新聞クイント2020年11月(お試し版)
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2020年11月10日(火) 第299号3今月のニュース社 会今月のニュース学 会今月のニュース同窓会今月のニュース社 会『補綴・咬合の迷信と真実』出版記念講演会が盛会Doctorbook academy 10月4日(日)、Doctorbook academy(歯科界のオピニオンリーダーの知見を共有するオンラインプラットフォーム)において、ライブセミナー「『補綴・咬合の迷信と真実』出版記念講演会 米国補綴専門医のマインドセット ―妥協しない補綴治療―」(Doctorbook社主催)が開催された。 本講演会は『補綴・咬合の迷信と真実―EBDを採り入れた治療のアート&サイエンス―』(クインテッセンス出版)の著者で、いずれも米国補綴専門医の資格を有する須田剛義氏(大阪府勤務)、土屋嘉都彦氏(大分県開業)、木戸淳太氏(福岡県勤務)によるオンライン講演およびディスカッションが行われた。 午前の冒頭、イントロダクションで須田氏は、「理想的な補綴治療はサイエンス(科学的根拠)とアート(経験知)によって可能となる」と述べ、講演会の趣旨を説明した。 続く土屋氏の講演では、適応症の選択を強調したうえで、全顎的なインプラント補綴の成功のための治療計画のポイントについて詳説した。 午後の木戸氏の講演では、補綴治療で審美的な結果を出すためには、「顔面」「口唇」「歯肉」「歯」の4要素を評価し、それらの総合的な調和を図る必要があると解説。4要素それぞれについて文献を示しながら詳説するとともに、症例を供覧した。 次いで、須田氏の講演では、初めにインターディシプリナリートリートメント(連携治療)における各分野の役割を説明。その中でも補綴分野で行うべきことを掘り下げながら、症例を用いて解説した。写真左より米国補綴専門医の須田剛義氏、土屋嘉都彦氏、木戸淳太氏。歯科通訳(同時・逐次)年間10,000件以上の通訳実績を誇ります。03-3508-1215tsuyaku@convention.co.jphttps://www.convention.co.jp/ 10月4日(日)から6日(火)まで、第9回国際矯正歯科会議世界大会(第12回アジア太平洋矯正歯科会議、第79回日本矯正歯科学会学術大会併催、小野卓史大会長)が、世界矯正歯科連盟および公益社団法人日本矯正歯科学会主催により「矯正歯科の視界を広げる―健康科学の始点としての矯正歯科―」のテーマのもと、オンデマンドおよびバーチャルによる開催(新型コロナウイルス感染拡大の影響により対面開催は中止)となった。 開会式では冒頭、世界矯正歯科連盟(WFO)理事長のDr. Allan R Thom(イギリス)によるスピーチが行われ、続いて小野卓史大会長(東京医科歯科大学)による開会宣言、森山啓司氏(日本矯正歯科学会理事長)およびDr. Zhou Yanheng(アジア太平洋矯正歯科会会長)による挨拶が行われた。 会期中はWFO名誉会員の黒田敬之氏(東京医科歯科大学名誉教授)による基調講演のほか、矯正歯科医向けプログラムは全31テーマが用意され、Dr.Ravindra Nanda(米国・コネチカット大学)、Dr. James A. McNamara(米国・ミシガン大学)、Dr. Zhihe Zhao(中国・四川大学)など、世界の著名な演者約80名による講演が行われた。アジアの著名な演者13名が講演するAPOSプログラムでは、飯田順一郎氏(北海道大学特任教授)と清水典佳氏(日本大学特任教授)による講演が行われた。 そのほか、約700演題のEポスター発表、40社以上の企業が参画したバーチャル展示など、多彩なプログラムが設けられ、世界大会にふさわしい充実した内容であった。開会宣言を行った大会長の小野卓史氏。バーチャル・オンデマンドで世界に配信される第9回国際矯正歯科会議世界大会 10月11日(日)、千里ライフサイエンスセンター(大阪府)にて、大阪大学歯学部同窓会学術講演会「歯周再生療法を成功させるストラテジーとテクニック」が、宮本泰和氏(京都府開業)と尾野 誠氏(京都府勤務)を迎え開催された。本講演会は、大阪大学歯学部同窓会所有の機材を使用し、学術委員だけで、ライブ講演とウェビナーの併催(各々66名、78名が参加)のハイブリッド講演会として開催された。 まず宮本氏が登壇。垂直性骨欠損、根分岐部病変、歯肉退縮の歯周再生療法に、エムドゲイン®・骨移植・GTR膜のどの併用が必要かを示したチャートを解説。歯周再生療法の成功率を高める症例の選別に必要な患者関連因子・患歯関連因子などと、その評価の方法を解説した。また、宮本氏は18歳女性の深い骨欠損の症例を例に挙げ、再生療法・骨移植をしなくても歯周基本治療で歯周ポケットはなくなるかもしれないが、歯肉退縮は避けられず20年も経てば根面う触などの問題が起きてしまうので、再生療法でこそ歯を長期に保存できると述べた。 つぎに尾野氏は、リグロス®とエムドゲイン®を使い分けた症例を紹介。リグロス®は今後も検証が必要だが、創面の裂開を防ぎ、歯間乳頭の保存に有利な材料の可能性があると述べた。続いて根面被覆術について解説し、Cairoの分類で根面被覆の予後を予測できるようになった現在の到達点を示した。つぎにgingival phenotypeに基づいた根面被覆術式の選択、口蓋からの上皮下結合組織移植片の採取方法を詳説。CTGの適用を考慮する臨床的指標を示してまとめとした。学術講演会に宮本泰和氏と尾野 誠氏が登壇大阪大学歯学部同窓会登壇した宮本泰和氏(右)と尾野 誠氏(左)。本ビジョンでは歯科がこれから担う役割と責任が宣言されている。『2040年を見据えた歯科ビジョン』を刊行日本歯科医師会 10月15日(木)、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)は、『2040年を見据えた歯科ビジョン―令和における歯科医療の姿―』を刊行し、ホームページに掲載した。 本ビジョンは2018年より構想を始め、2019年6月19日から外部の有識者も含めた「2040年を見据えた歯科ビジョン検討会議」で検討を開始し、計3回の検討会議で議論を深めた。2020年1月に発生した新型コロナウイルス感染症の影響で、作業が一時中断したものの、その後の編集会議を経て今回の刊行となった。 ビジョンの構成は「はじめに」、「データで見る2040年の社会と今後の歯科医療」、「目指す5つの柱」、「柱実現に向けての具体的戦略」の4章からなり、「はじめに」では、ビジョンの策定の趣旨や必要性を明記するとともに、あらためて歯科がこれから担う役割と責任を宣言し、国民の理解を得て、国民とともに進むことを示している。「目指す5つの柱」では、①健康寿命の延伸に向けた疾病予防・重症化予防に貢献する、②地域を支える歯科医療を推進する、③質が高く効率的な歯科医療提供体制を確保する、④個人の予防・健康づくりをサポートする、⑤多様なニーズに応え社会貢献を果たす――の5つを掲げている。 なお、日歯ホームページ(https://www.jda.or.jp/)より閲覧、ダウンロードすることが可能。いつでもどこでも学習が可能!

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