ORAL Information 2019
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QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーションP R5う蝕菌は脳内微小出血の原因となる。そして、認知症のリスクにつながる。Dr. 野村が解説! 口腔内に出血が生じた場合に、う蝕原性細菌は血液中に侵入します。歯科医院においては、抜歯やインプラントといった外科処置、スケーリング、感染根管治療など、多くの歯科治療がこれに該当します。日々のブラッシングや、場合によっては咀嚼しただけでも、う蝕原性細菌は血液中に侵入することがあるという報告があります。また、歯髄腔には血管が豊富に存在するため、露髄をともなうような重度のう蝕を放置した場合においても、う蝕原性細菌が血液中に侵入するリスクが高まると考えられます。 通常、健康な人ではう蝕原性細菌は血液中の多型核白血球などの働きによりすぐに排除されるため、大きな問題に発展することはあまりありません。脳の血管に傷害などの何らかの問題(高血圧や生活習慣病の方は要注意)があり、う蝕原性細菌が付着できるような場が存在した場合において、う蝕原性細菌が脳血管の表面に定着することになります。う蝕菌は口から脳へどうやって運ばれる?抜歯などの観血的処置やブラッシング時の出血も危険?!口腔内出血を回避しよう!う蝕原性細菌が血液中に侵入しないようにできるだけ出血を避けましょう。そして患者さんに「出血はよくない」ことを伝えましょう。口腔内のう蝕原性細菌が血管から侵入し、認知症を発症するまでの流れのイメージ。重度のう蝕歯周病(歯肉炎・歯周炎)脳深部での脳内微小出血発症S. mutansが口腔内から血管に侵入S. mutans脳内微小出血から脳内出血に発展

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