デンタルアドクロニクル 2016
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バイコンインプラントシステムその30年の歴史とデジタルデンティストリーにおける可能性123注水下毎分50回転により、インプラント窩形成時に血液を含んだ良質な自家骨が採取できる低回転ドリリングシステムでもあります。 各メーカーがデザインの改善を重ねていくうちに、わが社のデザインに近づいてきているように感じられます。バイコンインプラントはすでに完成されたデザインなのです。編集部バイコンインプラントがいかにユニークなデザインであるかよくわかりました。それでは、なぜショートインプラント(図1)にこだわって開発を続けているのでしょうか?平山ここは私から説明しましょう。バイコンインプラントシステムは1985年に8mmのインプラントが、さらに1997年に5.7mmのインプラントが誕生しました。この先はもっと短いインプラントを開発するでしょう。なぜなら、ショートインプラントがレギュラーサイズのインプラントよりすぐれていると確信しているからです。これはわれわれのリサーチデータが証明しています。編集部今後、インプラントはさらに短くなっていくのでしょうか?Morganそう思います。高い建物を建てる際にも、同じだけ地下に深さが必要になるわけではありません。インプラントも同じで、土台部分が適切に結合すれば問題はありません。現在はインプラント周囲炎が問題視されておりますが、その原因の1つとして微小動揺(マイクロムーブメント)が挙げられます。たとえば、スクリュー固定式ではネジが緩むとそれだけで微小動揺が起こりますが、バイコンインプラントでそれはあり得ません。2.CAD/CAMシステムと相性抜群のバイコンシステム平山バイコンインプラントは誕生より30年間、世界中で普及し、日本で販売開始されてからも多くのユーザーを獲得してきました。ここからは臨床家の中村先生と下田先生にもお話を伺いたいと思います。 まず、中村先生にお尋ねします。先生はバイコンインプラントを使用されて15年が経過しますが、使用を始めたきっかけや使い続ける理由、また他のインプラントシステムとの違いについて教えてください。中村私の父も歯科医師なのですが、父がすでにインプラント治療を導入しており、「バイコンインプラントはシンプルですぐれたシステム」だと教えてくれました。あの形状を初めて見たときには衝撃を受けましたね。インプラントはメインテナンスや破折したときのリカバリーが大変ですが、バイコンインプラントは作りがシンプルでまったく破折しません。これは臨床では大いなる恩恵と言えます。私はまた、早い段階からCAD/CAMシステムを院内に導入していますが、CAD/CAMテクノロジーとバイコンインプラントの相性の良さも使い続けている理由の1つです。平山ありがとうございます。次に、下田先生はバイコンインプラントを使用されて約3年ですが、最近になってその症例数も急増しているとお聞きしております。バイコンインプラントを使用し始めた理由をお聞かせください。下田私はCERECのCAD/CAMシステムを使い始めて6年になります。CAD/CAMの勉強のため2013年のIDS(ドイツで開催される国際デンタルショー)へ行ったときに平山社長と知り合いになり、バイコンインプラントを紹介いただきました。すぐれたシステムだと実感し、使い続けています。平山CAD/CAMシステムに関して、先生方は日本において先駆者ともいえる立場にあります。CAD/CAMとバイコンインプラントの相性の良さ、また現在注目されているTRINIATM(図2)についても教えてください。中村バイコンインプラントはCAD/CAMにおいて天然歯と同様の扱いができるため、新しく何かを習得する必要がなく、スムーズに日常臨床へ取り入れることができます。これがまず1つの利点です。一方、インプラント治療においてセメント固定をする際に必ず問題となるのが余剰セメントです。歯肉縁下にマージンを設定し、オールセラミックスバイコン社の新製品・Universal Abutment(日本国内未承認)。図1 バイコンショートインプラント。図2 TRINIA™(ディスク)アイボリー(㈱松風より販売)。3.0×6.0mm5.0×6.0mm6.0×6.0mm4.0×6.0mm4.5×6.0mm

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