デンタルアドクロニクル 2020
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̶大川先生とCERECとの出会い、導入のきっかけを教えてください。 学会などでデジタルでの症例が増えてきていることで興味を持ち始めたのが最初の入り口です。ただ当初は、CERECを使用したさまざまな症例を見るなかで、適合や形態、色などに難点が見られて、あまりCERECに興味がありませんでした。 そこで、導入するきっかけとしてもっとも大きかったのは、得意先の歯科技工所がデジタルを導入したことで、長年お付き合いしていて意思疎通がとれる歯科技工士と引き続き仕事ができるならということで導入を決意しました。̶Primescanを導入してからのドクターサイドと患者サイドからの優位性を両面からお教えてください。 まず、院内のメリットとしてもっとも大きいのは、印象に付随する作業がまったくいらないということです。これまでのアナログ印象では石膏を練ったり、それを発送したりという作業がありましたが、極端に言えば指一本で歯科技工士の元へ届いてしまうということで、時間の短縮と業務の簡素化が図られます。それはスタッフも非常に喜んでいますし、管理も楽になっているようです。 患者サイドからすると、もっとも大きいのはやはり印象の苦痛の軽減と治療のスピードだと感じています。従来1~2週間かかったところを、当日あるいは1日後に補綴装置ができてしまいます。あとは患者さんに対しての治療の可視化という面でもメリットがあると感じています。印象採得後、患者さんにデータを見せながら説明をしますが、どういう状況で歯を削って、どういう状況で型をとってということをその都度見せられるので「もうそんな時代なの」と、すごい驚かれますね。̶Primescanの使用感はいかがですか。 スキャナーの精度は、細部まで正確に撮れるのでPrimescanのレベルは他の口腔内スキャナーとまったく違いますね。歯科技工士からの情報ですが、補綴装置があわない場合、スキャンの精度か技工操作が原因なのかわからなかったと。そこにPrimescanが登場して、スキャナーの精度が全然違うことがデータで証明され、各スキャナーによる差があったことがわかったということです。 当初は半信半疑だったんですが、スキャンニングだけしっかりとできていれば、あとはミリングマシンで削って装着すればそれで終わりです。こんなにもスムーズな処置が可能なのかと驚きました。もう十分、アナログ印象に対抗できるシステムだということを実感しました。̶今後、Primescanに期待することは。 スキャナーに関しては、十分満足するレベルに達しています。一方で操作性としては、従来機のOmnicamが小さ過ぎたのかヘッドの大きさが気になります。慣れの問題なのか、開口量スキャン精度は、細部まで正確に撮れるので別レベルですね。トークルーム大川敏生Vol.2Primescan大川 敏生1998年 大阪歯科大学 卒業1999年 医療法人おくだ歯科医院 勤務2010年 大川歯科医院 開業82

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