新聞クイント2015年4月
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2015年4月10日(金) 第232号5歯科人の安らぎ 噛みしめグ・ル・メ新しい病院歯科を目指して歯を診る歯科から口腔を診る歯科へ――当時、病院歯科は不採算部門として閉鎖に追い込まれていたなか、リハビリテーション歯科が開設された経緯についてお聞かせください。清山:潤和会記念病院(以下、当院)は、平成23年4月にリハビリテーションを主たる目的としたリハビリテーション歯科が新設1)されて今年で5年目を迎えます。 開設当初から常勤歯科医師の私1名、歯科衛生士2名でスタートし、入院患者さんの口腔ケア、摂食・嚥下リハビリテーションに携わっています。同年7月には入院患者さんの応急的な歯科治療を行うための歯科診療室もオープンしました。病院歯科は不採算部門といわれていることは周知のとおりです。医療調査によると、平成5年度の1,528施設をピークに平成21年度には1,094施設2)となっている状況の中、当科の開設にあたっては、実は、病院歯科の重要性を認識されていた医科の先生方が、強く推されたことも大きく影響したとうかがっています。 当病院は、446床(ICU6床、一般病床152床、療養病棟47床、地域包括ケア病棟52床、回復期リハ病棟165床、緩和ケア病棟24床)を有していますが、口腔内を健康に保つことで抗菌剤の投与や合併症の軽減、入院期間の短縮、経口摂取を早く始めることのリハビリテーションへの効果など、さまざまな効果があることを現場の先生方は認識されていたようです。 もちろん、開設当初はすべての医療従事者が歯科に対して理解されていたわけではありませんが、口腔ケアや摂食嚥下に関する定期的な勉強会や講習会を継続的に開催していき、いち早く医療現場に歯科が介入することで、患者さんはもとより医療従事者にとってもメリットが多い情報を発信していった結果、その理解が高まってきたと思っています。 また、最近は患者さんのみならずその家族まで意識に変化が見られようになりました。現在では歯科衛生士6名となり、採算性の課題はありますが、私たち歯科の果たす役割がますます大きくなっていると感じています。地域における医療連携の方向性医療機関の機能分化と連携が今後の課題――患者さんの口腔機能を維持・回復するためには、多職種との連携は必要不可欠ですね。清山:そうですね。当科においても、口腔内の環境を整えることで身体や疾患に悪影響を及ぼさないことが少しずつデータとして蓄積されています。現在の介入状況は、口腔ケア以外には摂食・嚥下機能に関する検査(嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査)および指導、救急搬送されてきた患者さんの口腔器官に関する口腔外科的診断、周術期の口腔管理などがあります(図1)。脳血管疾患患者さんにおいても、発症後すぐの意識のない時から口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションを行います。私たち歯科医療従事者が早期にリハビリテーションに介入することで口腔の機能回復も早くなりますので、毎朝のICU回診やNSTラウンドにも参画し、歯科領域からサポートさせていただいています。――地域における医療連携の将来展望と今後の課題についてお聞かせください。清山:当病院においてもスタッフの歯科への関心度はますます高くなってきていますので、病棟から歯科への依頼があった場合は急性期病院という特徴も考慮し、すぐに対応できるような体制を構築しています。現在ではPT、OT、STからの歯や口に関する相談や質問が増え、病院内で効果的な連携が図れるようになってきました。また、経口摂取が困難な患者さんに胃ろうを造設後、栄養状態が改善したことで経口摂取が可能となる患者さんもいます。その場合は、摂食・嚥下リハビリテーションをはじめとする口腔機能訓練を早期に開始し、機能の改善に努めています。 しかし、入院期間中にせっかく口腔環境が整って食べられるようになっても、退院してしばらくするとまた元に戻ってしまうケースが多く見受けられます。この原因として、歯科はいまだに「痛くなったら行くところ」のイメージが強く、高齢化率27.6%3)の宮崎県は、とくに高齢の患者さんは我慢されている方々が多いので、痛くなる前にかかりつけ歯科医の先生に定期的に受診していただくように説明させていただいています。 最近は、口腔ケアをはじめとして口腔に関心をもたれている患者さんや家族の方々も増えてきていますが、私たち歯科医療従事者が積極的に情報を発信していく姿勢がまだまだ不足していると感じています。私は医療・福祉関係向けの講演会などで口に関する情報提供を継続的に続けさせていただいていることもあり、医師や看護師、栄養士など多職種が歯科の重要性を認識されつつあり、お声かけいただくことが多くなってきました。多職種連携をさらに推進するためには、私たち歯科からその輪に入って積極的にアピールしていく必要があると思います。 宮崎県には大学医学部および公立病院に歯科・口腔外科はありますが、歯科大学・歯学部がありません。当院は病院歯科として、従来の一般的な歯科治療だけの対応ではなく、摂食嚥下リハビリテーションに特化した、新しい病院歯科を目指しています。また、地域包括ケアシステムの構築が急がれるなか、患者さんが最期まで美味しく口から食べるために、かかりつけ医師をはじめとする医療関係者との連携はもちろんですが、地域の歯科医療機関とくにかかりつけ歯科医の先生方との連携が今後ますます必要となってくると考えています。図1 摂食機能療法で介入したのべ回数。平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度※※平成27年2月末現在4,000回3,5002,5001,5003,0002,0001,0005000これからの歯科医療提供体制のあり方を考える―歯科医療従事者が活躍できる場を構築するために― 日本において少子高齢化の進展や疾病構造の変化が進む昨今、それらに対応した医療提供体制が求められています。医療連携が注目を集めるなか、歯科の役割を果たす潤和会記念病院リハビリテーション歯科(宮崎県)の清山美惠先生にお話をうかがいました。第3回:見直されるべき病院歯科の役割清山美恵 きよやま・みえ歯科医師・潤和会記念病院 リハビリテーション歯科これからの歯科医療提供体制のあり方を考えるこれからの歯科医療提供体制のあり方を考える連 載数字で学ぶヘルス これ何の数字?数字で学ぶヘルス これ何の数字?歯や口、健康に関するさまざまな数字。何の値かわかるあなたはかなりの健康通! 「酒は百薬の長」と言われますが、アルコール依存症との境界は1日のアルコール摂取23g以内であり、日本酒1合、ビール中瓶1本(500ml)もしくはウイスキーダブル1杯(60ml)です。1日3合以上の飲酒を続けると、翌日の半日は影響が残り、常習飲酒家の範疇になります。日本人の約200万人が1日5合を10年以上飲酒するいわゆる大酒家です。アルコール依存症の患者数は80万人で、現在は高齢化が深刻な問題となっています。 アルコール代謝は、9割が肝代謝で1時間に6~7gしか代謝できません。飲みすぎは肝機能障害以外にも高血圧、心不全、食道がん、胃潰瘍、膵炎、肝臓がん、糖尿病、痛風、不眠、うつ病、不安障害など、さまざまな症状を呈します。 また、おつまみは塩分が多いだけでなく、食べ過ぎてしまうことが多い理由は、肝臓は不器用でアルコールを解毒することに集中すると糖新生をさぼってしまい、低血糖となるため、食欲が亢進するからです。 これから春を迎え、歓送迎会など飲酒する機会が増えますので、飲みすぎにはご注意ください。 栗橋健夫(医師・歯科医師)Q14 80万人A14 アルコール依存症の患者数お酒は楽しく、何事も適度が大切です!参考文献1. 宇都仁惠,田中眞理子,小松冨美子.歯科専門職不在病院における看護師への口腔ケア指導の成果~口腔ケア指導前後の口腔内細菌叢の変化と使用した抗菌剤量の年次変化.日本口腔ケア学会誌2015;9(1):64-71.2. 厚生労働省.平成21年医療調査.3. 内閣府.平成25年版高齢社会白書. 私がお薦めするお店は聘珍樓です。聘珍樓は、創業130年で現存する日本最古の中華料理店ですが、私が利用するのはもっぱら溜池山王店です。 素材を厳選した料理はいずれも滋味に富み、さっぱりヘルシーです。お薦め料理は、フカヒレの姿煮や薬膳スープ(フカヒレ、なまこ、スッポン、烏骨鶏、クコ、なつめなどをふんだんに使用)、鮑と湯葉の煮込み、北京ダッグ、点心です。聘珍樓は、なんと言っても昔から調理に化学調味料やうまみ調味料を使用しないことで有名です。食の安全が問われている昨今、厳選した素材はもと食べる人の安全と健康を第一に掲げる創業130年の中華料理店 簗瀬武史先生(埼玉県開業)所在地:東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー27F/TEL:03-3593-7322/営業時間:11:00~14:30、17:30~22:00(平日)、11:30~15:00/17:00~22:00(土曜日)/定休日:日曜日・祭日/URL:www.heichin.com/shop/tameike/tameike.htmlより、調理方法へのこだわりはとても大切です。食べる人の安全と健康を第一に掲げる理念こそ、まさに130年も続いている証です。 私はプライベートだけでなく、(公社)日本口腔インプラント学会関東・甲信越支部や(公社)日本歯科先端技術研究所の会食・懇親会に利用しています。店内はゆったりした広さで50名程度の催事にも対応でき、ラストオーダーも遅いので会議や講習会の後にも便利です。ぜひご活用ください。【聘珍樓(東京都千代田区)】鮑と湯葉の煮込み。お酒は楽しく、何事も適度が大切です!お酒は楽しく、何事も適度が大切です!お酒は楽しく、何事も適度が大切です!お酒は楽しく、何事も適度が大切です!お酒は楽しく、何事も適度が大切です!お酒は楽しく、何事も適度が大切です!イラスト ほりみき

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