ORAL Information 2019 インプラント
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4QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーションP R図1 CT撮影データを基にシムプラントシミュレーションソフトを使用し、3D画像上で骨質、歯根、神経の位置を把握し治療計画を立てる。図2 治療計画を基に最適な位置へインプラント体を埋入するためサージカルガイドを使用し一次手術を行う。図3 長さ6mm、直径3mmなどの汎用性の高いアストラテックインプラントシステムのラインアップ。――インプラント治療を受ける患者さんにとっての「安全」とは、「長期的に機能する」ということが大前提となります。加えて患者さんの歯や口に関する関心の高まりから「審美性の回復」「侵襲性の少なさ」といった部分も求められてきていると思います。そのような要求を満たすうえで、術者側にはどのようなものが求められていると思われるでしょうか?小倉:インプラント治療に限らず、治療に臨むうえで術者には治療に関する十分な知識とそれを実行するうえで必要なスキルが最低限必要になります。知識という面でいうと、現在大学教育においては、当大学では20年以上前から講義を行っており、8年ほど前から実習を導入しています。 加えて製造元メーカーからの情報提供についても非常に重要です。メーカー側は製品を購入してもらうだけでなく、定期的にセミナー・講演会ほかさまざまな媒体をとおして正しい製品情報を発信することで、自社製品を正しく使用してもらうようにする必要があると感じます。また、メーカーの担当者によっては専門知識の有無や、入手できる情報量に差があるように感じることもあります。メーカー側も術者同様に継続した社員教育を行うことでお互いにレベルアップをすれば最終的により患者さんの利益につながると思います。もちろん、製品が信頼性の高いものであるということが必要条件になります。 そして、インプラント治療を受ける患者さんに術前の検査・診断、治療計画、予後などしっかり説明することは、インプラントを長期的に機能させるためにはたいへん重要です(図1、2)。「安全なインプラント治療」の条件とは求められる正確で信頼度の高い医療情報「安全なインプラント治療」の実現のために 2019年3月14日、独立行政法人国民生活センターは「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか―なくならない歯科インプラントにかかわる相談―」に関する報道発表を行いました。歯科界においては、安全・安心な歯科インプラント治療を広く国民に提供するために、よりいっそうの対策が求められます。 本欄では、小倉 晋先生(日本歯科大学附属病院 口腔インプラント診療科科長・准教授)に術者ならびに教育者の立場から歯科医師に求められることについてうかがいました。 (編集部)小倉 晋 SHIN OGURA日本歯科大学附属病院口腔インプラント診療科科長准教授1998年3月、日本歯科大学歯学部卒業。1999年4月、同大学歯学部附属病院インプラント診療科医員。2004年4月、同大学歯学部附属病院助手。2009年4月、同大学附属病院講師。2015年4月、同大学附属病院口腔インプラント診療科科長・准教授。現在に至る。

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