デンタルアドクロニクル 2020
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特別座談会れやすい波長なんですね。炭酸ガスやEr:YAGレーザーなどでも行いましたが効果がありませんでした。これらは長波長で通過してしまい吸収しないからで、Nd:YAGがちょうどいいんですね。佐藤●どんなメカニズムですか?伴●ZRの化学式はZrO2ですが、Nd:YAGを照射すると、そこから酸素が欠乏していくため真っ黒になり、金属ジルコニウムに近づきます。溶解・凝固し亀裂が生じた状態なので、ダイヤモンドバーで削るとサクサク削れます。この性質を利用しているのです。須崎●いまはダイヤモンドバー1本でできますので、助かっています。伴●この方法は奥田祐司先生(東京都開業)に論文を書いてもらったんですが、こんなに利用してもらっているなら大変喜ぶと思います。行田●私も奥田先生に直接教わりました。伴先生からのご指導とうかがっております。伴●ありがとうございます。行田●私のようなモノリシックで縁下マージンにしたような時にレーザーを使う場合は、気をつけなければいけないという危惧があります。伴●そうですね。佐藤●茂久田社長から外す器具についてはいかがでしょうか。茂久田●回転切削器具は各社とも似たようなものが多く、私どもとしてはそのさらに先の商品を考えていきたいなと思っているところです。行田●Nd:YAGレーザーの話題が出ましたので、関連して紹介したいのですが、いま歯根破折が問題となっていますよね。ファイバーポストもいいのですが、私は歯根破折防止にチタンポストが良いと思っていて、ちょうどさんから発売されているチタンタイプの「パラポスト」(コルテン/ウェルデント社)を使っています。茂久田●ありがとうございます。行田●歯根破折を起こさないためにチタンポストを長めに入れるのですが、チタンは熱伝導率が高いので、Nd:YAGレーザーを当てると、レジンで接着しているため、取れやすいんですよ。いざという時に取れるというメリットがある。削らなくても取れるんですね。佐藤●レジンが溶けるのですね。行田●もっと面白いのが、スクリュータイプのポストも、Nd:YAGレーザーを当てて逆回転させると、きれいに取れるんですよ。普通は逆回転させると、ちぎれてしまいます。佐藤●初めて聞きました!折れない かるく削れる「 オロチ 」 ワンピース1体型カーバイドバー佐藤●メタルの除去に関してはカーバイドの良い製品がありましたよね。茂久田●市販カーバイドバーのほとんどが先端のみ接着式のため、折れて口腔内を傷つけることが非常に問題になっています。病院によっては、傷つけなくても折れただけでレポートや報告書が必要になるとうかがいました。そこで、そういうことが起こりにくい1体型の削り出しで、かつよく切れて切削片も飛び散らないようなバーがあったらいいなと考え「オロチ」(茂久田商会、図8)という製品を開発し、好評をいただいております。行田●よく削れて、かつ折れないですよね。佐藤●多くの医局員を抱える大学としては、こういう折れない製品を使っていくのが良いのかなと思います。本当によく切れます。行田●切れすぎるから、ちょっとカーバイドのピッチが細くてもいいくらいかもしれないですね。先端が小さく 糸をつかむ「 マーチン コードパッカー 」行田●さんの「マーチン コードパッカー」(KLSマーチン社、図9)は、先端が小さくて使いやすいですね。糸がよく把持できます。私は圧排にすべりやすく硬い絹糸を使いますが、すごく使いやすいです。佐藤●歯肉縁下形成時の圧排に、この図8 「オロチ」 (茂久田商会) を用いた 金属歯冠修復物の 除去。図9 「マーチン コードパッカー」 (KLSマーチン社) を用いた 歯肉圧排。44

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