新聞クイント2019年6月(お試し版)
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2019年6月10日(月) 第282号3開会式で挨拶をする三橋 純氏。 今月のニュース社 会 今月のニュース政 治 今月のニュース学 会 4月27日(土)から29日(月)の3日間、一橋大学一橋講堂(東京都)において、第16回日本顕微鏡歯科学会学術大会・総会(古澤成博大会長、三橋 純会長)が「精密歯科治療を極める Perfection of Clinical Dentistry」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら約720名が参集した。 28日はまず、佐氏英介氏、尾上正治氏(ともに東京都開業)、青木啓高氏(青木デンタルラボラトリー)らが登壇したシンポジウムA「補綴処置の精密歯科治療を極める」が行われ、補綴装置の適合精度の基準、マイクロスコープを用いることの有用性など、歯科医師の視点からだけではなく、歯科技工士の視点からも述べられ、双方にとって有益な講演となった。 29日のシンポジウムB「歯内-歯周疾患の精密歯科治療を極める」では、牛窪敏博氏(大阪府開業)、石川 亮氏(兵庫県開業)がそれぞれ登壇。Simionの分類を紐解きながら、症例とともに診断におけるポイントについて詳しく解説した。各シンポジウムの最後に設けられた質疑応答では、さまざまな質問が飛び交い、本会の盛会ぶりがうかがえた。 さらにAMED(Academy of Microscope Enhanced Dentistry)を代表してMr. Todd Goldman(Goldman Dental Management)、Dr. Randolph K. Shoup C. V.、Dr. William Linger(ともに米国開業)らによる講演が行われ、米国における顕微鏡歯科の現状と展望を解説するとともに、本年9月に米国ロサンゼルスにて開催されるAMED学術大会への参加を呼びかけた。「精密歯科治療を極める」をテーマに約720名が参集日本顕微鏡歯科学会 今月のニュース学 会講演する厚労省の田口円裕氏。らの歯科医療環境をどう考えるか 地域包括医療の未来 歯科医療の展望と役割」では、国の将来目標をふまえた歯科保健医療のあり方として、治療中心型から予防管理連携型への転換による疾病予防および口腔機能の維持・向上・回復の取り組みの重要性を解説。こうした取り組みを評価する診療報酬の改定など、健康寿命の延伸に貢献する歯科の展望を語った。 シンポジウム「口腔機能と全身機能とのかかわり:寝たきりからの生還」では、竹内孝仁氏(国際医療福祉大学大学院教授)が「歯科は自立支援の救世主―咀嚼・活動連関 義歯・口腔機能の改善が寝たきり・認知症を改善」と題して講演し、歯科の役割を強調しながら自立支援歯科学の確立に向けて取り組むべきと訴えた。 続いて、河原英雄氏(大分県開業)が「超高齢社会における歯科の役割 義歯編」の演題で登壇。動画を通じて多数の改善症例を紹介し、口腔機能の健康長寿への貢献を強調するとともに、これからの歯科界を担う若い研究者の積極的な参加を呼びかけた。「口腔科学の未来」をテーマに約950名が参集NPO法人日本口腔科学会 4月19日(金)から21日(日)の3日間、ウェスタ川越(埼玉県)において、第73回NPO法人日本口腔科学会学術集会(嶋田 淳大会長、丹沢秀樹理事長)が、「口腔科学の未来」をテーマに約950名の参加者のもと開催された。本学会は日本医学会の分科会で唯一の歯科系の学会であり、特別講演、理事長講演、海外招待講演、シンポジウムなど、多様なプログラムが繰り広げられた。 田口円裕氏(厚生労働省医政局歯科保健課課長)による特別講演「これかオーラルフレイル健診結果票(1回目・2回目) (2回目:◇項目は1回目を転記)受診者名              様男 ・ 女      歳受診日     年   月   日《あなたのオーラルフレイル検診の結果は次のとおりですのでお知らせします》★お口の状態: ( 良好 ・ 定期健診 ・ 要治療 )◇歯の本数:     本(上顎    本・下顎    本)◆むし歯      有・無◇お口の乾燥    有・無◆かみ合わせの状態 良・悪◇顎の症状     有・無◇口 臭      有・無◇お口の汚れ    有・無★歯周病の状態:( 異常なし ・ 要指導 ・ 要精密検査 )◇CPI(地域歯周疾患関連指数):(出血(    )・ポケット(    )) 異常なし(CPI:出血0・ポケット0)⇒良好な状態です。自己管理と定期健診を心がけてください。 要 指 導(CPI:出血1・ポケット0)⇒歯肉に軽い炎症があります。歯周疾患の予防や改善の指導を受けましょう。歯石がついています。歯石除去等について歯科医院で相談してください。 要精密検査(CPI:ポケット1または2)⇒歯肉の病気が進んでいます。歯肉の治療について、早急に歯科医院で相談してください。生活習慣や基礎疾患などさらに詳しい検査などが必要です。海老名市オーラルフレイル健診指定医歯科医院名:歯科医師名:健康寿命を伸ばすために  1,お口の維持・栄養をつけること             2,運動をすること             3,社会参加をすること               を バランスよく実践しましょう★お口の機能の状態:(オーラルフレイル: あり ・ リスクあり ・ なし)◆オーラルフレイル評価項目低下評価基準低下の有無1かむ能力低下:グルコセンサー100mg/dl未満あり ・ なし2舌口唇運動機能低下:滑舌タ:30回/5秒未満あり ・ なし3舌圧低下:舌圧測定30KPa未満あり ・ なし4主観的かむ力低下:半年前に比べて固いものが         食べにくくなった有 無あり ・ なし5むせの自覚・飲み込み機能低下:EAT-10スコア3以下あり ・ なし6咬合力低下:残存歯数20歯未満あり ・ なし判 定3項目以上該当:オーラルフレイル ・2項目該当:リスクあり ・ 1項目以下:なし該当項目数(   ) これらのひとつひとつは些細なお口の衰えですが、3項目以上重複したオーラルフレイル(お口の虚弱)という状態になると、2年後の筋肉減少を含めた身体的な衰え(フレイル)を発症するリスクや、4年後に要介護状態になるリスクや死亡するリスクが高くなるという驚くべき結果があります。 「神奈川県歯及び口腔の健康づくり推進条例」:歯や口腔の健康づくりが、生活習慣病の予防など全身の健康の保持増進に重要な役割を果たすことから、県民の皆さんの生涯にわたる健康の保持増進を図ることを目的に、平成23年3月に制定、7月1日に施行されました。この条例では、県民の皆さん、県、歯科医師、教育関係者、医療保険者、事業者など、それぞれが担う役割や県の施策などが定められています。オーラルフレイル健診結果票。口の機能の状態やオーラルフレイルの有無について判定する。る質問」「歯式やCPIなど口腔内状態」「咬合状態」など多岐におよぶ項目を入れ込み、各項目に必要な検査を行えるよう器材の整備も行っている。 本事業の担当者である石井良昌理事は、「この健診を受けた方が家族や別の集まりで『オーラルフレイル』の話題を提供することで口への意識が高まり、元気に食べることにも影響すると考えている」と述べ、健診事業の周知・普及に期待を寄せた。 8020運動によって、20本以上の歯が残っている人は50%を超えているが、逆に50%の人は歯数の観点からオーラルフレイルのリスクをもったままの状態で生活していることとなっている。また義歯を使用していない群と20本以上の歯が残っている群では認知症になるリスクは1.9倍ともいわれている。さまざまな理由から要介護状態となるが、海老名市では要介護状態へのスパイラルを断ち切る第一歩として当健診事業を位置づけている。 今後は、市行政や三師会、企業などオール海老名での健康寿命延伸にかかわる事業展開を考えているとのこと。「海老名市オーラルフレイル健診」の運用を開始(一社)海老名市歯科医師会 海老名市歯科医師会(鈴木仙一会長)は、4月より全国に先駆けて海老名市歯科医師会会員施設(会員組織率91%)において「海老名市オーラルフレイル健診」の運用を開始したことを発表した。 歯の喪失前の対応を行うこと、また歯の喪失している人に必要な補綴などの咬合機能改善治療を念頭においた対応に配慮し、対象は55歳以上とした。海老名市オーラルフレイル健診票には、「生活習慣に関する質問」「身体測定」「指輪っかテスト」「嚥下に関す氏(大阪府)、細野 純氏(東京都)、三井博晶氏(京都府)、柳川忠廣氏(静岡県)、山口武之氏(新潟県)、山本秀樹氏(東京都)(名簿記載順)。 なお、監事(定数3名)の立候補者は、現・日歯監事の山口勝弘氏(青森県)、現・日歯代議員の長尾博通氏(大分県)、現・日歯監事の澁谷國男氏(東京都)(受付順)。 次期の理事および監事の選任は、きたる6月13日、14日に開催される第190回定時代議員会で代議員の投票によって行われる。任期は同代議員会終結時から2022年3年6月開催予定の定時代議員会終結時まで。び監事立候補者の届出は4月24日午後3時締切)。 堀氏のほか、伊藤明彦氏(熊本県)、宇佐美伸治氏(東京都)、海野 仁氏(福島県)、遠藤秀樹氏(福島県)、尾松素樹氏(滋賀県)、神田晋爾氏(福岡県)、小玉 剛氏(東京都)、小山茂幸氏(山口県)、齊藤愛夫氏(福井県)、佐藤理之氏(愛知県)、佐藤 保氏(岩手県)、佐藤真奈美氏(宮城県)、瀬古口精良氏(大阪府)、征矢 亘氏(茨城県)、野村和男氏(高知県)、蓮池芳浩氏(石川県)、濱 昌代氏(岐阜県)、林 正純 2019年2月に開催された日本歯科医師会(以下、日歯)会長予備選挙で3選を果たした現・会長の堀 憲郎氏(新潟県)は4月23日(火)、自身を含む次期の理事候補者24名(定数24名以内)の名簿を選挙管理委員会に提出した(次期の理事候補者およ理事候補24名、監事3名が届出日本歯科医師会

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