デンタルアドクロニクル 2016
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特別インタビュー124の修復物をレジンセメントで接着すると、はみ出したセメントが歯肉縁下に及ぶことがあります。しかし、バイコンインプラントの場合は製作の前に、アバットメントに前もってセメントがない状態で修復物を装着したり、一度装着した状態でアバットメントを外してセメントをクリーニングし、また装着し直すことができたりするので、余剰セメントによるインプラント周囲炎のリスクがなくなります。 また、バイコンショートインプラントは、下顎管に近接している症例でも安全な処置を行うことができます(症例1)。安全であることは、インプラント治療において絶対的な条件であると考えています。平山下田先生はいかがですか。下田私も日常的にCAD/CAMシステムを使用しておりますが、バイコンインプラントは、他のインプラントシステムでは必要となるスクリューがなく、総じて厚みがなくなるため、オールセラミックス修復の特性をより生かすことができると実感しています。スクリュー固定と異なり、初期固定が不要であることが外科手技を容易にしたり、他のインプラントシステムと比べて適用範囲を大幅に広げられることがメリットだと考えています。 「ショートインプラントなので、サイナスリフトをする必要がなくなり、低侵襲の手術が可能です」と患者さんに説明できる点も非常に気に入っています(症例2)。以前は術後に患者さんの顔が腫れて「インプラント手術なんて受けなければよかった」と言われたこともありましたが、今ではそれもなくなりました。バイコンはガイドを用いたドリルシステムも充実していますから、より安全な術式でインプラント治療を行えると考えています。3.期待される新素材TRINIATM編集部Morgan先生、新素材TRINIATMについて社長の立場からご紹介いただけますでしょうか。MorganTRINIATMはメタルフリー補綴を可能にする画期的な製品で、CAD/CAMデンティストリーにおいてあらゆる金属素材にとって代わると考えています。なぜなら、TRINIATMは破折にも強く、さまざまな利用方法が考えられるすぐれた素材だからです。下田TRINIATMは従来のジルコニアよりも非常に軽く、適用範囲も広いと考えています。特に4×5mmサイズのインプラントを4本埋入すれば、無歯顎症例にも対応できますし、その上部構造としてもすぐれています。 超高齢社会を迎えた日本で、しっかり噛める口腔機能をバイコンインプラントとTRINIATMで実現できると確信しています。編集部Morgan先生、平山先生、中村先生、下田先生、本日はどうもありがとうございました。改めて、バイコンインプラントの誕生30周年のお祝いを申し上げます。症例2 ショートインプラントを用いて上顎洞底挙上を避けた症例。上顎骨が2mmの症例において歯槽骨アプローチで手術を行った。症例1 下顎管に近接している症例。ショートインプラントを用いることで、骨内からの逸脱や下顎管損傷を回避できる。また、上部構造とアバットメントを接着した後のセメント除去を確実に行える。iBicon NETWORK FORUM & BICON 30th ANNIVERSARY:2015年11月東京アメリカンクラブにて開催。特別インタビューに列席された4名の先生方で記念撮影。左から中村先生、Morgan先生、平山先生、下田先生。

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