デンタルアドクロニクル 2020
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特別座談会“かゆいところに いつも 手が届く!” ― 一歩先をみとおすの 挑戦佐藤●最後にさんの取り組みとして、将来展望など、メッセージをいただけますでしょうか。あらゆるデンチャーを  衛生的に 砂研磨なしで「 アクリル マーベル 」茂久田●私はデンチャーの砂研磨が非衛生的でずっと気になっていまして、歯科治療のなかで一番汚いところは砂研磨ではないかと思っています。技工士さんが濡れたままのドロドロを何百人分磨いたかわからないまま使い続ける状況を何とかしたいと。とくに老人ホームなどでは、砂研磨を通じて口の中の細菌を感染させる危険性が高まりますので、どうにかしたいなと思い、砂研磨のいらない、1つで粗研磨、中研磨、仕上げ研磨の三役をこなし、患者さん1人ずつディスポーザブルで使用できる「アクリル マーベル」(DVA社、図13)という製品を開発しました。行田●これいいですね。茂久田●「院内から砂研磨を無くしたかった」というドクターやラボ経営者から、切り替えが進んでいるところです。須崎●良い製品だと思います。佐藤●ラボをもたない医院には、とくに良いのではないでしょうか。強力ライトから 目をまもる「 ブラック ミラー 」茂久田●ルーペやマイクロスコープで診療をされる先生が増えていますが、光源も強力なのでミラー周りからの反射光も強くなります。そこから目を守ろうということで、先端のミラーは明るいのですが、軸やフレームは黒にしてギラつきを防ぎ、好きな角度に曲げられる「ハーネンクラット 歯鏡 超明 曲がる マイクロミラー」(ハーネンクラット社、図14)を開発しました。また同シリーズには、両面タイプでどっち向きに圧排していても使用できる「超明 両面ミラー」もあります。須崎●たしかに明るく、でも関係ないところは反射しなくて、目にやさしいですね。軸が自由な角度に曲げられるのも特長ですね。両面タイプは、圧排しても患者さんに冷たい、痛いと言われたことがありません。茂久田●同時にたくさんの「黒いものがほしい」「目にやさしいものがほしい」「曲がるものがほしい」「小さいものがほしい」といった要望を組み合わせて、ようやく完成したものです。すばやく 強力な無菌化 根管洗浄「 エディ 」茂久田●あとエンドでは、どうやって拡大するかに関心が集まってきましたが、最終的には根管の無菌化が大事ではと考えました。削るよりも洗うことですね。ただ既存の金属の超音波チップで洗うと傷つけてしまうので、根管に当たっても傷つかないものでできないかと考え、やわらかいポリマー製の根管洗浄チップ 「エディ」(ジッペラー図13 「アクリルマーベル」 (DVA社)によるデンチャーの研磨。図14 「ハーネンクラット 歯鏡 超明 曲がる マイクロミラー」 (ハーネンクラット社)の 使用例。 (写真提供:大阪府開業 木ノ本喜史先生) a:逆根管充填後。 b:外科的歯内療法。ab54

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