新聞クイント2020年2月(お試し版)
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2020年2月10日(月) 第290号2 今月のニュース資 料の「むし歯(う歯)」の割合は、幼稚園31.16%、小学校44.82%、中学校34.00%、高等学校43.68%となっている。すべての学校段階で前年度より減少し、中学校および高等学校においては過去最少を更新した。 また、中学校1年(12歳)のみを調査対象としている永久歯の1人当たりの平均むし歯等数(喪失歯および処置歯数を含む)は、前年度より0.04本減少して0.70本となり、昭和59 年度の調査開始以降ほぼ毎年減少し、こちらも過去最低となっている。 2019年12月20日(金)、文部科学省は「令和元年度学校保健統計速報」を公表した。本調査は、学校における幼児、児童・生徒の発育および健康の状態を明らかにすることを目的に、1948(昭和23)年度より毎年実施されている。 本調査の中の健康状態で令和元年度12歳児DMF歯数0.70本、過去最低を更新令和元年度学校保健統計速報 今月のニュース社 会会長挨拶を行う森田晴夫氏。 引き続き、堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)、武見敬三氏(参議院議員)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、山田美樹氏(衆議院議員)、河野典厚氏(厚労省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長)、富原早夏氏(経産省医療・福祉機器産業室長)、島村 大氏(参議院議員)、高橋英登氏(日本歯科医師連盟会長)、杉岡範明氏(日本歯科技工士会会長)、武井典子氏(日本歯科衛生士会会長)など、来賓による挨拶および紹介が行われた後、祝宴が催された。 なお、賀詞交歓会に先立って開催された令和二年功労表彰では、吉川秀隆氏(タカラベルモント株式会社代表取締役会長兼社長)、会長表彰では椎橋昌宏氏(長田電気工業株式会社相談役)、横江浩司氏(株式会社ニッシン代表取締役社長)、小川道生氏(株式会社トクヤマデンタル理事 品質統括室長)、成田公明氏(株式会社ヨシダ執行役員)、佐波康久氏(株式会社佐波代表取締役社長)、玉井誠一氏(株式会社玉井歯科商店代表取締役社長)の7名が受賞の栄に浴した。令和二年新年賀詞交歓会、歯科産業界のスタートを祝う(一社)日本歯科商工協会 1月8日(水)、ホテルグランドパレス(東京都)において、一般社団法人日本歯科商工協会(森田晴夫会長)による新年賀詞交歓会が開催され、今年一年の歯科産業界のスタートを祝うべく多数の歯科医療関係者が参集した。 開会後、森田会長は挨拶の中で、「オールデンタルの中で臨・学・産・官それぞれの役割を果たし、歯科界全体を盛り上げていくためにも新しいことにチャレンジしていく一年であってほしい」と述べた。がん専門病院における歯科技工士の役割や重要性を発信したい わが国のがん診療のリーディングホスピタルの1つである国立がん研究センター中央病院。そのがん専門病院における歯科技工業務を1人で担当する歯科技工士・小室美穂氏(国立がん研究センター中央病院 歯科)。小室氏は2019年2月より常駐の院内技工士となり、まもなく1年が経過する。歯科技工士不足が叫ばれるなか、がん患者のQOLを支える歯科技工士の意義とその役割についてうかがった。小室:がん専門病院に院内歯科技工士を配置することは全国初です。がん患者さんを口腔からサポートするがん口腔支持医療における歯科技工士の役割やその重要性にいち早く注目していただき、常駐化にご尽力いただいた歯科医長の上野尚雄先生に感謝したいと思います。 私はこれまで顎補綴を専門とする歯科技工士として働いていましたが、がん専門病院での院内技工士の仕事は顎補綴だけではなく、多岐にわたります。たとえば外科手術における歯列保護用のマウスピースの作製、頭頸部がん放射線治療時に使用する口腔内装置(スペーサー)など、がん治療を安全、円滑に進めるためのさまざまな歯科技工物が必要とされています。赴任して1年あまりで、約1,000件(2019年12月末時点)の歯科技工業務を担当させていただき、現在は国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)からも依頼を受けています。 院内技工士である最大のメリットは、実際の診療現場に一緒に立ち会えることです。歯科医師はじめさまざまな医療関係職との「顔の見える」密なコミュニケーションがとれ、お互いの専門分野からの意見交換がよりスムーズになりました。たとえば放射線治療のスペーサー作製には、放射線治療科の医師が直接歯科外来に来て、どのような形態にするか患者さんを交えて相談することもあります。また、チェアサイドでがん患者さんから直接状況や希望を聞き、口腔内を見られることで、印象や模型だけからは得ることができない有益な情報(特に粘膜状態や開口量、歯の動揺度、患者さんのキャラクターなど)も得ることができ、より高精度の歯科技工物製作と質の高い診療の提供が可能となりました。 さらに、がん患者さんは緊急の治療を要したり、全身状態が急変するなど、状況によっては早急な対応が求められたりするため、不測の事態に対応しやすいのも院内にいるメリットです。今ではすべての歯科技工業務を私が行うことで歯科医師、歯科衛生士が各々の業務に専念できるようになったため、診療の質・スピードが向上し、外来患者数が増加したと言っていただいています。 近年、がん口腔支持医療として、口腔ケアをはじめとする周術期口腔機能管理の重要性が認識されつつありますが、その中では歯科技工士も、とても重要な役割を担っています。今後は院内の業務と並行して、がん専門病院での歯科技工士の役割やその重要性を少しでも発信し、がん患者さんを支える歯科技工士を増やす活動も頑張りたいと考えています。がん専門病院で活躍する歯科技工士小室美穂国立がん研究センター中央病院 歯科こむろ・みほ2010年、大阪大学歯学部附属歯科技工士学校卒業。同年、㈱アヘッドラボラトリーズ入社。2019年2月より、国立がん研究センター中央病院 歯科に勤務。12歳における永久歯のむし歯等数中学校におけるむし歯のある者の割合(本)(%)6.05.04.03.02.01.00.00.010.020.030.040.050.060.070.080.090.0100.090.434.752.921.4080.0752.88令和元2111昭和59(注)「12歳における永久歯のむし歯等数」は、昭和59年度から調査を実施している。(年度)12歳における永久歯のむし歯等数中学校におけるむし歯のある者の割合92.2492.240.704.30平成元35.41中学校におけるむし歯(う蝕)の被患率などの推移。文部科学省の資料をもとに編集部作成。クインテッセンス出版 2020年の雑誌は年・・・・間購読がおすすめ!!年間購読のお申し込み・お問い合わせは、オンラインショップ「歯学書.com」または03-5842-2272(営業課)、お出入りの歯科材料店、書店へご注文ください日本欠損主体の時代から“口腔を生涯守る時代”の歯科臨床総合誌歯科医師と歯科技工士がともに読む補綴専門誌見える。つかめる。明日の臨床が楽しくなる!歯科衛生士のためのビジュアルマガジンインプラントを臨床に生かすための専門誌患者さんと歯科医院の笑顔をつなぐ歯科情報誌

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