デンタルアドクロニクル 2019
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100JAID特集   今から20数年前、上野で開催されたDennis. G. Smiler先生(米国・ロサンゼルス在住、顎顔面外科医)のサイナスリフトに関する研修会に参加した。Smiler先生から「何か質問があるか?」と尋ねられた際、「サイナス、難しい、一般開業医には・・・」と拙い英語で答えたのを憶えている。その時、先生は「2ヵ月後にロサンゼルスで研修があるので来てみなさい」と誘っていただいた。その言葉をきっかけに、静岡の青木俊明先生とともに初めてロサンゼルスに飛び立ったが、現地では会話も覚束ないなか、次回こそは少しでも語学も治療技術も練磨できるようにと心に誓って、一所懸命に学んだ。 同じ時期に、故・保母須弥也先生と出会い、鈴木仙一、脇田雅文、佐藤明寿、そして清水藤太先生(ロサンゼルス開業)とも出会った。皆で海外との接点を探り、日本に新しい知識を持ち込もうと多くの仲間とともに挑んだ。海外に行く前には訊きたい内容を調べて、何を勉強するのか、臨床の場にどう活かすことができるのかなどを徹底的に話し合った。保母先生から昼に英語論文が届き、夕方には「読み終えましたか?」と連絡があったときには、“これが世界で活躍される先生たちの勉強の速度か”と驚いた。その後、清水先生の指導のもと南カリフォルニア大学アジアパシフィックセクションの設立に携わり、海外の友人が増えるなか、次第に自分自身の変化を認識するようになった。 今回、ドイツ・ベルリンでのクインテッセンス出版創立70周年記念大会にて講演をすることになった。これは、今までの努力と多くの仲間の助けがあったからだと思う。クインテッセンス出版創立70年記念大会クインテッセンス出版創立70周年記念大会会場の様子。開幕の挨拶をするドイツ・クインテッセンス社のHaase会長。大会初日後に行われたパーティにて佐々木会長を囲んでJAIDメンバーと記念撮影。記念大会で講演する鈴木仙一氏。記念大会で講演する筆者。鈴木氏とともに質疑応答に対応する筆者。

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