新聞クイント2018年1月(お試し版)
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2018年1月10日(水) 第265号2 今月のニュース政 治若手歯科医師の育成に貢献するJIADSの「顔」瀧野裕行JIADS理事長、京都府開業 2017年11月22日(水)、憲政記念館講堂(東京都)において、国民医療を守るための総決起大会(国民医療推進協議会主催、東京都医師会協力)が開催され、約800名が参集した。 本協議会は平成16年10月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健及び福祉行政の拡充強化を目指し、積極的に諸活動を推進する」ことを目的に、日本医師会が各医療関係者団体等に呼びかけて発足した。これまでの活動としては、国民皆保険制度を守るための活動や禁煙推進活動などを行い、現在40団体が参加している。 会場では、横倉義武会長(日本医師会会長)、尾﨑治夫氏(東京都医師会会長)による挨拶のほか、高村正彦氏(自由民主党衆議院議員)、桝屋敬悟氏(公明党衆議院議員)の国会議員らによる来賓挨拶が行われた。引き続き、今村聡氏(日本医師会副会長)より趣旨説明がなされ、堀 憲郎副会長(日本歯科医師会会長)、山本信夫副会長(日本薬剤師会会長)、福井トシ子副会長(日本看護協会会長)による決意表明が行われた。 堀副会長は決意表明の中で、「国のかけがえのない財産である国民皆保険制度をしっかりとした形で次の世代に引き継ぐ責任があると考えている。歯科界は参加団体とともに国民の健康と生活を守り、国民皆保険制度を守り抜く」と述べた。 その後、会場では決議文「国民が将来にわたり必要な医療・介護を安心して充分に受けられるための適切な財源の確保」「国民と医療機関等に不合理な負担を強いている医療等に係る消費税問題の抜本的な解決」が採択され、最後に会場全員による力強い頑張ろうコールで閉会となった。国民医療を守るための総決起大会に約800名が参集国民医療推進協議会決意表明を述べる堀 憲郎氏。 今月のニュース社 会 2017年11月23日(木)、歯科医師会館において、東京オリンピック・パラリンピックに向けた講演会及びシンポジウム(日本歯科医師会主催、東京都歯科医師会/日本スポーツ歯科医学会共催)が開催され、多数の歯科医療関係者が参集した。 まず会場では、宮本哲也氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会大会準備運営第一局医療サービス部長)と堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)による挨拶が行われた。 その後、近藤尚知氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会大会準備運営第一局医療アドバイザー)による講演「オリンピック競技大会における歯科医師の役割―リオデジャネイロオリンピックの視察から―」が行われた。近藤氏は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのスタッフや施設に関する国際オリンピック委員会からの要望として、外国語のコミュニケーション能力をもち、歯科の専門性を理解している歯科医療従事者のボランティアの参加をはじめ、専門治療や口腔ケア、マウスガードを大量に製作できる設備の整備を挙げた。 引き続き、小林慶太氏(日本歯科医師会常務理事)による講演「TOKYO2020に向けての歯科医師会としての取り組み」が行われ、準備状況などが報告された。 その後、Dr. Tony CloughとDr. Paul M Piccininni(ともに国際オリンピック委員会委員)による講演が行われた。その中でDr. Cloughは、スポーツと口腔の健康の影響について、特にスポーツドリンクの過剰摂取による酸蝕症の影響に警鐘を鳴らすとともに、良い結果を残すためには日頃からの口腔の健康維持が必要不可欠であると述べた。歯科とスポーツの関わりについて意見交換日本歯科医師会講演後、会場の参加者との質疑応答が行われた。JIADSを通して歯科医療の魅力と楽しさを伝えたい 歯科の学会や研修会・セミナーなどの講演で引く手あまたの人気を誇る歯科医師・瀧野裕行氏(京都府開業)。包括歯科医療における審美修復領域の第一人者でありながら、抜群の医院経営センスをもちあわせる氏が、このたび日本を代表するスタディグループ「JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)」の理事長に就任した。生涯研修の重要性を強調する氏が歯科界に伝えたいメッセージとは――。瀧野:このたびのJIADS理事長の就任にあたり、「継けいおうかいらい往開来」という言葉を行動指針に掲げました。この言葉を辞書で引くと、「先人の事業を受け継ぎ、未来を切り開く。過去のものを継続し、それを発展させながら将来を開拓していくこと」とあります。 私が理事長としてやるべきことは歴代の理事長をはじめ、現在までJIADSを支えている諸先生方が築き上げてきた伝統やコンセプトを継承することです。それに加えて、日進月歩の歯科医療のなかで近年のデジタル技術を活用した最新の歯科医療機器や材料など、時代のニーズに対応しながら歯科の新しい潮流を積極的に臨床に取り入れていく姿勢が必要だと考えています。 JIADSは、歯科界で活躍する臨床経験が豊富で優秀かつバラエティに富む講師陣で構成されています。経験の浅い先生方は、ややもすると講師の先生方の臨床例の華やかな部分ばかりに目がいきがちですが、ベーシックな歯科技術の蓄積のもとにアドバンスな歯科治療を実践されています。「どの歯科医師でも実践でき、同じ治療結果を生み出せる」ことを目指し、患者さんと術者双方に利益をもたらす予知性の高い永続性のある治療を提供できるよう指導しています。 JIADS研修コースは発足以来、延べ8,000人以上の歯科医師、3,500人以上の歯科衛生士、500人以上の歯科技工士が受講していることからも、日本の歯科界を代表する卒後研修機関としての役割を果たしていると思います。 グローバルな時代のなかで、今後歯科界が発展していくためには、大学人と臨床家の連携がますます不可欠になたきの・ひろゆき1991年、朝日大学歯学部卒業。1995年、タキノ歯科医院開設。2006年、(医)裕和会タキノ歯科医院開設。2009年、朝日大学非常勤講師。2017年12月、JIADS新理事長に就任。執筆および講演多数。きたる2018年10月の第8回日本国際歯科大会で登壇予定。ります。また、コンセプトの異なる他のスタディグループどうしの垣根を越えて情報共有する機会や場をつくっていくようなフレキシブルな対応も必要でしょう。 私は講演会やセミナーなどでもお話していますが、開業歯科医の先生方が患者さんにより良い歯科医療を提供するためには、歯科の知識や技術だけの習得だけでなく医院経営のマネジメントといったノウハウも大切です。そのようなフォローアップにも力を入れたいと思っています。 そしてなにより、私自身が歯科医師としての職業を楽しむことができなければ、その楽しさや魅力を伝えることはできません。JIADSを通して歯科医療の魅力と楽しさを伝えたいと考えています。

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