新聞クイント2020年12月(お試し版)
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2020年12月10日(木) 第300号3今月のニュース政 治今月のニュース企 業今月のニュース社 会今月のニュース社 会令和2年度SCRP日本代表選抜大会、吉野弘菜さんが優勝日歯定例会見 10月29日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。 会見では堀会長の挨拶の後、尾松素樹常務理事より、令和2年度(第26回)日歯SCRP(スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム)日本代表選抜大会の第2次審査がさる10月4日に開催されたことが報告された。本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、例年8月に歯科医師会館にて開催されていたポスター発表・見学者への公開・審査方式を変更。事前抄録・発表ビデオ・発表スライドによる第1次審査と、第1次審査通過者4名によるオンラインでの発表・質疑応答による第2次審査の2次審査方式となった。本年度は全国の歯科大学・歯学部18校が参加した。以下に審査結果を示す。優勝(基礎部門第1位):「アレンドロネート投与による骨特異的血管の組織学的変化」(吉野弘菜さん、北海道大学歯学部6年生)準優勝(臨床部門第1位):「欠損補綴治療による起立運動機能への影響」(高本侑立子さん、九州大学歯学部5年生)基礎部門第2位:「力学的閾値同定を主軸とした破骨細胞分化(促進/抑制)制御法の確立」(鈴田真裕さん、大阪歯科大学4年生) 優勝した吉野さんは、きたる2021年7月に米国・ボストンで開催されるAADR(国際歯科研究学会米国部会)学術大会に参加し、日本代表として発表するとともに、世界各国のSCRP代表学生、歯学研究者などとの交流を図る予定。SCRPの結果について報告する尾松素樹氏。歯科通訳(同時・逐次)年間10,000件以上の通訳実績を誇ります。03-3508-1215tsuyaku@convention.co.jphttps://www.convention.co.jp/ 10月23日(金)、「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」(株式会社ロッテ、牛膓栄一代表取締役社長)の発表会が、オンラインのライブ配信で開催された。本プロジェクトは、ロッテ社がキシリトールを含めたセルフケアを日本各地に広めることを目指し、その第一弾として会津若松市と協力したもの。第一部では羽村 章氏(日本歯科大学生命歯学部教授)により、キシリトールの発見からフィンランドにおけるキシリトールを使用したう蝕予防などが紹介された。 第二部では牛膓氏および小川貴昭氏(ロッテマーケティング部課長)により、本プロジェクトの趣旨説明がなされた。続いて室井照平氏(会津若松市市長)は、福島県は子どものう蝕罹患率が高いことから、本プロジェクトに参加することによって、う蝕罹患率の低下に期待を寄せた。また、会津若松市は「スマートシティ会津若松」を掲げており、そのなかで独自のICTツールである「会津若松+プラス」の母子手帳や学校連絡への活用が紹介された。 最後の質疑応答では小川氏が「本プロジェクトのキシリトールの摂取を習慣化して自発的にう蝕予防を行うという理念と、ICTを活用して市民が自発的にまちづくりに参加するという会津若松市の姿勢が重なった」と会津若松市と協力するきっかけを披露。またキシリトール入りタブレットの配布を市内10か所の幼稚園や保育園で実施するなど具体的なプロジェクト内容についても発表された。今後は2023年までに全国10自治体への展開を目標に、「キシリトールを通じて歯の健康維持に貢献していきたい」とした。キシリトールに関するセミナーを行った羽村章氏。会津若松市との共同プロジェクトを発表株式会社ロッテ 11月8日(日)、丸ビルホール(東京都)およびオンラインのライブ配信において、ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2020授賞式(公益社団法人日本歯科医師会主催、以下、日歯、堀 憲郎会長、株式会社ロッテ協賛)が開催された。本賞は、8020運動の一環として、毎年11月8日の“いい歯の日”の前後に、もっとも笑顔が素敵な各界の文化人・著名人を対象に、「いい歯は毎日を元気にプロジェクト」実行委員会が選出し表彰するもの。27回目となる今回は、上白石萌音さん、溝端淳平さん(ともに俳優)が表彰された。 主催者を代表し、堀 憲郎会長は挨拶の中で、「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤーは、8020運動の普及を目的に1989年に始まり、2年前の30周年を機に見直され、全身の健康に口腔が関係していることの周知が目的となった。新型コロナウイルス感染症などでたいへんな時代だからこそ笑顔を忘れないことが大切である」と述べた。 その後のトークセッションでは、司会者からの「いい歯やいい笑顔を保つために普段から心がけていることは?」との質問に対して、上白石さんは「緊張したときにこそ顎の関節を緩めて『くいしばらないこと』を心がけています」と可愛らしい笑顔で答えた。溝端さんは「『歯ブラシはつまむだけ』にして、優しく細かく歯を磨くことを心がけている」と述べ、おじが歯科医師のため幼少期から正月には親戚一同の歯の検診が行われているというエピソードを披露した。 なお、昨年は、中村アンさん、竹内涼真さん(ともに俳優)が受賞している。上白石萌音さん、溝端淳平さんが受賞ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2020受賞した上白石萌音さん、溝端淳平さん。評議員会の結果について報告する高橋英登氏。次期参院選組織代表候補者、山田 宏氏に決定日歯連盟会見 10月30日(金)、歯科医師会館において、日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟、高橋英登会長)による記者会見が開催された。 会見前に開催された第141回臨時評議員会において、次期参議院比例代表選挙における日歯連盟推薦候補者として現職の山田 宏氏(参議院議員)を承認するかが議案として上程され、評議員による投票の結果、賛成52名・反対20名(出席評議員総数72名)で可決された。歯科医師以外の組織代表は今回初となる。 席上、高橋会長は過去2回の参院選で組織代表を擁立できなかったことをふまえ、次期参院選では組織代表を擁立し選挙戦に臨むことで、歯科の実力を政権与党にアピールする機会であることを強調。また、選考委員会での決定を重く受け止め、決まった以上は組織として一丸となって会員の理解を求めていくとした。 今回の候補者選考においては、歯科医師以外の候補者ということが議論の焦点になったようだが、山田氏の政治力が評価につながったといえるだろう。今回の決定によって、日歯連盟の活動のあり方そのものが見直される時期にきているのではないだろうか。日歯連盟の今後の活動に注目したい。

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