新聞クイント2015年4月
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2015年4月10日(金) 第232号4明されています。また、母親が妊娠中に喫煙することで、タバコ煙が胎児に影響し、子が難聴になる確率が2.6倍に高まります。 つぎに「子どもたちが避けるべき食べ物」について説明します。成人にもあてはまりますが、ファストフードには添加物が大量に含まれていることが多く、オススメできません。添加物の多くは売り手側にとって利益が大きいので使用されますが、本来不要なものが多いと考えられます。適切な食材を購入し、シンプルに調理しましょう。ベーコン、ハム、ソーセージ、かまぼこなどの加工食品も添加物が多く、砂糖を含むお菓子や、アクリルアミド(発がん性あり)を多く含むポテトチップス、ポテトフライも極力控えましょう。 また近年では、携帯電話の電磁波が問題となっています。昨年、フランスにおいて14歳以下では使用を控えるよう注意喚起されました。理由は脳腫瘍発生との関連が認められたためと説明されています。使用する際にはイヤフォンを使用して頭と耳から距離を保つ必要があります。 その他、まれに子どもにとって致命的となるのが、水の事故、異物誤飲(タバコなど)、ブラインドやカーテンなどの紐による窒息です。以上の点にも配慮しましょう。 子どもの健康を守るために、もっとも大切なことは、「きれいな空気環境で生活させること」です。 本欄でも過去数回にわたり説明しましたが、できるだけ空気がきれいな場所(PM2.5が少ない場所)で生活すると、あらゆる病気の予防になることが証明されています。同居人が喫煙するとPM2.5は急上昇しますし、たとえ屋外で喫煙したとしても、呼気から45分程度はさまざまな化学物質が排出されるため、受動喫煙被害が生じます。ちなみに親が喫煙した場合、5歳までの間に子どもは102箱分のタバコを吸うことになるとされています。幼少期からタバコ煙を吸い込まされて生活していると遺伝子に好ましくない変化を生じ、将来肺がんになる確率が3倍以上に高まるデータもあります。 もっとも避けなければならない病気として、乳幼児突然死症候群(主に2歳以下の乳幼児が突然心肺停止し死亡する病気)が挙げられます。年に150人ほどの小さな子どもたちが亡くなっています。この病気も親の喫煙が最大の原因と考えられています。 さて、私の専門である耳鼻科領域における子どもの受動喫煙病として、中耳炎や難聴があります。何度も中耳炎を起こす子どもたちの生活環境を親に確認すると、ほとんどが家庭内に喫煙者がいます。家庭内に喫煙者が存在すると子どもたちは若い年齢にもかかわらず、難聴になりやすくなることも証門倉義幸 かどくら・よしゆき昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科准教授イラスト 榎本はいほDr.門倉の健康講座~知らなかった!からだに良いもの悪いもの~第9回 子どもの健康を守ろう子どもが病気にならないよう親が知っておくべきこと日本歯科医学会会長 住友雅人が聞く!今・躍動する日本の歯科学会 第9回:日本歯科東洋医学会連載 ×大竹和行 すみとも・まさひと日本歯科医学会会長。日本歯科大学名誉教授。日本歯科医学会総務理事・副会長、中央社会保険医療協議会(中医協)専門委員など、多数の要職を歴任。現在に至る。 すみとも・まさひと住友雅人認定分科会編日本歯科東洋医学会【会員数】650名(平成27年2月27日現在)【機関誌】『日本歯科東洋医学会誌』を年1回発行【事務局】〒170-0003 豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル4F (一財)口腔保健協会内/TEL:03-3947-8891/FAX:03-3947-8341/URL:www.jdtoyo.net/おおたけ・かずゆき1963年、日本歯科大学卒業。1974年、岐阜市住ノ江町にて大竹歯科医院継承。2013年4月より、日本歯科東洋医学会会長。7種類の漢方薬が保険収載歯科で増加する漢方薬の現状住友:最近では、歯学部の大学病院や総合病院の歯科でも漢方薬を用いる歯科医師が増えているようですね。大竹:そうですね。現在、安心・安全な歯科医療を提供することが求められているなか、漢方薬は副作用が少なく、患者さんに安心して処方できることから、漢方薬を処方する歯科医師が増えてきています。 歯科における漢方薬として、①立効散(りっこうさん)②半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)③黄連湯(おうれんとう)④茵陳蒿湯(いんちんこうとう)⑤五苓散(ごれいさん)⑥白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)⑦排膿散乃湯(はいのうさんきゅうとう)――の7種類が平成24年から歯科の医療保険に導入され、歯痛、口内炎、口渇、歯周病などに処方することができるようになりました。 漢方薬が保険導入された背景には、従来から処方されていた西洋薬では対応できない口内炎や口腔乾燥症、歯周病などに対して漢方薬の処方が増えてきたからだと考えられます。近年では、社会生活や生活習慣の変化などからさまざまなストレスを抱え、慢性疾患を有している患者さんが増加するなか、口腔疾患においても現在の西洋医学だけでは対応できなくなってきていることから、東洋医学の必要性が求められるようになってきました。 そのようなことから、歯科医師も単に知識としてだけでなく、積極的に日常歯科臨床へ東洋医学を取り込むべき時代になりました。すでにご案内を送付していますが、今年度から当学会と各地の都道府県歯科医師会の共催による漢方薬の講習会を開催することが決定しましたので、漢方薬に関心のある歯科医師会はこの機会にぜひ申し入れしていただければ幸いです。歯科東洋医学が普及するために卒前・卒後教育の充実住友:歯科東洋医学の卒前教育の必要性についてはいかがお考えでしょうか。大竹:ご承知のとおり、医科の臨床現場ではほとんどの医師が漢方薬を処方しますが、歯科においては漢方薬や歯科東洋医学に関心のある一部の歯科医師が処方しているのが現状です。 このような状況を改善していくためには、やはり医学部や薬学部教育のように卒前カリキュラムに導入し、歯学教育の現場で歯科東洋医学が指導される必要があります。ただし、全国の歯学部・歯科大学において、歯科東洋医学を教育している教育機関はわずかしかありません。当学会の会員の多くは一般開業歯科医ですので、まずは歯科大学・歯学部で教育の現場におられる会員数を増やしていくことが大切ではないかと考えています。住友:各分科会では会員に対する研修制度などを構築していますが、貴学会の状況はどのようになっていますか。大竹:卒後教育は会員への情報発信と意見交換の場としてたいへん重要な位置づけと考えています。活動内容としては、会員による歯科東洋医学の研究成果の発表や、多分野の講師を招聘した年1回の総会および学術大会、定期的に開催している研修会、なかでも全国に設置されている7支部(北海道支部、東北支部、関東甲信越支部、東海支部、関西支部、中四国支部、九州支部)による学術大会や研修会はたいへん充実しています。また、歯科東洋医学の知識を臨床的にも応用できる歯科医師を認定する認定医制度を導入して学術の質の向上を図っています。冒頭に述べました都道府県歯科医師会との共催による講習会は、専門医や認定医の会員を講師とすることを予定しています。学会の目指す方向性西洋医学と東洋医学の融合住友:歯科には、○○方式といったさまざまな治療技術があります。患者さんに不利益とならないためには、その治療技術の安全性や有効性を学会として明らかにする責任があります。7種類の漢方薬が保険収載されたように、患者さんにとって本当に効果のある良い薬であれば、世の中に広く普及させるべきと思っています。大竹:住友先生のおっしゃるとおりです。学会の方向性としては、時代のニーズであるエビデンスに基づいた歯科医療を提供するためにデータを収集・検証し、その結果をアピールしていく必要があります。また、西洋医学で対応できない疾患で悩んでいる患者さんは数多くいらっしゃいますので、西洋医学を補完する意味においても日常の臨床現場に漢方薬をはじめ東洋医学とうまく融合していただけるように、会員はもとより一般社会に向けても情報提供を行っていきたいと考えています。住友:本日はありがとうございました。

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