デンタルアドクロニクル 2016
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7777The KND Storyで訪れたほどだった。 当初は衣料分野を中心に用途展開を進めたビニロンだったが、現在ではアスベスト代替のセメント補強材やアルカリ乾電池のセパレーターなど、産業資材用途で展開している。●世界で初めてが、続々と。食品パッケージにも、ランドセルにも、クラレの素材が。 ビニロンで初めて結実した「独自技術へのこだわり」は、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という言葉で、今もクラレの中に息づいている。ビニロンの原材料となる、これももちろん世界で初めて事業化されたポバールという樹脂も、現在世界シェアトップとなっている。ポバールは水溶性が特徴の機能性樹脂で、たとえば文房具として使われる液状のりの主成分はポバールである。ビニロンはこのポバールを繊維にしたもの。その他にもポバールはフィルム状に加工され、液晶ディスプレイに不可欠な偏光フィルムのベースフィルムとしても活用されている。さらに、最近人気のある個包装タイプの衣類用洗剤にも、このポバールフィルムは使われている。水には溶けて、内容物である液体洗剤には溶けないというこの特性はポバールだからこそ両立させられるものである。 さらに、1972年に世界で初めて事業化されたエチレンビニルアルコール(EVOH)樹脂「エバール」にも注目したい。これは酸素を通しにくい性質(ガスバリア性)をもつ樹脂であり、食品のパッケージに使用することで賞味期限を伸ばす働きをする。かつて、ケチャップやマヨネーズのパッケージはガラス瓶であったが、「エバール」が登場したことで現在のような樹脂パッケージへの置き換えが進んだ。現在でもEVOH樹脂では世界トップシェアである。 また、ランドセルでお馴染みの人工皮革「クラリーノ」も知名度の高い製品である。人工皮革も世界初で、なおかつ世界トップシェアの製品であるという。 クラレは、ミラバケッソ(未来に化ける新素材)を生み出し続けてきたスペシャリティ化学メーカーであり、その独創的な技術から生まれた世界ナンバーワン・オンリーワン事業の売上高は、現在グループ全体の約半分にも達している。 このような独自技術へのこだわりから、本誌読者ととくに関連の深い歯科材料に関しても革新的な製品を生み出してきた。光重合型レジンを国内で初めて市場に投入したのも、まさにクラレであった。●接着性モノマーを軸に、歯科界でもシェアトップの製品を次々に。 クラレにはさまざまな社内カンパニーがあり、歯科材料はそれらのうち「機能材料カンパニー」に属している。クラレは、化学を中心に多くの事業領域をもつ。中でも歯科材料分野は国内外で高い競争力を誇る製品が多くあり、クラレとしても重視している領域であるという。歯科事業の始まりは無痛治療システム「GK-101」から始まった。1970年頃クラレは歯科事業への参入を決定し、当時米国で開発された▲ビニロン織物展示即売会に訪れた吉田 茂首相(手前右から2人目)。▲包装資材に「エバール」を使用した食品。▲無痛治療システム「GK101」。

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