新聞クイント2020年9月(お試し版)
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2020年9月10日(木) 第297号3今月のニュース社 会今月のニュース学 会今月のニュース社 会 8月8日(土)、福岡県において、「歯科技工士問題 解決への提案」(株式会社ファンクション・ティ主催)が開催された。本会はYouTubeによるライブ配信で行われ、主催者の田尾耕太郎氏(歯科医師、株式会社ファンクション・ティ代表)と、現役歯科技工士によるディスカッションが行われた。 田尾耕太郎氏(歯科医師、株式会社ファンクション・ティ代表)は、低賃金や長時間労働、歯科技工士不足による歯科技工を取り巻く問題の解決策として主に、①保険歯科技工の効率化(大手ラボなどの環境に集約)、②自費歯科技工士の増加と海外への市場拡大――の2つを挙げ、利益率の向上を提案した。また、歯科技工界全体として利益率が向上しなければ、歯科技工士の労働条件の根本的な問題解決は期待できないとし、海外で一定の評価を受けている日本人歯科技工士のような質の高い歯科補綴物の「価値」を伝えることに取り組む必要性を強調した。 今回ライブ配信によって、多くの歯科関係者があらためて共通認識をもつことで、歯科技工士問題の解決に向けた行動へのキッカケづくりになったことは評価すべき点といえる。しかし国民皆保険制度下で保険技工が継続される以上、歯科医師と歯科技工士の職能団体間での話し合いによる問題解決は不可避である。また歯科医師と歯科技工士の双方にとって、お互いが患者さんに良質な歯科医療を提供するパートナーなのか、あるいは歯科補綴物というモノづくりの外注先としての位置づけなのか、その認識の違いによっても歯科技工士問題の解決のスピードは変わるだろう。今後の動向に注目したい。歯科技工士問題、歯科医師がYouTubeでライブ配信(株)ファンクション・ティ今月のニュース社 会『新時代の歯周外科』出版記念講演会開催Club GP 8月2日(日)、ブリーゼプラザ(大阪府)において、『新時代の歯周外科』出版記念講演会(Club GP主催、佐藤琢也主宰)が開催された。 本会は本年5月に刊行された『新時代の歯周外科』(小社刊)の出版を記念して行われたもので、著者の佐藤琢也氏(大阪府開業)が「マイクロサージェリーがもたらす歯周外科の刷新―ポケット除去療法から歯周形成外科まで―」と題して登壇。書籍の内容を交えつつ自身が行ってきた臨床を多数紹介した。 佐藤氏はまず、BeauchampとChildressによって提唱された「医療原理の四原則」の中の「無危害」に焦点を当て、それを達成するためには、明視野かつ拡大視野のもと低侵襲な治療がより可能となるマイクロスコープが不可欠であると強調した。また、マイクロスコープ下で治療を行う際、確実な明視野を確保でき、さらにはマイクロスコープの欠点である機動性のなさを担保できるポジショニングを提示。「複雑に考えることはなく、まず直視して見やすい位置がつかめたらその眼前にマイクロスコープを置く、というきわめて単純で直感的な方法によってポジショニングは網羅できる」と説明した。 その後、歯周外科手術においては術式選択が難しいとし、それをより明確に示したDr. Henry H. TakeiのClinical Periodontal Surgical Treeを紹介し、各症例において切開線のポイントや材料の選択方法について述べた。 なお、本講演会はYouTube上でも配信された。会場には約40名が参集した。主催者の田尾耕太郎氏。歯科通訳(同時・逐次)年間10,000件以上の通訳実績を誇ります。03-3508-1215tsuyaku@convention.co.jphttps://www.convention.co.jp/「新たな感染症を踏まえた歯科診療の指針」(第1版)を発表日本歯科医師会 本指針は、新型コロナウイルス感染症に対応するため、堀会長を座長としたタスクチームで議論され、小林隆太郎氏(日本歯科医学会連合専務理事)、今井健一氏(日本大学歯学部教授)の全面的な協力を得て、柳川忠廣副会長を中心に新しい歯科医療体系を整理するステップとして取りまとめたもの。感染症の基本知識をはじめ、新型コロナウイルスの基本知識、歯科医療機関における感染予防策、マスクに関する情報などが収載されている。 なお、本指針は現時点の情報を基に作成したもので、新型コロナウイルス感染拡大の状況など必要に応じて版を重ねていく予定とのこと。以下にタスクチームのメンバーを示す。座長:堀 憲郎(日本歯科医師会会長)/委員:今井健一(日本大学歯学部細菌学講座教授)、尾松素樹(日本歯科医師会常務理事)、小林隆太郎(日本歯科医学会連合専務理事、日本歯科大学生命歯学部教授)、瀬古口精良(日本歯科医師会専務理事)、恒石美登里(日本歯科総合研究機構主任研究員)、蓮池芳浩(日本歯科医師会常務理事)、三井博晶(日本歯科医師会常務理事)、柳川忠廣(日本歯科医師会副会長)、山口武之(日本歯科医師会理事)/オブザーバー:厚生労働省医政局歯科保健課 (50音順、敬称略) 8月11日(火)、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)は、「新たな感染症を踏まえた歯科診療の指針」の第1版を日歯ホームページに掲載した。 7月13日(月)から8月7日(金)まで、第63回日本歯周病学会オンライン学術大会(高橋慶壮大会長、村上伸也理事長)が「歯周病学のプロフェッショナリズム ―歯周治療の実践知と科学知の融合を目指して―」をテーマに開催された。今回は、コロナ禍の影響でWEB開催となり、その告知にともなう参加登録が4,000名を超えたとのことで、開催期間も8月7日(金)まで延長された。 WEB開催にともなう演題の変更、取り下げなどは多少みられたが、ほぼ当初の予定どおりの演題が披露された。分子生物学、システム生物学の立場から歯肉炎と歯周炎の感受性を本人の研究も含めて文献考察した「Professionalism in Periodontology―Science and practice becomes Periodontal Precision Medicine」(Denis F Kinane氏/スイス・Genova大学)、コロナ禍における次世代のワクチンの開発を占った「COVID-パンデミックから歯周病治療と研究の将来を考える」(河井敬久氏/米国・Nova Southeastern大学)の2題の特別講演、3題の教育講演、「歯周炎病因論の再考」、「若手臨床家の集い」、「インプラント周囲炎の病態と治療法」の3題のシンポジウムのほか、認定医・専門医教育講演、学会学術賞受賞記念講演、倫理委員会企画講演、市民公開講座、ランチョンセミナー、国際セッション、一般演題口演、一般演題ポスター、臨床(認定医・専門医)ポスターなど、WEB上で視聴・閲覧が可能であった。また、歯科衛生士セッションも同じ要領で発表が行われた。次回の第63回秋季大会もWEB開催が決定している。第63回春季オンライン学術大会を開催(特非)日本歯周病学会お問い合わせ、ご購入は03-5842-2272(営業課)または「歯学書.com」まで!お問い合わせ、ご購入は03-5842-2272(営業課)または「歯学書.com」まで!●224頁 ●A6判 ●定価本体:3,500円(税別)多職種連携に必要な共通言語、あなたは理解できていますか?多職種連携に必要な共通言語、あなたは理解できていますか?[監 著]一戸達也 石垣佳希 弘中祥司豪華執筆陣がわかりやすく解説!安藤有里子/石井良昌/石垣佳希/伊藤孝訓/一戸達也/岩渕博史/小笠原健文/枝広あや子/片倉 朗/嘉手納未季/上條英之/菊谷 武/熊谷賢一/佐藤裕二/澁井武夫/荘司洋文/杉原直樹/田中 彰/鳥山佳則/内藤克美/永尾 康/野村武史/長谷川篤司/濱田良樹/平田創一郎/平野浩彦/弘中祥司/藤井一維/船津敬弘/マイヤース三恵/丸岡靖史/宮田 勝/渡辺 久/渡邊 裕  (50音順、敬称略)

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