新聞クイント2019年2月(お試し版)
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2019年2月10日(日) 第278号3開会の挨拶を述べる理事長の瀧野裕行氏。平成31年度税制改正で事業継承の改善が期待される(写真はイメージ)。 今月のニュース社 会第一線で活躍する国内外の豪華な講師陣を招聘第25回JIADS総会・学術大会 2018年12月15日(土)、16日(日)の両日、千里ライフサイエンスセンタービル(大阪府)において、第25回JIADS総会・学術大会(瀧野裕行理事長)が「100年ライフを見据えた歯周・インプラント治療」をメインテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら約350名が参集し盛会となった。 1日目は午前中に会員発表が行われ、午後は天野敦雄氏と村上伸也氏(いずれも大阪大学教授)による特別講演「科学からみた天然歯保存の最前線」が行われた。天野氏は、講演の中で細菌どうしのバランスがとれた“symbiosis”から、そのバランスが崩れる“dysbiosis”へ変化する“microbial shift”などについて、イラストとともにわかりやすく解説した。村上氏は、歯周組織の破壊と再生に関して基礎的な面から解説したほか、FGF-2が細胞増殖や血管新生を促進するメカニズムについて詳説した。 2日目は午前中にDHセッションと和田圭祐氏(米国・ペンシルバニア大学)と辰巳順一氏(明海大学准教授)による特別講演「科学からみたインプラント保存の最前線」が行われた。 午後のDr.DH合同シンポジウム「JIADSからの『100年ライフ』への提言」では、会員の水野秀治氏(大阪府勤務)、大住祐子氏(歯科衛生士・医療法人貴和会 新大阪歯科診療所)、中家麻里氏、奥田裕司氏(ともに大阪府開業)が登壇。いずれも咀嚼機能の重要性を示したうえで、現症のみならず、口腔内状態、患者の背景など全体の傾向を早期から把握する重要性が説かれた。 2日間にわたり企業展示も行われ、多くの参加者で賑わいをみせていた。 今月のニュース社 会講師を務めた下野正基氏。ト質削去はどこまでやるべきか?」の問いに対して解説。これまでは、「セメント質を削去すると歯根吸収が起きる、セメント質は再生できない、露出セメント質のエンドトキシンの浸透は20~30μmと限局しているので、研磨や洗浄のみで充分である」と考えられていた。しかし、「実際には、セメント質を削去したからといって歯根吸収は起きない、セメント質は再生する、研磨や洗浄だけでは不十分である」と述べた。その根拠となる論文を挙げながら、結論として「セメント質を除去しても感染がなければセメント質は再生する、エンドトキシンは無細胞セメント質には浸透しない、細胞性セメント質(歯頚部近くまで増生)には細胞突起を介してエンドトキシンが浸透し、セメント質の壊死を引き起こす、上皮性付着は結合組織性付着に置換する、これらのため、炎症治療の原則は原因の除去であるのでルートプレーニングは徹底的に行うべき」と解説した。 ほかにもペリオ14編、インプラント2編、エンド12編、ほか3編の臨床の疑問に対して解説した。ポストグラデュエートコース講師に下野正基氏を招聘岡山県保険医協会 1月13日(日)、ピュアリティまきび(岡山県)において、岡山県保険医協会主催によるポストグラデュエートコース「下野先生に聞いてみた」が下野正基氏(東京歯科大学名誉教授)を迎えて開催され、歯科医師・歯科衛生士合わせて140名の参加者がつめかけた。臨床家・歯科衛生士から寄せられたペリオ、インプラント、エンド、歯の移動などの臨床の疑問に対して、病理学やこれまでの論文に基づいた知見をもとに解説された。 下野氏は、まず「SRP時のセメン 今月のニュース政 治 2018年12月17日(月)、日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、都道府県歯科医師連盟会長宛に文書を送付した。本文書は、12月14日に自民・公明両党が平成31年度与党税制改正大綱を決定し、この中に個人事業者の事業承継税制の創設が盛り込まれたことにともなうもの。以下に、主な4項目の概略を示す。・ 既存の事業用小規模宅地特例との選択適用を前提に、10年間の時限措置として、新たな納税猶予制度を創設する。・ 法人の事業承継税制と同様、承継計画を作成して確認を受ける仕組みとし、承継後は事業・資産保有の継続を定期的に確認する。・ 事業用の宅地、建物、その他一定の減価償却資産について、課税価格の100%に対する額を納税猶予する。・ 相続時・生前贈与時いずれにも適用可能とする。 なお、同制度については、平成30年度税制改正大綱や平成30年6月に閣議決定された、いわゆる骨太の方針にも「個人事業主の事業承継に係る支援」について明記されており、日本歯科医師会とともに事業承継議連へ要望していた。また、今後は事業承継税制の利便性をより高めるべく、歯科医療機器への適用などについて、引き続き日本歯科医師会とともに要望していくとした。 事業用資産としては、土地・建物(土地は400㎡、建物は800㎡まで)、機械・器具備品(工作機械・冷蔵庫・診療機器など)、車両・運搬具、生物(乳牛、果樹など)、無形償却資産(特許権など)などが対象となる。個人事業者の事業承継税制の創設について、都道府県歯連盟に文書送付日本歯科医師連盟PACIFICO YokohamaNORTHopening in2020World Young DentalInnovators’ Meeting 2020Save the date!2020年、世界に羽ばたく若手臨床家たちが集結。期日:2020年10月17日(土)、18日(日)会場:パシフィコ横浜 ノース(2020年春開業)https://www.quint-j.co.jp/

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