デンタルアドクロニクル 2019
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被せ物が割れるセラミックなどの白い陶製の被せ物が割れやすくなる。詰め物が取れる詰め物の周りの歯が崩れたり欠けたりして不潔に。ときには詰め物が取れてしまうことも。細菌感染被せ物とのあいだにできた隙間から細菌が入って炎症が起きやすくなる。歯が割れる被せ物をかぶせた歯が強い力に耐えられず破折しやすくなる。筒井昌秀ら『包括歯科臨床』(クインテッセンス出版)をもとに改変作成被せ物にすき間歯が傷み、被せ物とのあいだにすき間ができ不潔に。ときには被せ物が外れてしまうことも。17162019年1月号p008-021_nico01_tokusyu.indd 172018/12/12 13:39毎号テーマを変え歯科の今をリポート! ニーズにこたえるわかりやすい説明! 患者さんと歯科医院の笑顔をつなぐ歯科情報誌A4判変型64ページ※ダウンロードには誌面に掲載されるパスワードの入力が必要です。1部定価本体1,600 円(税別)待合室で、チェアサイドで愛されて12年歯科専門誌の信頼と安心を待合室の患者さんに!充実の特別企画エンタメからマジメなお話までさらにパワーアップした特集治療説明の勘どころがバッチリ納得と安心をお届けします! 特集と連動した「付録カード」のダウンロードサービスが大好評!(無料)付録カード2019年月号1監修:東京都・青木歯科院長/東北大学大学院非常勤講師/ICOM-Japan副会長 青木 聡自己暗示や心理療法歯ぎしりが減るイメージトレーニング。習慣や癖を直す睡眠の質を上げる。生活習慣を見直す。噛み合わせを修正するマウスピースを使う。矯正治療を受けるなど。永田和裕「the Quintessence」(2011年11月号)をもとに改変作成快眠で歯ぎしりを減らそう!マウスピースで歯とあごを守ります!夜間に装着していただいたところ、力のかかりかたが修正。症状が改善しました。さまざまな検査をし、患者さんのお口の模型を元にマウスピースを製作しました。噛み合わせが深く、激しい歯ぎしりが加わって顎関節症になった患者さんです。噛み合わせのズレを解析。自己暗示にかける方法です。布団に入るときに、スヤスヤ気持ちよく眠っている姿をイメージしながら「歯ぎしりをしない」と繰り返し自分に語りかけます。簡単な方法ですが意外に効果があります。就寝前にイメージトレーニング!3つするのが効果的!歯ぎしりによる被害寝床でスマホいじり、やめましょうスマホのブルーライトは脳を興奮させ不眠の原因に。寝る前のゲームも我慢を!飲んだ当初は眠くても、数時間すると脈拍が上がり眠りが浅くなってしまいます。深酒は逆効果です飲酒はほどほどに暑すぎず寒すぎない布団、高すぎない枕で快眠のための環境を整えましょう。気持ちよく眠れる快適な寝具を一日の終わりには、ゆったりと湯船につかり心身ともにリラックスしましょう。ぬるめの湯船にゆったりと息が苦しい睡眠時無呼吸症と、胸やけがつらい逆流性食道炎。眠りが浅くなりますので、ぜひ治療を。睡眠時無呼吸症と逆流性食道炎の治療を定期的メインテナンスで歯を守りましょう!歯ぎしりで傷んだ歯を大切に使っていくために、定期的にメインテナンスを受けむし歯や歯周病を防いでいきましょう!どうやって減らす 歯科治療で改善歯ぎしりを減らすp065-066_nico01_appendix.indd 662018/12/12 10:37監修:東京都・青木歯科院長/東北大学大学院非常勤講師/ICOM-Japan副会長 青木 聡付録カード2019年月号1睡眠中の歯ぎしりは、日中に受けたストレスを発散し、脳とからだを健康に保つ大切な行動。でも、ときにはその強い力が歯を傷めてしまう場合があるので、油断大敵なんです!悪い歯ぎしりの兆候チェックリスト!詰め物がよく取れる。朝起きるとあごが痛かったりだるい。知覚過敏になりやすい。歯がすり減っていたり、欠けたり割れたりしたことがある。歯の根元が楔くさび状じょうに欠けている。上あごの真ん中あたりや下あごの歯の内側の骨が出っ張っている。頬の内側や舌に歯のあとがついている。強い食いしばりで目が覚めることがある。知覚過敏の原因に欠けるむし歯や知覚過敏の原因にヒビ歯根の先が圧迫されて溶ける歯髄炎を起こしやすいすり減る知覚過敏の原因にあごの骨が隆起して外骨症にあごの骨が過剰な力を受けて溶ける歯周病の進行が加速しやすい被せ物が割れるセラミックなどの白い陶製の被せ物が割れやすい細菌感染被せ物とのあいだにできた隙間から細菌が入って炎症が起きやすい歯が割れる被せ物をかぶせた歯が強い力に耐えられず破折しやすいじつはこんな悪さをするのです!汚れが溜まりむし歯に。知覚過敏にも力のかかる場所が傷んで楔状に欠ける詰め物が取れる詰め物の周りの歯が崩れたり欠けたりして詰め物が取れやすい歯に悪い歯ぎしりってどんな悪さをする 歯を横にずらしたとき犬歯が当たり、前歯や奥歯は離れて歯を傷めにくい、よい歯ぎしりもなかにはあります。上下の犬歯がガチっと噛み合う隙間ができてこすれない!筒井昌秀ら『包括歯科臨床』(クインテッセンス出版)をもとに改変作成被せ物にすき間被せ物とのあいだにすき間ができ不潔に。外れてしまうこともp065-066_nico01_appendix.indd 652018/12/12 10:37 ここはお口の中の歯ぐきの上。ミクロの世界では、免疫の軍隊が細菌に対する防衛ラインを築いている。* * * 私はマクロファージ少尉、歯し周しゅう防ぼう衛えい軍ぐんの小隊長だ。歯ぐきはボディ(からだ)と外敵である細菌がせめぎ合う最前線。ボディの指令を受けたわれわれ免疫の兵士が歯ぐきに常駐し、国境線の守備にあたっている。 歯ぐきの丘には地平の果てまで続く無数の監視塔が築かれ、細菌たち わが小隊は「細菌呑のみくだし隊」。通称「ゴックン隊」と呼ばれ、細菌たちをひと飲みにして倒す強力な部隊だ。ブラッシングストームをかいくぐって国境線を突破してきた細菌がいても大丈夫。私の指揮するゴックン隊が素早く排除する。歯ぐきの防衛は完璧だった。そう、半年前にボディが油断をはじめるまでは――。 半年前、ボディの仕事が急に忙しくなった。そのため、いままで何回も行われていたブラッシングストームの回数が減り、やがて攻撃時間も短くなった。そして先月からだ。敵の細菌集団がにわかに勢いづいてきたのは。 防衛ラインを突破してくる敵の数が日に日に増えている。明らかにやつらの武装が強化され、一糸乱れぬ統制の取れた動きをするようになってきた。異変に気づいたボディはブラッシングストームを元のように何回も行うのだが、基地を壊しきれない。「ちくしょう、いったい何だってんだ!?」。万全だった歯ぐきの防衛体制に陰りが見えはじめた。ににらみを利かせている。監視塔からは、対岸の歯の表面につくられた敵の基地が一望できる。といっても、監視塔と敵の基地とは、ほんのわずかな距離しか離れていないのだから当たり前だが。 細菌たちは昼夜休むことなくこちらににじり寄ってくる。放っておくとひと晩で歯ぐきの丘への上陸を許してしまう。だからボディは毎日ブラッシングストーム攻撃を行い、敵の前線基地を破壊している。しかし、いくら破壊しても翌日には元に戻っている。しぶとい奴らだ。 歯と歯ぐきのあいだにある隙間(歯し肉にく溝こう)には、マクロファージなどの免疫細胞が巡回しています。彼らは、細菌が歯ぐきからからだの内部へ入り込むのを食い止める役目を担っています。 しかし、歯の表面に付着しているバイオフィルム(プラーク=細菌の塊)は、巨大で粘着質なため、免疫細胞が排除することはできません。ですから、毎日のブラッシング(歯みがき)による物理的な破壊が必要となります。 ブラッシングが十分でないと、みがき残したバイオフィルムは分厚く固くなり、病原性が高まります。すると、歯ぐきに侵入を試みる細菌の数が増え、免疫の防衛ラインを徐々に突破するようになります。そして歯肉溝は深くなり、歯周ポケットになっていくのです。歯ぐきは細菌との戦いの最前線。歯周戦線異状あり!解 説歯ぐき歯ぐき歯し槽そう骨こつ歯周ポケット歯バイオフィルムバイオフィルム細菌群マクロファージ40p039-046_nico01_interest.indd 402018/12/12 14:24 歯周防衛軍司令部での作戦会議。司令官が諜報部の報告を読み上げている。「細菌集団のなかに国際テロリストグループ『レッドコンプレックス』のメンバーが確認された」 どうやら細菌どもに名うてのテロリストグループが合流したらしい。レッドコンプレックスは極悪非道なだけでなく、頭も切れるインテリで知られている。だからやつらの装備や動きが変わったのだ。烏合の衆だ みがき残されたバイオフィルムは、病原性が高まるとはいえ、悪玉菌のいるバイオフィルムほどの病原性はなく、深刻な歯周病を起こすことはありません。しかし、「レッドコンプレックス」という悪玉歯周病菌種がいると、病原性が激しく高まります。 レッドコンプレックスはポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)とトレポネーマ・デンティコラ、タネレラ・フォーサイシアの3菌種から成ります。 もっとも病原性が高いPg菌は、18歳以降に唾液感染します(歯周病はうつります!)。感染してもしばらくは病原性を発揮せず、ブラッシング不良が長く続くと、やがて歯ぐきに炎症が起きます。このとき歯ぐきから出る炎症性のたんぱく質を栄養にしてPg菌は増殖し、バイオフィルムの病原性を高めます。歯周病をうつされないよう、歯みがき嫌いの人とのおつき合いは慎重に。悪玉菌の存在で病原性が上がる!細菌砦の三悪人解 説悪玉歯周病菌レッドコンプレックス1ポルフィロモナス・ ジンジバリス2トレポネーマ・ デンティコラ3タネレラ・ フォーサイシア仲介菌善玉菌悪玉菌2019年1月号41p039-046_nico01_interest.indd 412018/12/12 14:24免疫VS細菌の知られざる戦い歯周ポケットの中の戦争私たちのお口の中では、有害な細菌の侵入を防ぐために、からだの免疫が日夜戦いを繰り広げています。なかでも歯ぐきは、免疫と細菌の戦いの最前線。歯周病になったときに最初の戦場となる場所です。歯周ポケットを舞台にした、免疫と細菌の知られざる戦いをお伝えします。イラスト 大久保ナオ登/有村 綾特別企画文 天あま野の敦あつ雄お大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室 教授2019年1月号39p039-046_nico01_interest.indd 392018/12/12 14:24982019年1月号p008-021_nico01_tokusyu.indd 92018/12/12 13:39イラスト みずうちさとみ/佐々木 純朝起きたとき、「なんだかアゴがくたびれてるなあ」と、感じたことってありませんか?就寝中の歯ぎしりは、日中に受けたストレスを睡眠中に発散して、脳とからだの健康を保つためのとても大切な行動。でもなかには、強い力で歯を削ったり揺さぶったりして重大なトラブルを起こす歯ぎしりもあり、油断大敵なんです!歯の天敵歯ぎしりにご用心東京都 青木歯科院長東北大学大学院非常勤講師国際咬合医学研究会 日本支部(ICOM-Japan)副会長青あお木き 聡さとし詰め物が取れた、被せ物が割れた?集特98p008-021_nico01_tokusyu.indd 82018/12/12 13:39患者さんへの治療の説明に 使える雑誌ってどんなの?166

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