新聞クイント2020年7月(お試し版)
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2020年7月10日(金) 第295号2今月のニュース政 治 5月29日(金)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(堀 憲郎会長)による第130回都道府県歯科医師会(以下、都道府県歯)会長会議が開催された。前回に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の措置として、WEB会議での開催となった。 開会後、挨拶に立った堀会長は、厚労省が公表している新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」に関する要望書を内閣総理大臣の安倍晋三氏宛に同月20日付けで提出したことを報告。歯科医療従事者の立場として、感染予防対策における口腔健康管理の重要性を訴えた。また、同月27日に内閣府で閣議決定された第2次補正予算のうち歯科にかかわる部分について、歯科医療従事者や職員に対し1人当たり5万円の支給や歯科医院内の感染拡大予防対策にかかる費用として100万円を上限とした交付金の給付、歯科衛生士の実習補完などにあてられる旨を説明した。 その後、遠藤秀樹副会長より、オンラインのレセプトにおけるクラウドを利用したセンターサーバーの一元化やAI活用によるレセプトの振り分けの整備を進めていることが伝えられた。そのほか、蓮池芳浩常務理事による「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A第2版」の報告では、新型コロナウイルスの影響によって休業を余儀なくされた診療所への補償や補助助成制度といった国の経済支援策について紹介された。 1時間以上におよんだ会務報告は新型コロナウイルスにかかわる話題が大半を占め、感染対策をふまえた新しい診療体制の構築に力点がおかれた。厚労省の「新しい生活様式」に関する要望書を提出日本歯科医師会今月のニュース社 会大臼歯の全部金属冠で純チタン2種が保険適用中央社会保険医療協議会 5月13日(水)、第458回中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会がWEBにて開催され、歯科関係医療機器として「純チタン2種」(ニッシン)の保険適用が認められた。区分C2(新機能・新技術)での適用となっており、大臼歯に対して歯科鋳造用チタン合金を用いて全部金属冠による歯冠修復を行った場合、準用技術料として「CAD/CAM冠」の1,200点を算定できる。CAD/CAM用の材料を用いた場合は算定できない。保険償還価格は1グラムあたり47円で、6月1日より保険収載される見込み。 本製品を販売している株式会社ニッシンの提出資料では、金属アレルギーを有する患者などの大臼歯におけるう蝕、歯髄疾患、破損(破折)、脱離、不適合、冠破壊(破折)、冠離脱、冠不適合に対する治療に用いられるとのこと。従来の金属の補綴物と同様、歯科用鋳造機を用いて溶融成型して製作する。 純チタンは金属の中で金属アレルギーを起こすリスクがもっとも低く強度が強いため、過剰な咬合力がかかる部分にも使用することができるというメリットがある。これまで金属アレルギーを有する患者の大臼歯部には、コンポジット製のCAD/CAM冠を入れることで保険適用による治療が可能であったが、咬合高径が低い、噛む力が過剰に強いといった場合に、チタン製の補綴物を使用するという選択肢が増えることになる。 チタンについては、価格の高騰をつづける金銀パラジウム合金の代替材料としても期待が寄せられており、今後の臨床における成果に注目したい。新たな歯科システムへの「入口戦略」として取り組みたい 新型コロナウイルスの感染拡大予防に対して、エビデンスに基づく正しい情報を発信しつづけている(一社)日本歯科医学会連合(住友雅人理事長)。このほどホームページで公表された「コロナ時代の新たな歯科システムを」では、コロナ時代の指針となる新しい感染予防システムを提言している。感染症からの「出口戦略」が求められるいま、本欄では新型コロナウイルス感染症対策チームのリーダー、小林隆太郎氏(日本歯科大学教授)にお話をうかがう。小林:これまでだれも経験したことのない新型コロナウイルスのパンデミックに対して、エビデンスに基づいた情報をいかに的確に伝えていくかがスタートでした。患者さんに安心して診療を受けていただくためには、歯科医療従事者側が正しい知識をもつことが大切です。しかし情報の発信元が患者さんと歯科医院経営のどちらかに偏ってはいけませんので、法人格をもつ組織として独立性のある日本歯科医学会連合がその役割を担うことになったことは、とても意義があると思います。 今回の提言では、①診療②診療環境③スタッフの3点に関する留意点を示しています。①と③は私たち医療従事者側が気をつけることであり、②は患者さんへの安心のメッセージの意味も含めています。これからの歯科診療においては、引き続き標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底に加えて3つの密への対策、たとえば待合室での密集を回避するため予約間隔の管理をしたり、定期的に窓を開けて換気をしたりするといったことも重要です。また、ウイルス感染に対抗するためには「口腔健康管理」も欠かせません。新型コロナウイルスについては多くのことが検証段階ですが、日頃から口腔内を清潔に保つことがインフルエンザ予防につながることは広く知られています。こうした新しい習慣、ニューノーマルを実施するほか、待合室に窓のない診療所は空気清浄機の設置を検討するといった工夫も望ましいでしょう。しかし、ひと口に空気清浄機といっても性能の違いや天井設置か床に置くのかでも考え方が変わってくるため、今後は環境学や医科の分野と意見交換しながら感染予防対策に取り組む必要があると思っています。 新型コロナウイルスは地域によって感染の広がりに大きな差があるため、各地域の実情に合わせた工夫を取り入れていくことも大切だと感じました。とはいえ、感染対策を実践するにあたり衛生用品の購入費用といったコストの問題もあるので、そうした「物の供給」にどう対応するかもこれからの課題です。 国が求める「新しい生活様式」を実践すべく、社会全体が元の生活に戻るための工夫をはじめています。出口は逆に入口でもあるため、「入口戦略」というかたちで、新たな感染予防策を含めた歯科医院の環境全般を見つめ直す良い機会だと思います。歯科医療従事者はもとより、患者さんも安心して口腔健康管理を実践できるよう、正しい情報の発信に取り組んでまいります。新型コロナウイルス感染症対策チームの「顔」小林隆太郎(一社)日本歯科医学会連合新型コロナウイルス感染症対策チーム チーム長こばやし・りゅうたろう日本歯科大学歯学部卒業後、同大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)。2001年、同大学歯学部附属病院顎変形症診療センター長、2010年、同大学口腔外科教授。現在、日本歯科医学会連合専務理事のほか、連合内の新型コロナウイルス感染症対策チームのチーム長として感染対策に尽力している。大型スクリーンを用いたWEB会議の様子。推定適用数は年間約7万歯とのこと(写真提供:㈱ニッシン)。医療介護の現場で役立つ! パッククッキング [著]佐藤真由美災害時も!災害時も!ポリ袋とお湯があれば簡単に調理ができる「パッククッキング」のレシピ集!管理栄養士である著者が簡単にできるレシピや料理のワンポイントアドバイスを紹介!掲載メニューは全23品!Step 1切るStep 2混ぜるStep 3湯煎するStep 4盛りつけるおうち時間を有効に!期間限定で無料公開中!!おうち時間を有効に!期間限定で無料公開中!!(なお予告なく公開を終了させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください)オクラと塩麹漬け鶏胸肉の胡麻ポン酢和えオ塩塩麹麹漬けけけ鶏胡胡麻麻ポンンン酢和和ええ焼きそばオクララと塩焼焼ききそそ夏野菜カレー夏野野菜菜カカレたらのクリーム煮ららのののクリリ鶏肉入りひじきごはん入りりりひじじじき4ステップで簡単!高齢者や料理の苦手な方でも作れるレシピ234ステップで簡単!高齢者や料理の苦手な方でも作れるレシピ23●佐藤真由美:著 ●56頁 ●A5判横型 ●定価本体:2,000円(税別)無料公開ページはこちら

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