デンタルアドクロニクル 2016
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92JAID特集   今回は昨年のJAIDの活動の中から「英語論文抄読会」と「書籍製作活動」について報告したいと思います。それぞれ近年、毎年継続して行っている活動内容になります。英語論文抄読会 「英語論文抄読会」は、日本全国からたくさんの先生方にお時間を作っていただいて行いますので、年に数回しか開催できないという時間的な制限はあります。 その中で、普段当然のように行っている基礎的な治療内容からインプラントなどのアドバンス的なことや最新の文献までできるだけ幅広く網羅できるように論文選択を行っています。毎回2日間で約15編の論文を読んでいくことになります。どの分野においても英語論文を読むにはいくつかの重要なことがあります。まずは、「英語に慣れる」ということがあります。日本で生活している状況では、英語に触れるような環境にはほとんどないことは当然だと思います。そのような中で、できるだけ効率的に効果的に英語論文を読んで理解していただくということをいつも念頭に入れています。実際には論文で使われている単語、用語は意外と似たようなものがよく使われます。しかし、それはある程度の数の論文を読んでいかないと容易には気づくことはできません。そこで、英語の訳を解説することだけに集中するのではなく、頻出単語や論文の構成などの解説も織り交ぜることで、次の機会に他の論文を読みやすくなるようにお手伝いしています。 次に「抄読に適した論文を読む」ということです。出版されている英語論文は数多くあります。その中から論文を読んで得られた知識をどこに活かしていくかということは、読む人それぞれの立場によって異なると思います。一般開業医が主体のJAIDにおいては、その後の臨床に役に立つものがやはり重要なことであると思います。 そして応用的なことになるのですが、過去に出版されている論文を読むことで、その内容に触れ理解し、将来的にはJAIDの先生方の豊富なデータをまとめて独自の原著論文を国際学術誌に投稿するということも目標にしています。そこへつながることとして、「書籍製作活動」があります。書籍製作活動 「書籍製作活動」としては、2014年に、『オーラル・インプラントリハビリテーション・シリーズvol.1 側貌分析・分類およびトレーニング編』という書籍を出版しました。本書は、インプラント支持全顎補綴装置を用いた顔貌改善への対応という観点から製作されました。「インプラント埋入即時プロビジョナルレストレーション」装着期間中の筋機能回復トレーニングを行うことで、咀嚼力、表情筋、唾液分泌、舌の動きなどに大きな改善が見られるということに着目したものです。 さらに2015年は、『オーラル・インプラントリハビリテーション・シリー森本太一朗(Taichiro Morimoto)2004年 九州大学歯学部卒業2004年 米国ロマリンダ大学歯学部インプラント科留学2010年 マスター(MSD:MASTER OF SCIENCE IN DENTISTRY)取得2015年 森本歯科 院長英語論文抄読会と書籍製作活動

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