新聞クイント2020年11月(お試し版)
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2020年11月10日(火) 第299号2今月のニュース学 会 9月19日(土)から25日(金)まで、第50回 公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会(井汲憲治大会長、宮﨑 隆理事長)が「インプラント治療―これまでの50年、これからの50年―」をテーマに、新型コロナウイルス感染対策の観点からオンデマンドで配信され、約6,000名が参加した。今年度の関東・甲信越、東北・北海道、中部、近畿・北陸、中国・四国、九州の各支部大会は単独開催が中止され、本大会との併催となった。 前回大会の「福岡宣言」に続き、本大会では理事長講演にて宮﨑理事長(昭和大学統括研究推進センター)により、学会員がプライドをもって学会活動に参加し、学会の歯科界・社会におけるプレゼンスを確立することで、会員の総力を挙げて国民の健康増進・健康寿命の延伸に貢献することを目指す「2020年宣言」が出された。 講演、シンポジウム、他学会とのジョイントシンポジウム、企画公演、委員会セミナー、教育講座、一般口演、ポスター発表などプログラムは多岐にわたり、インプラントの咬合や外科処置、炎症と力のコントロールなどのインプラント治療の基本的な内容が集約されたセッション「Back To The Basics」や、光触媒、iPS細胞、AIによる医療革命、新型コロナウイルスなどの最新のトピックスが語られた特別講演、特別シンポジウムに、本会のテーマである“これまで”と“これから”が表れているように感じられた。 なお次回は、きたる2021年10月22日(金)から24日(日)、広島国際会議場(広島県)ほかにて開催予定。約6,000名が参加する盛会となった。今月のニュース社 会東京SJCD web seminar、若手会員の要望で実現日本臨床歯科学会東京支部 9月17日(木)、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)による東京SJCD web seminarがオンラインミーティングプログラムのZoomにて開催され、約300名が視聴した。 冒頭、大河雅之氏(東京都開業)は、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響を受け、本年開催予定であったほぼすべての勉強会や講演会が中止になるなか、多くの若手歯科医師の要望によって東京SJCDウェビナー委員会が発足され、鈴木真名氏(東京都開業)が音頭をとることによって本セミナーが実現した経緯を報告した。 今回は、鈴木氏と山口文誉氏(神奈川県開業)が登壇。「インプラント周囲炎とどう向き合うべきか?」をテーマに、両氏が交互に症例および文献を解説するといった形で進行した。 まず、山口氏が2017年に米国歯周病学会(AAP)と欧州歯周病学会(EFP)共催のワークショップにて発表された歯周病の新分類において、初めてインプラント周囲炎の明確な定義づけがなされたと解説。 その後、鈴木氏がインプラント周囲炎によって骨吸収が生じた部位に対してエムドゲイン®を用いて再生療法を行った症例を供覧。良好な結果を得るためにいくつか条件はあるものの、「メインテナンスしやすい環境を構築することが重要である」と解説した。また、安定した角化歯肉を獲得するために、上皮付きの移植片をエンベロープ内に挿入する2つのテクニックを紹介。これには多くの質問が寄せられるなか、鈴木氏は天然歯に対する根面被覆術にも可能であるという見解を示し、参加者の注目を集めていた。講師を務めた鈴木真名氏(右)と山口文誉氏。第50回学術大会、オンデマンド配信で開催(公社)日本口腔インプラント学会「予防にまさる治療なし」を提供できる企業であり続けたい 予防歯科をサポートする企業として注目を集めるスイスの歯科医療機器メーカーEMS社。2009年から同社の経営に参画し、2020年6月より日本法人の代表取締役に就任した杉江 護氏(EMS Japan株式会社 代表取締役)は、「モノ売りの企業ではない」と強調する。本欄ではその真意と想いをうかがった。杉江:本年3月31日をもちまして、株式会社松風(以下、松風社)とEMS Japan 株式会社(以下、当社)において当社製品の販売代理店契約が終了いたしました。移行期間である4月1日から消耗品(パウダーやチップ、ハンドピース)は、松風社より継続して販売されています。保守・点検サービスにつきましては、本年12月末まで松風社が継続して行い、2021年1月1日からは当社が行います。 今後、当社はSDA(Swiss Dental Academy:スイスデンタルアカデミー)を通じてGBT(Guided Biofilm Therapy:誘導的バイオフィルム療法)の手順書(プロトコール)を、「臨床的な解決策」として提唱し、この普及活動に共感・賛同いただける歯科商店様とともに進めていきます。 当社の事業全体について向こう3年をマクロな視点で捉えると、2020年は“変革”と考えています。当社製品は日本市場で約40年にわたり、予防歯科分野で患者さんの良好な口腔環境の保持に貢献してきましたが、今回の販売網の変更にともない、保守・点検サービス、マーケティング体制が大きく変わることになります。2021年はその準備を実践に移す年と考えています。もちろんすべて完璧には行かないとは思いますが、今できるベストを尽くしていきます。そして2022年は、実践の検証・修正の年です。 今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、私たちの中でも情報発信に関する考え方が大きく変わりました。特に、デジタルを活用したオンラインセミナーです。前述したSDAに加え、SDOA(Swiss Dental Online Academy:スイスデンタルオンラインアカデミー)で学んでいただけるプログラムを用意し、たいへん好評を得ています。また、今後の展開としてGBTクラブというコミュニティの構築と運用を考えています。GBTを臨床で実践されている歯科医院様を当社WEBサイトでの紹介、また資料の無償提供や器械の保守・点検費用の優遇などを支援していきます。 これらの取り組みは、すべてGBTの考え方やコンセプトを周知・普及させるためですが、GBTを理解していただける歯科商店様の協力なくして成功はありません。歯科医師と歯科衛生士がGBTの手順書に従ったメインテナンスを患者さんに提供するように、当社も器械のメンテナンスなど顧客支援に注力することで、当社の存在価値がアピールできるように努めていく所存です。 最後に、当社の創設者であるBernd Bühnerの言葉のとおり「予防にまさる治療なし」を提供できる企業であり続けたいと思います。EMS Japan株式会社の「顔」杉江 護EMS Japan株式会社 代表取締役すぎえ・まもる1994年、ニューヨーク州立大学卒業後、歯科関連企業を経て2009年、EMS入社。セールス・マーケティングマネージャーを経て2020年6月、EMS Japan株式会社 代表取締役就任。お問い合わせ、ご購入は03-5842-2272(営業課)または「歯学書.com」まで!お問い合わせ、ご購入は03-5842-2272(営業課)または「歯学書.com」まで!●224頁 ●A6判 ●定価本体:3,500円(税別)多職種連携に必要な共通言語、あなたは理解できていますか?多職種連携に必要な共通言語、あなたは理解できていますか?[監 著]一戸達也 石垣佳希 弘中祥司豪華執筆陣がわかりやすく解説!安藤有里子/石井良昌/石垣佳希/伊藤孝訓/一戸達也/岩渕博史/小笠原健文/枝広あや子/片倉 朗/嘉手納未季/上條英之/菊谷 武/熊谷賢一/佐藤裕二/澁井武夫/荘司洋文/杉原直樹/田中 彰/鳥山佳則/内藤克美/永尾 康/野村武史/長谷川篤司/濱田良樹/平田創一郎/平野浩彦/弘中祥司/藤井一維/船津敬弘/マイヤース三恵/丸岡靖史/宮田 勝/渡辺 久/渡邊 裕  (50音順、敬称略)

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