デンタルアドクロニクル 2019
92/180

巻頭特集2  2019年歯科界大注目企業 アライン•テクノロジー•ジャパン株式会社 特集90図2 左:iTeroエレメントのアウトカム・シミュレーターを使用すると、スキャン後5分ほどで患者の現在の歯列と矯正治療後のイメージ画像による最終位置を並べて確認が可能。矯正治療を実際に行う前に歯並びがどうなるかを視覚的に確認できるため、患者とのコミュニケーションが高まる。右:オクルーザグラムを使うと咬合接触状態を確認可能である。患者への高い訴求効果瀧野:iTeroエレメントの優れた点は主に2点ということですね。精度の高いマウスピース型歯列矯正装置製作を可能にするという点と、ビジュアル的に患者さまに興味をもっていただける、喜んでいただけるという点です。伊藤:患者さまには、とてもわかりやすいですね。視覚的に訴え、理解がしやすいということはありがたいことですね。瀧野:矯正治療でなくてもフルカラーで画像を見せると、銀色の部分など、患者さんが思いもよらない、「僕の口の中はこんなのですか」といった感じで、「じゃあもっと治してください」となる場合もあります。また、補綴物だらけの画像を見ると、患者さまは「治してほしい」とおっしゃる場合もあります。私の医院は口腔内写真をすべての患者さまに撮ってお見せしているのですけれど、iTeroエレメントでスキャンした写真のほうがさらに喜んでいただけるようです。伊藤:もう一つ、先ほども述べたように咬合接触状態を見ることができるので、そういった意味ではどれだけバイトがきついのかとか、われわれドクターサイドにとっても有益な情報が得られるというのと、もう一つは患者さまに「こんなに噛み合わせが悪いですよ」と言うことができるので、そういう意味でも助かります。iTeroエレメントへのさらなる期待伊藤:このiTeroエレメントにさらにシェード機能が付くと良いのですけれど。補綴部分だけでもシェードアップしたカメラの実際の歯肉色、歯牙色が撮れるカメラに、バージョンアップした機能が付与されるとうれしいですね。瀧野:こういう分野はスキャン用カメラにせよ、まだまだ小さくなるでしょうし、中身もどんどんバージョンアップして、現行の次のバージョンが出るのでしょう。さまざまな面で期待しています。伊藤:スキャン画像のさらなる精度向上などにも期待しています。瀧野:一般開業医の先生方にも興味をもっていただける内容になりましたでしょうか?何しろ一般開業医は矯正となると診断が苦手な人が多いですから、このようなシステムができたのは助かります。伊藤:瀧野先生と私がiTeroエレメントを活用しているという話だけでも、一般開業医の先生方に十分興味をもっていただけるのではないでしょうか。私のような老体ががんばってデジタルに挑戦しているのですから、若い先生方にももっともっとデジタルに挑戦してほしいと思います。CT・マイクロスコープに続いて口腔内スキャナーが診療室の三種の神器になる日は近いと思います。瀧野:確かにそうかもしれませんね。一般開業医でもiTeroを導入する医院は増えるでしょう。本日はありがとうございました。伊藤:こちらこそありがとうございました。

元のページ  ../index.html#92

このブックを見る