デンタルアドクロニクル 2019
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14巻頭特集1-5健康長寿社会の実現に向けて、それぞれのライフステージで歯科ができること 高田兄弟歯科・矯正歯科は、高田3兄弟が経営する小児歯科・矯正とペリオ・インプラント分野を得意とする愛知県の歯科医院で、今年の6月に開業10年を迎える。開業前、長兄で院長でもある竜一郎先生が小児矯正専門の医院に勤務していたことから、小児矯正を医院の中軸に据えている。現在の医院は、もともと3兄弟の実家を改装したというから驚きである。1階は受付のみで、2階は小児歯科と矯正、3階はペリオとインプラント、マイクロスコープ治療として区分けしている。名古屋の3兄弟が目指す、理想的な健康長寿社会の実現とは――竜一郎先生:わたしたちの医院の名前には「兄弟」という文字が含まれています。この医院を開業するまでに歯科医療を学びながら感じていたのは、その進歩や発展するスピードの速さです。数十年前と比較して医療機器はもちろん、治療方法もはるかに進歩しています。1人の歯科医師ですべてを担える時代ではない、というのがわれわれ兄弟の一致する考えでした。兄弟だからこそ、治療方針などについて徹底的に議論することができます。 分野についても、歯周病、口腔外科、顕微鏡歯科など細分化が進み、それぞれの分野に学会が存在します。専門性を高めようとすればするほど、1人では限界があります。「兄弟3人が協力し合うことで、1人では成し得ない最高の治療を届けたい」、そのような想いから高田兄弟歯科・矯正歯科と名付けました。真吾先生:成人矯正では歯を抜いてスペースを作ってキレイに歯を並べるのに対し、小児矯正では矯正する歯の動きに顎の成長もついてきてくれますので、永久歯に生え変わってから歯を失うリスクがかなり軽減されます。小学生の間、ずっと子供に矯正器具を装着させなくてはならないと考える親御さんもいらっしゃいますが、「当院では初期と仕上げの時期に装着し、つねに装着しているわけではない」と説明しています。小児矯正を行うタイミングは上下の前歯4本が生え変わった時、つまり7~8歳です。この段階は顎骨の成長が著しい時期で歯を側方に移動しやすいため、Ⅰ期治療(小児矯正治療)がスムーズに行えます。小児のうちから歯列を拡大しておくと、将来的に出てくる永久歯のスペースを確保できます。これでⅡ期治療(仕上げ矯正治療)が軽度になるのです。高田兄弟歯科・矯正歯科では、このⅠ期治療を重視しています。 中学生から矯正を行う場合は上下左右の4歯を抜去することを前提に治療を進めますが、そのデメリットとして、中学生の時点ですでに最大歯数が24本になってしまいます。短縮歯列では舌のスペースも小さくなり、中高生では後戻りや保定をさぼったりとリスクが高くなってしまうのです。永久歯は小児矯正から高齢者歯科までを幅広くカバーする.高田兄弟歯科・矯正歯科が目指す健康長寿社会左より高田智史(たかだ・さとし)次男/担当:歯周治療、インプラント、マイクロスコープ治療高田竜一郎(たかだ・りゅういちろう)長男/担当:矯正歯科、小児歯科高田真吾(たかだ・しんご)三男/担当:矯正歯科、小児歯科Dr. Satoshi TakadaDr. Ryuichirou TakadaDr. Shingo Takada

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