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- 湯田亜希子
- 山形県
[PROFILE]
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2007年 新潟大学歯学部卒業
同年 新潟大学臨床研修医
2008年 新潟大学医歯学総合病院摂食嚥下リハビリテーション学分野 入局
2009~2012年 谷家歯科(山形県)勤務
2012年~ 鶴岡協立リハビリテーション病院(山形県)研修医
2013年~ 山形デンタルクリニック(山形県)勤務
訪問歯科診療で生かす下顎義歯吸着印象法
[講演内容]
歯科訪問診療が適応となる高齢者は、全身疾患や認知症にともなう機能障害をもち、意思疎通が困難であることも多い。また体力も低下しており、些細なことから低栄養に陥りやすい。義歯が必要となる場合は、一刻も早く義歯を使用できる状況を整えることが重要である。
山形県庄内地方において、訪問歯科診療にて2年9か月の間で上下顎総義歯製作135症例を経験し、データベース化した。その結果、義歯使用率(製作義歯を使用して嚥下機能に即した食形態を経口摂取できた割合と定義)が88%となった。
総義歯製作の各過程において吸着理論を参考に歯科技工士と連携してさまざまな工夫をし、特に印象法としては、従来のコンパウンドを使用した術者主導型の印象法よりも、患者さんの残存機能を用いた患者さん主導の吸着機能印象法(にらめっこ印象法)の方が、時間にも技術的にも有利であると考える。
訪問歯科診療でも下顎義歯の吸着は可能であると考えられる。本講演ではそのための工夫を述べる。