新聞クイント2018年2月(お試し版)
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2018年2月10日(土) 第266号2 今月のニュース企 業信頼性を追求する歯科情報サイトの運営者田尾耕太郎㈱ファンクション・ティ代表取締役、歯科医師 2017年12月25日(月)、富士通汐留本社(東京都)において、サンスターグループオーラルケアカンパニー(以下、サンスター)と富士通株式会社による記者発表会が開催された。本発表会は、サンスターと富士通が、IoTスマートハブラシ「G・U・M PLAY(ガム・プレイ)」と富士通の歯科医院向けクラウドサービスを連携させた先進予防歯科サービスを同日から販売、2018年1月31日より提供を開始するにあたり、メディア向けに開催したもの。 本サービスは、サンスターのIoTスマートハブラシに蓄積された毎日の歯みがき情報と、富士通の歯科医院向けクラウドサービスに集約された歯科医院での患者さんの口腔情報(口腔内写真やレントゲン写真など)を連動させるもの。これにより、患者さんの日々のホームケアの状況が“見える化”されることで、プロフェッショナルケアを行う歯科医師や歯科衛生士はより効果的な歯科保健指導が可能になり、また患者さんの積極的な予防歯科の行動変容を促進させるツールとして継続的なホームケアが可能となる。 開会後、本サービスを先行導入した予防歯科領域で著名な熊谷 崇氏(山形県開業)による講演「口腔から全身の健康へ向けた先進的な取り組み」に引き続き、淡島史浩氏(サンスターグループオーラルケアカンパニーマーケティング部統括部長)と山田直樹氏(富士通第二ヘルスケアソリューション事業本部ビジネス戦略統括部新ビジネス推進室室長)より、サービス概要について説明がなされた。 現在、すでに約50の予防型歯科医院で利用されており、両社は2020年までに約500の歯科医院へのサービス導入を目指すとのこと。IoTとクラウドのコラボで予防歯科を啓発サンスター/富士通株式会社左より山田氏、熊谷氏、淡島氏。多くの人が安心して参考にできる歯科の情報源を作りたい メディア・リテラシーは、情報を受信する側だけでなく発信する側にも求められる。2017年12月、歯科情報サイト「シカシル」をリリースした田尾耕太郎氏(歯科医師)は、インターネットにおける情報過多の時代だからこそユーザーにとって有益な医療情報、つまり「質の高い記事」を発信する必要性を強調する。本欄では「シカシル」が担う役割についてうかがった。田尾:昨今、国民の歯や口に対する関心が以前とは比べものにならないほど高まってきたことは、とても喜ばしいことです。その一方で、インターネットで収集した情報を間違って解釈したり、悪意ある情報に引っかかっていたり、それらが基ですでに起こってしまったことを後悔して来院される方やその数も多くなってきました。 人は情報を収集し、それに対して判断して、そして行動するかを決断します。歯科に限らず医療に関するネット情報では、その「判断」が非常に難しいという現実があります。歯科医療の最大の目的は、患者さんの生活・人生の「質の維持・向上」であるにもかかわらず、判断を間違えるとその後の決断が不幸な結果を招くことになります。 「シカシル」は、そのような患者さんの「判断」の助けになるような、だれもが安心して参考にできる歯科に関する情報を発信していくことを目的に運営されています。記事はすべて専門家である歯科医師によって執筆・監修され、有益な記事を発信することで社会貢献を行うと同時に、ご参加いただいた先生方にもメリットがあるように強く意識しています。そのための最大のポイントが、「質の高い記事を発信する」ということです。 「シカシル」では、①World Standard、②Current & Rational、③Scientific evidence base――の3つをクリアした情報のみを掲載するという徹底したルールに基づき、情報を発信しています。医療情報サイトは、いち早く最新の情報を発信することがその意義と考えられますが、最新の情報に基づいた判断が最善とは限りません。最新の治療法1つにしても、長い間評価され続けていることは稀ですたお・こうたろう2005年、松本歯科大学卒業。2006年から歯科情報・相談サイト「歯チャンネル88」を開設し、歯に関する情報発信やホームページの運用を行う。2010年より㈱ファンクション・ティ代表取締役。2017年12月、歯科情報サイト「シカシル」をリリース。ので、最新の情報に関しては、所属する専門家や専門医の私見として掲載していく方針です。 「信頼性が高い情報を、わかりやすく伝える」を目指して有益な記事となるように厳しい監修を行い、執筆者や監修者の先生には多大なるご尽力をいただいています。しかし、たいへんだからこそそこに希少性が生まれ、価値が高まるのだと思います。記事の質を高め、ユーザーにとってより有益な価値ある記事とすることが結果として、「シカシル」にかかわるすべての人にとってプラスになると確信しています。 今後は「シカシル」を通して、多くの人が安心して参考にできる歯科の情報源を作り、決断する際の根拠の一助となることを願っています。 20年前、野宿労働者への炊き出しには500人が並び、800食を出していた。 どんぶりの混ぜご飯に入れるものは、あったものやもらったもの。たまに、「本当に何か混ざってる?」というくらいの時もあったが、どんぶり飯を腹いっぱい食べることに意義があったのだと思う。 早く来た順に1杯ずつもらえる。遅れて来ても1杯はもらえる。2杯もらいたい人は早く来て並び、1杯もらったらまたその後ろに並ぶ。この1杯の価値は大きく、しばしば喧嘩となることもあって批判もされたが、きっちり並ぶというルールができた。 政策も進み、公園という拠点もなくなりつつあり、人数は減ったものの一定数はおり、散り散りになりながら多様化し、見えにくくなった。 そして訪問となった。朝から釜でメシを炊き、手袋をしておにぎりを握り、ラップで包みながら海苔を巻く。ぶっちゃけ、でかい。 いくつかの班に分かれて、界隈を歩きまわること3時間、一人ひとりを訪ねてお届けする。集団に対して、個別のアプローチは効率が悪い。しかし、それぞれの方の生活環境もわかるし、場所と結びついて覚えやすい。なにより、皆さんのホームにこちらからおうかがいし、まだぬくもりのあるおにぎりをお渡しすることに、お腹が満たされる以上に届けられるものがあると思っている。米を育てた人や炊いた人、握った人、そして持って歩いて渡した人、すべての人々の気持ちが「おにぎり」というバトンを通して伝わっていけば、いいと思う。 食べられなくなると、人は死ぬ。ゆえに、不安になる。「食べる」ことにより、安心できる。そして幸せにもなれる。寒さの中でも心がゆるみ、明日まで生きていられることを心配せずに眠りに落ちることができる日が1日でも増えれば、それも「食べる」の効果と思う。 (中久木康一 歯科医師・新宿連絡会医療班)究極の 孤食の中にも ぬくもりを新・リレー連載①「食べる」を支える―私の視点―野宿者とおにぎり

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