デンタルアドクロニクル 2017
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  セミナーも器材も安さではなく  内容のよいものを選ぼう7 特別座談会古谷野●ここにお集まりの先生方は経験も豊富で目も肥えているからよいでしょうが、たとえば新製品がでたときの見極めを若い人がうまくできるためのヒントはありますか。岡口●私がインスツルメンツの良し悪しを見るときには、顕微鏡で1つひとつすべてチェックします。同じものでも何本か用意してもらい、そのなかから最良のものを選びます。メーカーによっては、半数くらいだめということもありますが、マーチン社はすべて大丈夫です。ハンドメイドですから、拡大してみると一目瞭然ですね。患者さんに使用するものですから、選ぶのはいつも慎重です。中田●若手を想定して私がセレクトしたマーチン社の「歯周形成外科キット」ができました。さんとアイデアを出し合い、手術に必要なインスツルメントがそろい、非常にコストパフォーマンスに優れるセッティングが組めました。若い先生にも「これは手頃だけど、しっかりした製品だからいいよ」と勧めることができます。こういった、「まずはここから」という製品を提供してあげる努力をすることも、われわれには必要だと思いますね。瀧野●私たちのグループで愛用している「JIADSキット」もマーチン社製ですが、マーチンはクオリティが高いですよね。多くの先人たちが使用されてきたロングセラーで信頼性の高いセットですが、JIADSキットもバージョンアップの最終段階です。テクニックが進化していくよりも早く、先回りして製品を改良しておく必要があります。それに応えてくれるのがさんのすばらしいところだと思います。茂久田●ありがとうございます。いつまでも「終わりのない、改良改善の旅」を患者さん、先生方とともに歩んでいきたいと望んでいます。古谷野●先ほど茂久田社長から、10年スパン、変わらないものの良さ、信頼性という話がありました。一方で、歯科医療の進歩や発展においては、インプラントもそうですが、新しいものを積み上げてきた面もあろうかと思います。先生方は、昔からある製品と、新しく登場した製品の取捨選択はどのようにされているのですか。瀧野●僕はわりと新し物好きで、いろいろな製品を試用してきました。うまくいかないことも多々ありましたが、とにかく自分でやってみないと気が済まない性格で、いろいろな種類のものを使ってから初めて納得するのです。そのなかでもとくに良いものは定番のロングセラーとして残りますし、自分自身でもずっと愛用し続けています。中田●使ってみて初めてその特徴がわかるのは実感します。そして、その製品の良いところや改良すべきところが見えてきます。瀧野●製品選びは慎重であるべきですが、若い先生が新製品の良し悪しを見極めるとき10年待っていたら遅いですから、信頼できる先生の使用感を聞いたり、ある程度のエビデンスが整った時点で導入されるといいかと思います。古谷野●よい製品を使うことで、大きな自信と、よい臨床経験を得る。そうして自分の技術が早く上達し、さらによい製品が欲しくなり、試し、使いこなせるようになるという繰り返しが、エキスパートの築いてきた道なのでしょうね。42

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