デンタルアドクロニクル 2016
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68 特別座談会少することも考えられますので、小児歯科医も悪くはないと思いますがいかがでしょう? そして小児に対して正面から治療に取り組み、質の高い治療を提供してあげるということから「High Quality Treatment for Children」をめざしていきませんか?安田 先生のお話を聞いていて、子どもに対する注意の仕方、さらには保護者に対する注意の仕方は似ていますよね。私もそう思っています。関 患者さんの訴えに対して優しく耳を傾け、復唱してあげることで、子どもに限らず、大人の患者さんでも理解と安心が得られやすいと感じています。そういった意味でも「High Quality Treatment for Children and Everyone」なのでしょうか。今里 「PRGバリアコート」をう蝕の予防目的で使われているようですが、再石灰化と予防で比率的にどちらのウェイトが大きいですか?関 隣接面や歯頚部などのホワイトスポットの再石灰化はかなり期待しています。安田 では、最後に須貝先生お願いいたします。高齢者歯科医療の新しいニーズ須貝 私は川崎市で開業していますが、以前の川崎のイメージとは変わってきていて、工場などはどんどん移転して、その跡地に高層マンションが立つといったように、今は新興住宅地といったほうがよいのかもしれません。それによって当医院の患者さんの年齢層も変化してきて、高齢者が多くなってきました(図S3-1)。日本の全体のデータと比べてもほとんど一緒です。今、日本は超高齢社会に突入していて、65歳以上の人口の占める割合が25.8%です。先進国である米国(14.3%)やイタリア(21.5%)と比較してもかなり高い割合で、興味深いことに高齢社会から超高齢社会、すなわち65歳以上の高齢者が人口の20%を越えるのにわずか13年しかかかっていません。そのような状況ですので、私の診療所も高齢の患者さんが増えてきているのは当然のことなのかもしれません。図S3-1 須貝歯科医院の年齢別患者割合。図S3-2 「子どもたちを健全歯列に導くためのコツ」(クインテッセンス出版刊)。図S3-3①~③ すべての歯が揃った元気な高齢者の口腔内。図S3-4①~③ 根面う蝕への対応。診療室ではS-PRGフィラー配合のコンポジットレジン「ビューティフィル」を使用するが、訪問先での治療には一般のコンポジットレジンではなく、松風の「ハイ-ボンド グラスアイオノマーF」を使用している。0~6歳8%7~12歳8%19~30歳10%31~45歳16%46~60歳22%61~70歳19%71歳以上19%13~18歳4%

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