デンタルアドクロニクル 2020
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が つくる “ これから ”コードパッカーはおすすめですね。行田●糸をホールドしやすいですよ。須崎●私も使いやすいと思っています。歯肉溝部によく入り込みます。行田●滑らないのがいいですね。1本だけで プロビジョナルが仕上がる 「 KTバー 」須崎●プロビジョナルクラウンが1本でできる便利なバーをおすすめします。マージンも出せるし、研磨も速くて、チェアサイドで1本で全部できてしまうのが魅力です。茂久田●土屋賢司先生(東京都開業)がデザインした「KTバー」(ホリコ社、図10)という製品です。須崎●咬合面も引き上げる感じで溝も作れますし、以前は数種類のバーを使っていたんですが、いまはこの1本でほとんど足りています。行田●本当に切れ味が良いですね。いわゆるシングルカットといって1本刃なので、効率がいいんですよ。以前は収縮した内面を別の細いバーに取り替えて削らなければいけなかったのですが、いまはこのバーのまま内面を一層さっと先端で削るようにしています。付け替えがなくて便利です。佐藤●内面切削も含めてできるんですね。行田●須崎先生がおっしゃられたように、咬合面のカービングもできるという点も、本当に優れものですね。茂久田●ありがとうございます。先生方から花丸をいただき、嬉しいですね。遊離エナメルも 緻密に保存「 OK GOLD エキスカ 」佐藤●あと保存修復領域になりますが、おすすめのエキスカがあるとか。須崎●マイクロスコープを使うときに非常に便利な、先端が非常に小さなエキスカです。いまは「エナメル質をできるだけ残す」という治療を目指していますが、その際、天然歯のエナメルを残しながらエナメル-象牙境をいかにきれいに取るかというのがポイントとなります。このエキスカは、まさに“かゆいところに手が届く!” 一品です。茂久田●これは岡口守雄先生(東京都開業)がデザインされた「OK GOLD エキスカ」(茂久田商会、図11)という製品で、先端がφ0.6~1mmと非常に小さいものです。近々シャンクの長いものも出す予定です。先端が小さいため研ぐのが難しいという声をいただきましたので、GOLDコーティングを施して長持ちするようにし、研ぐ頻度を減らすようにしたのも特長です。佐藤●感染象牙質など、取りたい部分を的確に取れるということですね。須崎●重要な咬合接触点となるエナメル部分を残しながら、中の感染象牙質を取るとなるとバーだけでは届きませんので、このようなスプーンエキスカでしっかり取っています。いまは重合収縮がコントロールできるようなCRが多くなってきたことから、うまく使うとフリーエナメルも残せるという利点があります。先端が「とどく」「かきだす」という2つのパターンがあるのも非常に使いやすいですね。佐藤●接着技術が進んできたからこそ、こういう器具が必要になってきたということでもあるんですね。図10 「KTバー」 (ホリコ社) を用いた プロビジョナルクラウンの研磨。a:内面の研磨。  b:咬合面のカービング。ba図11 「OK GOLDエキスカ」 (茂久田商会) を用いた 感染象牙質の除去。a:除去中。 b:除去後。ab47

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