ORAL Information 2019
2/20

QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーション20歳からの関わりが、健康的な歯並び・お口の機能獲得の土台を作る 昨今、小児矯正の分野では、幼児期から成長・発達とともに継続した管理をしていく「早期治療」が注目されています。そして筆者は、幼児期よりも以前、つまり赤ちゃんからの関わりが、さらに大事であると考えます。 産まれたばかりの赤ちゃんは、母乳やミルクを飲むときからお口を使い始めます。しかしすべての赤ちゃんが正しいお口の使い方ができるわけではありません。赤ちゃんにとって毎日の食事(母乳、ミルク、離乳食)や体を動かすといった日常生活は、口や体の使い方を学びトレーニングする場です。授乳方法や離乳食の食べ方、抱き方など、適切な方法で機能獲得へと導く必要があります。これらは、時に健康的な歯並びの形成にもつながっていきます。 当院を初めて訪れる赤ちゃんのなかには、上あごが狭い子、左右非対称の子も少なくありません。単純に考えれば、上あごが狭ければ当然歯がきれいに並ぶスペースはないわけです。適切な離乳食の指導などをとおして、本来の成長過程を獲得したケースは、実際に何例もあります。 ヒトは、成長するにつれてむし歯や歯周病といった病気の危険が訪れることでしょう。こうした疾患の第一の予防は、生きる力の基礎となる正しいお口の使い方と、土台となる骨格の成長および歯並びです。病気になりにくい土台作りができれば歯を長持ちさせ、健康的な人生を送れるでしょう。〈主な著書〉GP・小児・矯正が共に考える 実践早期治療―子どもの育ちをサポートするために―益子正範茨城県・ひかり歯科医院顎顔面口腔育成研究会所属赤ちゃん歯科ネットワーク理事歯の着色汚れはすぐ磨けば落ちやすい。頑固な着色汚れは歯医者さんで除去を! 歯の表面に付着する着色汚れの原因となるものには、お茶、コーヒー、紅茶、ワインなどの食品の成分やタバコに含まれる成分などがあります。これらの成分が歯の表面に直接付着したり、ぺリクルとよばれる歯の表面の唾液由来のタンパク質と結びついたりすると、歯がくすんで、黄ばんで見えたりする原因になります。そのため、着色による歯の黄ばみが気になる方は、歯磨き剤を使って、ていねいなブラッシングを心がけるとよいでしょう。歯磨き剤に配合されている清掃剤(研磨剤)は着色汚れを落としやすくするはたらきがあります。 着色汚れが歯面に付着したばかりのときは比較的弱い結合ですが、時間が経つと着色物質が徐々に酸化して取れにくくなります。取れにくくなった着色汚れは、日常のブラッシングだけでは取り除くことが難しくなります。むやみに強い力でゴシゴシとこすると、歯や歯肉を傷つけてしまうことがあるので、無理に自分で取り除くことはお勧めできません。 いったん強固に付着してしまった着色汚れであっても、歯科医院での専門的なケアで除去することができます。そのため、歯科医院で定期的にケアを受けることは、むし歯や歯周病の予防のためだけでなく、キレイな歯を保つためにもお勧めします。〈主な著書〉左: 「サイエンス」×「超高齢社会」で紐解く 根面う蝕の臨床戦略右: 別冊歯科衛生士 モチベーションを上げる15のアドバイス高柳篤史埼玉県・高柳歯科医院スタディーグループ歯みがき学の会代表また手で……いっぱい入れて……ちらかしちゃって……まず手づかみ食べは、口がどこにあるかを認識して口へと運ぶ協調運動です。また、口に入れる量や大きさを学んでいます。大きな食べ物であれば飲み込みにくいこの他にもいろいろなトレーニングを成長のなかで行っています。さまざまなことを学び、それがお口の使い方、歯並びやあごの形成につながっていくのです。噛み砕く必要があると認識できるようになっていきます上手に食べ物を口に入れられるように、トレーニングしているのです。歯医者さんで効果的な使い方や磨き方を教えてもらいましょう!歯磨き粉って使いすぎると歯がすり減っちゃいそう…歯磨き粉をたくさん使ったからといって歯をすり減らしたりしません!汚れや黄ばみを落とす効果のほうが大きいですヨ!フッ素がむし歯を防ぎ歯を丈夫にしたりメリットいっぱいね!!殺菌剤が歯肉炎や口臭を防いでくれます!特集キレイな歯・健康なお口は

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る