深井保健科学研究所主催、日本歯科医師会、8020推進財団、日本口腔衛生学会後援)が開催された。これは、今年から世界保健機関(WHO)国際口腔保健部歯科医官に就任した小川祐司氏を招聘し、WHOの現在の口腔保健戦略を知るとともに、グローバルヘルスにおける日本の果たすべき役割について討論することを目的に企画された。 小川氏は、WHOの基本的な役割が国際的な視点での保健政策の提言やそのガイドラインの制定であることから、WHOで唯一の歯科医師として積極的に取り組む姿勢を示した。とくに、がんや糖尿病、心疾患、肺疾患といった非感染性疾患(noncommunicable diseases:NCDs)への対策が急務であり、NCDsと歯科疾患に共通するリスクファクター(過剰飲酒、運動不足、不健康な食事、喫煙)に対してアプローチすることの重要性、そしてそれらを踏まえたよりシステマティックな歯科診査のあり方について述べた。また、世界の高齢者口腔保健については、日本の高齢者口腔保健の実績・経験をもとに国際戦略ロードマップを作成中であるとし、そのビジョンを語った。 今後の課題として、エビデンスは蓄積するだけでなく世界でシェアしていくこと、効果や因果関係を明確にするためのさらなる研究、そして医科とチームアプローチするためのコンセンサスなどが必要であるとし、口腔保健の恩恵が一部の人だけでなくすべて人に行きわたるようにしたいと語った。WHO歯科医官の小川祐司氏を招聘深井保健科学研究所シンポジウム 今月のニュース社 会 今月のニュース社 会 10月29日(水)、コンファレンススクエアエムプラス(東京都)において、第4回歯科プレスセミナー(一般社団法人日本私立歯科大学協会主催、川添堯彬会長)が「誤嚥性肺炎」をテーマに開催された。 会場では、内藤 徹氏(福岡歯科大学口腔歯学部総合歯科学講座・高齢者歯科学分野教授)による講演「肺炎は死因の第3位―高齢者に多い誤嚥性肺炎と口腔ケアによる予防―」が行われた。内藤氏は、歯科を受診する高齢者が増加していることを挙げ、多くの高齢者が発症して命を落とす誤嚥性肺炎のメカニズムについて、多数のスライドを供覧しながら、誤嚥性肺炎の予防するための口腔ケアや摂食・嚥下リハビリテーションなど、歯科の果たす役割について紹介した。 引き続き、田中 彰氏(日本歯科大学新潟生命歯学部口腔外科学講座教授)による講演「いのちを守る口腔ケア―急性期病院、大規模災害被災地における肺炎予防のための口腔ケアの取り組み―」が行われた。田中氏は、急性期病院における専門的口腔ケア介入の効果について、多数のデータを用いながら解説。また、慢性期以降のライフステージにおける歯科医療のシームレスな提供や、東日本大震災時で顕在化した平時における歯科保健医療支援体制の整備など、自身の災害支援活動の経験を交えながら、口腔ケアの標準的手法の確立をめざした歯科医療の今後の課題についても言及した。 講演終了後は、報道関係者から両氏に多数の質問が寄せられるなど、誤嚥性肺炎予防における口腔ケアの効果について、関心の高さがうかがえた。講演終了後は、活発な議論が繰り広げられた。記者会見で説明する八重垣 健氏(左)。 今月のニュースひ と 11月7日(金)、マンダリンオリエンタル東京(東京都)において、ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2014授賞式(公益社団法人日本歯科医師会主催、以下、日歯、大久保満男会長、株式会社ロッテ協賛)が開催された。本賞は、8020運動の一環として、毎年11月8日の「いい歯の日」に、もっとも笑顔が素敵な各界の文化人・著名人を対象に、全国約65,000名の日歯会員の投票によって表彰するものだが、今年は8日が土曜日にあたるため、前日の7日に開催された。21回目となる今年の「著名人部門」では、橋本環奈さん(Rev. from DVL)、坂上 忍さん(俳優)が表彰された。 また、一般から募集したスマイルフォトコンテストでは、全国から4,639点のとびきりの笑顔写真が寄せられ、審査委員長の浅井愼平氏(写真家)らによって選出された8点の作品が表彰された。選出された8点の作品の中からグランプリには、石上遼さん(神奈川県)が選出された。 主催者を代表し、大久保会長は「人生のなかで心から笑える場面は多くはないなか、このようにたくさんの『笑い』を見ることができて清々しく嬉しく思う」と述べた。 その後のトークセッションでは、司会者からの「いい歯やいい笑顔を保つためにしていることは?」との質問に対して、坂上さんは「18歳から29年間お付き合いのある歯科医師に2か月に1度クリーニングなどをしてもらっています」、橋本さんは「食後や人前に立つ前には必ず歯を磨いています」と、両者とも心からの笑顔で質問に答えていた。橋本環奈さん(左)、坂上 忍さん。ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2014著名人部門に橋本環奈さん、坂上 忍さん講師の田中 彰氏(左)と内藤 徹氏。第4回歯科プレスセミナー、「誤嚥性肺炎」をテーマに日本私立歯科大学協会

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