ORAL Information 2019 インプラント
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8QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーションP R編集部 FINESIAは発売開始されて以来、多くの臨床家から良好な成績と予後を得ているとの声が聞かれます。 FINESIAのインプラント体の特徴について教えていただけますか?米澤 FINESIAは現行のインプラントデザインを一新し、「長期安定性」をコンセプトに開発されました。そのため、従来のインプラントと比べて、さまざまな点において違いが考えられます。その主な特徴として、次の①~③が報告されています。①上向き溝型スレッド:荷重と骨には深い関連性があると言われています。大阪大学工学部の中野貴由教授は、骨基質であるコラーゲン線維と生体アパタイトの結晶の配向は、荷重方向により制御されると報告しています。 また、中野教授と長崎大学歯学部の澤瀬隆教授による、デンタルインプラントの荷重下における三次元的骨構造、骨細胞、配向性の解析では、上向き溝と下向き溝の周囲で異なる結果を示しており、特に上向き溝では、荷重下において連続的な応力伝達を図られることが示唆されると報告しています。 FINESIA のスレッドは、これらの結果をもとに角度を考慮し、上向き溝をつくりだすデザインに設計され、荷重応答性による骨制御が期待できると考えています。②接合部のインターナルテーパージョイント機構:インターナルテーパージョイントは、接合部の確実な封鎖とマイクロムーブメントの抑制効果が期待でき、それによりインプラント周囲の骨吸収の抑制が期待できると考えています。③テーパー型インプラントで、先端部ネジ形状とドリルの形状:FINESIAのドリルプロファイルは、ヒーリングチャンバーに血餅が滞留することを目的として、インプラント窩がインプラント体の山径と谷径のセンターに位置するように設計されています。また、テーパードタイプにおいては、先端部でより高いスレッドが付与されています。このことは特に抜歯後即時埋入インプラントにおいて、先端部で良好な初期固定を得られると考えます。 FINESIAインプラントは、インプラント治療の長期安定性を期待することができ、患者さんのQOLにつながることができると考えています。インプラント安全宣言京セラFINESIAインプラントシステム 京セラ社のFINESIAインプラントは「長期安定を目指したインプラントデザイン」を基本コンセプトとして、大阪大学工学部と長崎大学歯学部の研究を元に開発され、国内の多くの臨床家からの声を反映し製品化した。そして、現在は滋賀県の野洲工場で徹底した品質管理のもと製造されている。このメイドインジャパンのインプラントを臨床で用いて良好な手ごたえを得ている米澤大地氏、林 美穂氏、皆川 仁氏にFINESIAインプラントの特徴について伺った。 (編集部)①上向き、下向きスレッドの応力伝達方向と骨配向性の模式図。上向き溝では、荷重下において連続的な応力伝達が図られることが報告されている。米澤大地兵庫県開業:米澤歯科醫院大阪SJCD会長BLのコネクション断面写真TLのコネクション断面写真②BLとTLのコネクション断面写真。撮影:見明康雄先生(東京歯科大学 組織・発生学講座)。③FINESIAテーパーのスレッドデザイン。

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