デンタルアドクロニクル 2020
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とネットでつながるだけで良いという、すごい時代と言えます。今後オープンシステムがきちんと理解され、拡大を続ければ、デジタルデンティストリーは本当に楽しみです。̶口腔内スキャナーのあるべき姿とは。 精度について言えば、アナログ印象との比較や、各社のスキャナーごとの性能を論じていた時代もありましたが、現在はアナログ印象と同等とエビデンスが出ています。ですから、“口腔内スキャナーの精度は高い”ということで既に結論は出ました。 今注目しているのは、今後爆発的に進化する可能性のある拡張性の観点です。口腔内スキャナーによって、アウター(外側:歯冠や歯肉表面)のスキャンデータ、CTによってインナー(内側:歯根や骨)のスキャンデータのマッチングが可能です。最近でも、ちょっと意外でしたが、睡眠時無呼吸症への対応などでそうしたシステムが生かされています。これからは顎関節症やエンドなどにおいても、口腔内スキャナーが活用された症例が増えるでしょう。何をするにも口腔内スキャナーとCTがなければ治療計画が立てられなくなるように思えます。̶2019年7月、日本にて待望の新製品Primescanが発売されました。いち早くIDSでPrimescanに触れた第一印象をお聞かせください。 IDSでは、本当に楽しく体験させていただきました。正直に言うと最初は、なぜこれほど大きく、重くなってしまったのだろうという印象でした。しかし一度撮影してみると、抜群に撮りやすい。Omnicamとはまったく別物で、口腔内がどういう状態でもスキャンが途切れることがありません。AI機能によって指や舌、頬粘膜などが映っても瞬時に消す、どの部分からスキャンを再開しても前のデータとマッチングするなどの点で本当に撮りやすかったです。 一方で、口腔内スキャナー全般に言えることですが、弱点があるとすれば、まだ縁下が撮りにくいことです。メタルクラウンを外してマージンがすごい縁下の場合、スキャンは大変になりますが、Primescanでは新機能のダイナミックディプススキャンにより歯肉縁下の再現性が向上しています。̶Primescanの撮影スピードによって、診療がより効率化でき、患者さんとのカウンセリングにより時間がとれるなどのメリットは感じますか。 はい、非常に感じますね。実際、上下顎を撮影・スキャンするのにフルマウスなら上45秒、下45秒しかかかりませんので、シリコン印象材が片顎固まるまでの約5分と比べると、このスピードは本当に別次元です。 片顎で印象を採っていたときはバイトがなかなか決まらない時もあり、患者さんに負担をかけてしまう場合がありました。しかし、Primescanでスキャンをするようになってからは、片顎だけでもバイトが決まるようになり、患者さんの負担を減らすことができました。̶デジタルデンティストリーを切り開いてきたデンツプライシロナ。これから期待する点をお聞かせください。 素直な希望を挙げるとすれば、スキャンデータと顔貌をコンバインできるスマイルデザインの強化です。デンツプライシロナが先駆けて搭載した機能ですが、最近では他社も優れた機能の物を出してきましたから。 あとは、すでにジルコニアソリューションとしてカタナジルコニアブロックとCERECシステムの組み合わせにより、歯科医院内で最短18分という短時間での焼成を可能としていますよね。 チェアサイドワンビジットジルコ荒井 昌海1999年 東京医科歯科大学 歯学部 卒業2003年 エムズ歯科クリニック 開院2004年 医療法人社団 翔舞会 理事長 就任80

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