デンタルアドクロニクル 2017
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70クラレ ノリタケ デンタル株式会社適合精度を追及した3Dプリンター有川 ここでは2つお話しをお伺いしたいと思います。ひとつは歯科医療の2017年のトレンド、もうひとつは先生にもお使いいただいております弊社のジルコニアについてお聞きできればと思います。 まず2017年のトレンドについてはどのようにお考えでしょうか。山﨑 私は補綴における学問的な原理・原則の追及は1970年~1980年代で終わっていると思っています。では、これからどこにいくのかというと、デジタル化だと思うのです。2017年も含め、これからの補綴学はデジタルとのコンビネーション、あるいはコラボレーションで進んでいくことは間違いないと思います。有川 現在、歯科におけるデジタルというと、ひとつは当然CAD/CAMが挙げられます。それと同時に、エックス線やコーンビームCTなど、さまざまなものがデジタル化されてきています。山﨑 そうですね。今後は歯科治療の流れがすべてデジタル化していくという形になっていくのでしょうね。 デジタル化によってさまざまな意味で歯科技工士さんに頼りきっていたところが、ある程度少量化、省略化ができるとも言われていますね。有川 また、最近ですと特に3Dプリンターが注目されています。クラレノリタケデンタルでも、2017年から3Dプリンターのサービスを提供するのですが、こちらに対してはいかがでしょうか?山﨑 本音を言えばこれまでの3Dプリンターは、私としてはまだまだクオリティ的に疑問がありました。ただ、今現在は私が信頼していない3Dプリンターに対して、クラレノリタケデンタルがどのような対応をしてくるのかは興味深いですね。有川 3Dプリンターを扱ううえで、やはりもっとも問題になるのは適合精度だと思います。そのため、精度面での評価の高いガルバノレーザー方式という硬化方式を採用しました。通常は硬化時間を早くしたいという理由からプロジェクターの光を当てるのですが、それではどうしても適合精度が犠牲になってしまいます。作業時間は短いものの、精度はどうしても劣ってしまうということですね。ですが、われわれは最終的には最終補綴物にまでこれを展開できればと考えていましたので、適合精度にこだわることにしました。山﨑 ひとつ質問したいのですが、従来の3Dプリンターは、どうしてもマージン部の目が粗いのが気になるのですが、そこのクオリティはどうなのですか?有川 非常に良いです。これには先ほどのガルバノレーザー方式だけではなく、硬化する樹脂にも理由があります。従来はたとえば光をできるだけ拡散させて広く硬化させるようにするのですが、この樹脂はピンポイントで、その部分だけをしっかりと硬化させるように考えられています。ガルバノレーPart 2 2017年のトレンド有川清之山﨑長郎

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