ORAL Information 2020
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東京都生まれ。1981年 東京歯科大学卒業。1987年 ともこデンタルクリニック(東京都)開業。2019年より日本臨床歯周病学会理事長。1990年 JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)ペリオ補綴コース受講、1991年 アメリカIADS(The International Association for Dental Research)研修受講、ニューヨーク大学CDEプログラム(NYU Dentistry's Linhart Continuing Dental Education Program)卒業、2007年 ISCD(International Society of Computerized Dentistry)国際CERECトレーナーの取得など、積極的な技術や知識の習得を継続し、常に研鑽に努めている。日本歯周病学会専門医/日本臨床歯周病学会認定医/米国歯周病学会会員/日本口腔インプラント学会会員/日本インプラント臨床研究会会員/顎顔面インプラント学会会員武田朋子 特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会 理事長 いま一度、歯周治療に携わる者が患者に何を求められているかを考える歯科医療従事者、なかでも歯科医師と患者さんの関係は、直接治療を行う専門家と受け身の一般市民という、パワーバランスが偏った1対1の関係になります。特に初診だと、目の前の歯科医師が本物なのか、つまりきちんと理に適った治療をしてくれる人物なのかということもわからず不安です。急患などでは、インフォームドコンセントやセカンドオピニオンを求める間もなく口のなかを触られるということもあるでしょう。来院当日に侵襲的な治療をするのは歯科独特ですから、事後に改めて不安を感じ出す患者さんもいらっしゃるはずです。こうした関係のなかで歯科医療をやろうとすると、歯科医師をはじめ歯科医療従事者は、何を患者さんが求めて来院されるのか、どんな不安があるのかを理解したうえで診療にあたるべきであることを、もう一度肝に銘じなければなりません。特に患者さんと歯科医療従事者が互いを伴走者として治療を進めていく歯周治療では、いかに患者さんの信頼と理解を得るかにその成否が左右されます。検査診断においては、治療歴や全身疾患などを含めてより細かく患者さんの話を聴き、得た情報から適切な治療を導き出す必要があるでしょう。歯周治療は「技術、医科との連携、診断力」が三位一体にならねばならないと考えますが、患者さんから情報を聞き出す技術、患者さんから得た要望や情報、患者さんの協力度や理解度は診断に深く関係します。またインプラント治療をされた患者さんが増えるにつれ、インプラント周囲炎関連の相談も多くなっています。治療法はまだ確立されていませんが、現在のところ歯周炎と同様に対応することで維持できる場合が多いため、歯周炎に準じた対応と、必要があれば治療の限界についても説明することが、歯科医療従事者として誠実だと考えます。 なぜわれわれは集わねばならないのか医師や看護師の方々は皆、何らかの公益的な法人の運営する学会に複数入会しておられます。学会で知見や技術をアップデートし、多様な学びの場に参加することでその客観性やバランスをとることを普通にやっておられます。翻って歯科はどうでしょうか。私はまだまだ歯科にかかわる方々の、学びの場への参加が足りていないと思っています。当学会にももっと多くの方に参加していただかねばならない。われわれは国家資格を取った瞬間、十全の治療ができる専門家になれるわけではありません。臨床は、卒後延々と続くさらなる学びの場が支えていきます。卒後の臨床基礎を構築する場としてスタディーグループが負う部分は大いにあると思いますが、当学会も学びの場として選ばれる組織、参加される方に応えることのできる学会でありたいと思います。経験のある先生がたと交わり、フレキシブルで新しい知見に触れる、いつもの院内にはないそういう場をつくるのが学会です。ですからどんな職種、どんな人にも参加しやすく、そしてできるだけ多くの機会と場を設けられるよう努力しています。また情報をキャッチする能力や論文を読む能力といった、エビデンそれがひとつだけであっても学びの意味があるんです。学術大会などの機会に、新しい知識や臨床のヒントを持ち帰ることができれば。価値あるものを少しずつ積み重ねて行ってほしいですね!日本臨床歯周病学会は、2023年に設立から40周年を迎えます。武田朋子・日本臨床歯周病学会理事長インタビュー学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーション2

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