新聞クイント2019年1月(お試し版)
3/3

2019年1月10日(木) 第277号3感謝状授与後、講師陣と主催者による記念撮影が行われた。今後の講演・執筆活動へ意欲をみせる桑田氏。 今月のニュース企 業クリアフィル®40周年記念講演会が盛会となるクラレノリタケデンタル株式会社 2018年11月23日(金)、三井住友銀行東館ライジング・スクエア(東京都)において、クリアフィル®40周年記念講演会(クラレノリタケデンタル株式会社、株式会社モリタ共催)が「最新審美治療とそのエビデンス」をテーマに開催された。本講演会は1978年に接着性修復材料「クリアフィルボンドシステムF」が発売され、「クリアフィル」ブランドとして発売40周年を記念し開催されたもの。 会場では森田晴夫氏(株式会社モリタ代表取締役社長)、有川清之氏(クラレノリタケデンタル株式会社代表取締役社長)による挨拶で幕が開いた。 引き続き、田上順次氏(東京医科歯科大学理事・副学長)による講演「クリアフィルがもたらした歯科医療の変革と未来」が行われた。田上氏は、当時自身が入局した教室の総山孝雄氏(東京医科歯科大学名誉教授)が確立した「歯質保存的う蝕治療法」という保存修復の新概念の紹介に始まり、日本の歯科接着技術開発の歴史を紐解きながら、現在のMIに基づく歯科医療は「クリアフィル」なしに語ることはできないと強調。また、これまでの「クリアフィル」ブランドの接着強さや耐久性といった数多くの研究データを供覧するとともに、接着技術の進歩による新たな可能性についても言及し、注目を集めた。 その後、田代浩史氏(静岡県開業)、高垣智博氏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教)、山﨑長郎氏(日本臨床歯科医学会理事長)による講演では、保存修復治療に関する多数の研究データや臨床例など、明日からの臨床に活かせる内容が示された。 今月のニュース学 会たないという意味と、開催地のお台場とを絡めて設定された。 本大会は、大会長の河奈裕正氏(神奈川歯科大学)、理事長の瀬戸晥一氏(総合南東北病院)による挨拶にて開会後、2日間にわたり、シンポジウム、教育講演、PPIS Symposium、一般講演、ポスター発表、ランチョンセミナー、市民公開講座など多数のプログラムが組まれた。 なかでもシンポジウム1では、幹細胞・iPS細胞と顎口腔領域の再生医療を演題として、加治屋幹人氏(広島大学)、酒井 陽氏(名古屋大学)、大島正充氏(徳島大学)、黄地健仁氏(慶応大学)らの若手気鋭研究者による講演が行われた。最後には『the Quintessence』 2019年1月号に掲載される新春座談会で山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所)と対談を行った演者4名に対して、山中氏から動画メッセージが送られた。 なお、閉会式では、瀬戸氏が今季限りで理事長を退任し、嶋田 淳氏(明海大学)が次期理事長となることが報告された。 2018年12月1日(土)、2日(日)の両日、東京国際交流館(東京都)において、第22回 公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会(Pan Pacific Implant Society〔PPIS〕Winter Meeting 2018 in Tokyo併催)(河奈裕正大会長、瀬戸晥一理事長)が「Diversity in Daiba City」と題して開催された。 今回のメインテーマは、インプラント治療は、歯科医療の基礎から臨床までのさまざまな職種の叡智の集大成であり、それぞれの協力なしでは成り立開会挨拶を行う大会長の河奈裕正氏。「Diversity in Daiba City」をメインテーマに盛大に開催日本顎顔面インプラント学会 今月のニュース企 業講演後のディスカッションの様子。者の顔ぶれが一堂に会した。 午前の部では、弘岡氏が「インプラント周囲病変とは―その診査と診断―」と題して登壇。『the Quintessence』2018年10月号に執筆した内容を踏襲してインプラント周囲病変の新しい定義と健康状態をおさらいし、歯周病の新しい分類も再確認する内容となった。つぎDr. Renvertが登壇し、「インプラント周囲病変の治療とそのリスク管理Part1」と題し、文献を示しながらインプラント周囲粘膜炎の段階での早期発見・早期治療の重要性を強調した。 午後の部は、和泉氏が「インプラント周囲疾患、日本の最新情報―日本の細菌学的研究―」と題して登壇。インプラント周囲病変の最新の自身の研究を紹介し、複雑な病原菌が絡んでいることを報告。最後に再びDr. Renvertが登壇し、「インプラント周囲病変の治療とそのリスク管理Part2」と題して講演。インプラント周囲炎のインプラント体の撤去法、バイオフィルム除去法からSPTに至るまで、使用キットも紹介しながらまとめた。『Peri-implantitis』の著者と訳者が一堂に会すNSK Symposium 2018 2018年11月25日(日)、株式会社ナカニシ本社(栃木県)において、NSK Symposium 2018「誰もが知っておかなければならないインプラント周囲病変の真実」(株式会社ナカニシ主催)が盛大に開催された。本シンポジウムの座長に山本松男氏(昭和大学教授)、演者に弘岡秀明氏(東京都開業)、Dr. Stefan Renvert(スウェーデン・クリスチャンスタード大学教授)、和泉雄一氏(東京医科歯科大学名誉教授)が招聘され、まさに『Peri-implantitis』(クインテッセンス出版刊)の著者と訳 今月のニュース研修会 2018年11月23日(金)から25日(日)にかけ、クワタカレッジ シニアコース(クワタカレッジ主催、桑田正博校長)の最終クール(131期)の講義が行われ、20名の受講生が修了証書を授与された。 クワタカレッジは、歯科技工士の桑田正博氏が1972年に開講し、延べ約3,000名を輩出してきた伝統あるポストグラデュエートコース。最終クールとなるこの3日間では、中切歯、および下顎第一小臼歯のジルコニアコーピング上に陶材を築盛・焼成し、完成後の咬合調整までのハンズオンコースが桑田氏の指導のもとで、きわめてていねいに行われた。また、最終日の最後の約1時間は、すべてを総括する意味で桑田氏が提唱する「FDO(Functionally Discluded Occlusion)」について、氏の1960年代からの足跡を含めて詳説した。会場には3日間にわたり、歯科メーカーや歯科マスコミ関係者、またクワタカレッジをかつて受講したOBらも駆けつけ盛況となっていた。 桑田氏は、歯冠形態・咬合理論に関する知識・技術はもちろん、「歯科を通じて人類の健康・福祉に寄与する」「習ったことを自分なりに消化・進化させるのが学問」「すべてのことに基準がある。基準があってはじめて応用ができる」「歯科はサイエンスである」など、氏がこれまでに唱えてきた歯科哲学が随所に散りばめられた講義を行い、会場は熱気に包まれていた。また、最後には、「クワタカレッジは終了するが、これが最後ではない。今こそが始まりであって、今後も技術と思いを共有していきたい」と語った。延べ約3,000名を輩出してきた伝統のコースに幕クワタカレッジシニアコース

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る