デンタルアドクロニクル 2017
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126        大信貿易株式会社高橋恭久(Yukihisa Takahashi)Academy for Oral Science代表1998年日本歯科大学大学院卒業 歯学博士2002年ITIスカラー留学 アメリカ・コネチカット大学ヘルスセンター補綴科2005年ITI ワールドシンポジウムドイツ ミュンヘン大会Award 受賞2009年~鶴見大学歯学部口腔顎顔面インプラント科非常勤講師2010年~韓国・Kyung Hee大学顎顔面口腔インプラント科非常勤講師図1 PRAMA RFと天然歯との比較。生物学的形成テクニック(BOPT)とは?編集部 スウェーデン&マルティナ社(イタリア)より新しいネック形状を持ったPRAMAが誕生しました。生物学的形成テクニック(BOPT)を応用したPRAMAとは一体どのようなインプラントなのでしょうか。高橋 PRAMAを説明するにあたって、はじめにBOPTについてお話しします。BOPT(Biologically Oriented Preparation Technique)とは、イグナチオ ロイ氏(Ignazio Loi、DDS、MD;現在イタリア、カそして、15年に及ぶ臨床成果から、BOPTは前歯と臼歯のどちらでも歯冠周囲軟組織の安定性の維持に有効であることを示しました。垂直的形成法であるBOPTは水平的形成法に比べ、テンポラリークラウンによるリマージングやクラウン外形の製作も簡便・迅速に行える方法であり、歯冠に対する歯肉封鎖や細菌の侵入に対しても有効性が高いとされています。そして、BOPTを応用した革新的なインプラントとしてPRAMAが誕生し、インプラント補綴の新たなアプローチとして世界で注目を集めています(図1)。グリアリにて開業)によって提唱された歯周病学的に健康な天然歯の歯冠修復に関する新たなアプローチです。一般に、固定性補綴修復物のための支台歯形成はさまざまな方法で行われています。1つはシャンファーやショルダーなどはっきりとしたマージンを付与した水平的形成法、そしてもう1つはフェザーエッジなどの垂直的形成法の2種類が存在しています。垂直的形成法は、もともと歯周疾患により歯周外科手術を施した歯に対して用いられるものでしたが、ロイ氏はこれを健康な歯周組織を持つ歯に対しても行ったわけです。生物学的形成テクニック(BOPT)を応用したPRAMA (スウェーデン&マルティナ社) がもたらすインプラント補綴の新たな可能性図2 双曲線形状のネック部が特徴のティシューレベルインプラント。φ3.8φ4.25φ5.0図3 粘膜貫通部の革新的デザイン。アバットメント接合部はφ3.4で統一。φ3.8φ4.25φ3.4φ3.4φ5.0

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