新聞クイント2019年12月(お試し版)
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2019年12月10日(火) 第288号1〈発行所〉〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クイントハウスビル                    TEL : 03-5842-2270(大代表)新聞クイント編集部 TEL : 03-5842-2280 FAX : 03-5800-7597 Email : news-q@quint-j.co.jp〈購読料〉1部200円(税別) ※新聞クイントの速配のご希望を承ります。 年間購読料 : 2,400円(税別 ・ 送料別)201912毎月1回10日発行第288号令和元年12月10日クインテッセンス出版の書籍・雑誌は、歯学書専用通販サイト『歯学書.COM』にてご購入いただけます。https://www.quint-j.co.jp/渡部 茂明海大学保健医療学部口腔保健学科教授2日本社 会 今月のニュース政 治第14回国民医療推進協議会総会、適切な財源確保のための決議を採択国民医療推進協議会 10月8日(火)、日本医師会館(東京都)において、第14回国民医療推進協議会総会(横倉義武会長)が開催され、参加団体の関係者が参集した。本協議会は、平成16年10月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健及び福祉行政の拡充強化を目指し、積極的に諸活動を推進する」ことを目的に、日本医師会が各医療関係者団体などに呼びかけて発足した。これまでの活動としては、国民皆保険制度を守るための活動や禁煙推進活動などを行い、現在40団体が参加している。 横倉会長(日本医師会会長)の挨拶に続き、副会長を務める堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)は、財源ありきという議論ではいけないとの考えを示しながら、「歯科界としては、人生100年時代において健康寿命の延伸に向けた取り組みを推進し、評価していただくことを求めていく。また健康な国民が増え、結果として社会活動が進むことで経済が活性化し、税収が増えるという方向性が議論の中心になるべき」と述べた。 その後、国民医療を守るための国民運動の活動概要が示され、「持続可能な社会保障制度の確立に向けて、適切な財源を確保するよう、本協議会の総意として、強く要望する」とした決議(右図)が採択された。 また、運動期間は同日から12月下旬まで。具体的な活動として、きたる12月6日(金)、憲政記念館講堂(東京都)において国民集会「国民医療を守るための総決起集会」を開催するほか、各都道府県協議会に対して、地方集会の開催や地域議会での意見書の採択を求めることなどを決定した。副会長を務める堀 憲郎氏による挨拶。すべての歯科医療従事者は科学者(Scientist)であるべき総合アプリ (無料)公開中!総合アプリ (無料)公開中!今すぐダウンロード!クインテッセンス出版3656~9 インフォメーションWorld Young DentalInnovators' Meeting 2020情報【期日】2020年10月17日(土)、18日(日)【会場】パシフィコ横浜 ノース(2020年春開業)答えるべく全国の要介護認定を受けていない、そして義歯を使用している71,227人の65歳以上高齢者を対象に、義歯の清掃頻度と過去1年間の肺炎発症の有無の関連を分析した。その結果、75歳以上の人々において、義 口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防は、歯科界がリーダーシップをとって推進されてきた。このきっかけは、病院の入院患者への口腔ケアの研究であり、それ以降、介護施設に入居する高齢者やがん患者など、健康状態が比較的悪い人々を対象に、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防介入が実施されてきた。では、入院治療や介護を受けていない健康な高齢者において、誤嚥性肺炎のリスクは存在しないのだろうか? 私たちは、この疑問に歯を毎日清掃する人では過去1年間に肺炎を発症した人は2.9%であった一方、毎日は清掃しない人では4.3%と肺炎発症のリスクが高くなった。肺炎球菌ワクチン接種などの要因を考慮した解析では、義歯を毎日は清掃しない人で、肺炎のリスクが1.58倍有意に高いことが示された。 今回の研究によって、地域に暮らす健康な人々であっても75歳以上の高齢者では、義歯についた細菌により誤嚥性肺炎を発症する可能性が示唆された。理論上はだれであっても、口腔内の細菌を誤嚥する可能性がある。毎日の家庭での義歯の清掃や、歯科医院での義歯に付いたプラークや歯石の除去など、定期的なメインテナンスが誤嚥性肺炎の予防につながる。健常高齢者の肺炎予防への歯科界の貢献は非常に大きい。(相田 潤・東北大学国際歯科保健学分野准教授)誤嚥性肺炎のリスク、健康な高齢者にも連 載歯科人の安らぎ噛みしめグルメ甘利佳之51分間コラム岩野義弘Dr. 岩田真紀代のキャリアパスにつなげよう!海外留学体験記岩田真紀代書 評『「粧う」ことで健康寿命を伸ばす化粧療法エビデンスに基づく超高齢社会への多職種連携アプローチ』池山和幸広 告研修会&セミナー情報/ウエルテック株式会社  人生100年時代を迎えるなか、幸福な国民生活を将来にわたりおくるためには、必要な医療・介護を安心して受けられるようにしなければならない。 よって、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、適切な財源を確保するよう、本協議会の総意として、強く要望する。当日採択された決議文(原文ママ)。

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